ボウリング・フォー・コロンバイン|動画配信情報・感想・評価・解説

ボウリング・フォー・コロンバイン
2002年製作/120分/カナダ・アメリカ合作 予告動画を検索

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音楽
製作

「ボウリング・フォー・コロンバイン」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「ボウリング・フォー・コロンバイン」はマイケル・ムーア監督によって、2003年の1月25日に劇場公開されています。

同時多発テロ以降の扉を閉ざし続けていくアメリカに警鐘をならす「華氏911」や、医療保険制度の巧妙なからくりを暴き出す「シッコ」など。

現政権への批判から医療問題までを取り上げている、1954年生まれでミシガン州出身のドキュメント作家がメガホンを取りました。

長閑な町の高校を惨劇の舞台に変えた事件の背景と、その後も一向に進まない銃規制について一石を投じる異色ドキュメンタリーです。

あらすじ

ふたりの男子高校生がコロラド州のコロンバイン高等学校で銃乱射事件を起こしたのは、1999年4月20日のことです。

ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーアが現地へ飛んで地元の人たちに話を聞いて回りますが、容疑者の動機は掴めません。

ふたりは凶器の銃を鉄砲店や展示会で合法的に手に入れていて、弾丸の多くは近所のKマートで購入していました。

地元警察が容疑者宅から証拠品として押収したのは、暴力的な描写のビデオゲームや人種差別的な思想を煽る書籍などです。

そんな中でも彼らに悪影響を与えて犯行に駆り立てたとして、ひとりのミュージシャンがメディアからの一斉砲火に遭います。

少年たちが犯行直前に立ち寄って遊んでいたという、町外れのボウリング場へとムーア監督は真相を探りに向かうのでした。

あの名優にカリスマミュージシャンも

銃撃犯が深く傾倒していたというカルト的な人気を誇るバンドのボーカリスト、マリリン・マンソンがインタビューに答えていました。

悲劇的な死を遂げた大女優マリリン・モンローと、シャロン・テート殺害の実行犯チャールズ・マンソンを組み合わせた芸名が不吉です。

けばけばしいファッションと濃すぎるビジュアル系メイクとは裏腹に、繊細な素顔と誠実な人柄が浮かび上がっていました。

全米ライフル協会の会長を1998年から2003年にかけて務めた、俳優のチャールストン・ヘストンも登場します。

「ベン・ハー」でのユダヤ人貴族役や「猿の惑星」のテイラー大佐役として、往年の名画ファンの方には馴染み深いのではないでしょうか。

コロンバイン事件の僅か10日後に、「銃は死んでも渡さない」と発言するなど何かにつけてお騒がせな人物です。

ムーア監督自身も19歳までライフル銃協会のメンバーであっただけに、両者の息詰まるやり取りに注目して下さい。

原点に還って突撃

ムーア監督の代名詞とも言えるアポ無し突撃取材のスタイルが確立したのは、デビュー作の「ロジャー&ミー」にまで遡ります。

かつては自動車の町として栄えてきた故郷へのレクイエムを込めた作品としても有名で、その攻撃対象は当時のゼネラルモーターズの会長にまで及びました。

今作でもトレードマークとなったダボダボのTシャツを羽織って、「writer」とロゴが書かれた黒のキャップを被ったラフな服装は相変わらずです。

取材対象者のプライベートなエリアまで臆することなく踏み込んでいき、遠慮会釈もなく質問をぶつけていく様子にはハラハラさせられます。

自らの主張をマシンガントークで訴える饒舌な者、カメラの前ではただひたすらに貝のように沈黙を貫き通す者。

一筋縄ではいかない彼ら彼女たちから如何にして真実の声を引き出していくのか、その駆け引きと巧みな話術は見ごたえ充分です。

危険なボウリング

計画を決行する僅か5時間前の午前6時に、少年たちがボウリングをプレイ中に何を思っていたのかが明かされていきます。

ふたりが記録したストライクの数やスコアまでを事細かに調べあげていく執念深さと、導き出された意外な事実が衝撃的です。

ムーアやヘストンの地元であるミシガン州の民兵訓練所では、ボウリングのピンを的の代わりとして使用されているという逸話も気になりますね。

「ボウリングのピンはその形が人体に似ている」という、指導教官が真顔で言い放つセリフが何とも不気味でした。

過激なシューティングゲームやアクション映画が槍玉に挙げられる風潮の中で、真っ先にボウリングに目をつけたムーア監督に感心させられます。

足元に忍び寄る銃

映画の冒頭で地元紙を読んでマイケル・ムーアが向かった先は、ノース・カントリー銀行というごく普通の田舎町にある銀行です。

ここの窓口で開催されている、新規口座を開くと銃がプレゼントされるというキャンペーンには驚かされました。

銀行の地下金庫に保管されているという500を越えるライフル銃の存在と、老若男女が利用する銀行のイメージとは結びつきません。

口座開設者であれば簡単な病歴や犯罪歴のチェックを受けた後で、1週間程度の審査をクリアすれば銃を手にすることが出来ます。

かつては10代で全米ライフル協会の優秀賞を受賞した過去を持ったムーア監督らしく、銃を構える姿は様になっていました。

当たり前のように人々の日常生活のすぐ側にまで銃が入り込んでいる、いま現在のアメリカ社会の深刻な現状を垣間見えてきます。

小さな一歩が世の中を変える

コロンバインの被害者でもあり生存者でもある生徒たちの声も、ムーア監督は本作品を通してしっかりと伝えていきます。

彼らを引き連れてアメリカの大手ディスカウントショップ、Kマートの本社へと果敢に乗り込んでいくシーンが痛快です。

遂には拳銃や殺傷銃の弾薬を販売しないという、画期的な声明がKマートの副社長・タヴィッシュの口から発表されます。

不条理へと立ち向かっていったコロンバインの若者たちが、知恵と勇気を振り絞って手に入れた勝利には胸を打たれました。

大企業と比べてみるとひとりひとりの力は余りにも無力ですが、小さな流れが集まって大きなうねりと変わった時には国家や歴史でさえ動かせるかもしれません。

寛容性あふれる北の国

後半パートの舞台となる、アメリカと肩を並べるほどの銃大国・カナダでの数多くのエピソードが心に残ります。

3000万人の国民が数100万挺の銃を保有しながら、年間にして僅か数件程度しか射殺事件が起こらないというデータに驚きです。

近場に外出する時に自宅に鍵を掛けないというカナダ国民のおおらかさと、疑心暗鬼にとり憑かれて銃を手放さすことが出来ない超大国とのコントラストが鮮やかでした。

狩猟国家としての伝統を重んじるカナダと、銃によってネイティブの人たちの土地を奪ってきたアメリカとの負の歴史も浮き彫りになっていきます。

こんな人におすすめ

広大な庭に厳重な警備システムが張り巡らされた、ヘストン邸をムーア監督が立ち去る後ろ姿が忘れ難いです。

静寂に包まれていた敷地内を一歩出た途端に、争い事の絶えることのない外の世界へ放り込まれるようで暗澹たる気分になりました。

法律による厳罰化や国家権力による締め付けではなく、お互いが武器を捨てて違いを受け入れていく必要性についても考えさせられます。

ガス・ヴァン・サント監督の群像劇「エレファント」や、ローラ・カジシュキーのミステリー文学「春に葬られた光」等。

スクールシューティング事件からインスパイアされたドラマや小説に興味がある皆さんは、是非ともこの映画をご覧になってください。

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