時計じかけのオレンジ|動画配信情報・感想・評価・解説

時計じかけのオレンジ
1971年製作/137分/アメリカ 予告動画を検索

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音楽
製作

「時計じかけのオレンジ」をサクっと解説

ライター/音野いつく

高校時代は年間100本の映画を観ていた元映画好きです。

作品概要

「時計じかけのオレンジ」は、スタンリー・キューブリック監督による、1971年のバイオレンス青春映画です。

アンソニー・バージェスによる同名の小説が原作となっていますが、映画の方が有名かもしれません。

近未来のロンドンを舞台としており、主人公アレックス率いる不良集団の特徴的な服装は今観てもモダンで時代性がなく強い印象を残します。

また、この時代に作られた近未来を予想したものの多くに見られる、白を基調とした丸いフォルムの家具などは、レトロでありながらスタイリッシュで、映像作品としての魅力を引き立てています。

おぞましい事件と暴力に彩られた本作は、哲学的ながらもアクションのような爽快感もあり、見る人にショックを与える作品ですが、ファンの多い映画です。

あらすじ

舞台は近未来のロンドンです。

主人公のアレックスは、仲間と行きつけのミルクバーに行き、ドラッグ入りのミルクを飲み、車を飛ばし、暴行目的で女性を捕らえた不良グループを襲いケンカをしたかと思えば、ホームレスをリンチするなど、その生活は退屈を紛らわすかのように刺激を求めて暴力で発散する毎日です。

中でもアレックスは、グループのリーダー的な存在で、他のメンバーからも尊敬されつつも恐れられています。

そんなある日、アレックスはいつものように仲間を引き連れ車を飛ばし、裕福な家庭に押し入ります。

彼らは家の中で大暴れし、家族に暴力を振るいます。

さらに彼らの行動はエスカレートし、再び他人の家に押し入りますが、そこでアレックスはとうとう殺人を犯してしまい、逃げ遅れて逮捕されます。

改心などないアレックスは、刑務所の生活に退屈し、刑期の短縮があるルドヴィコ治療法という更生プログラムを志願します。

ナッドサット言葉

近未来という設定のため、彼らの話す言語も少し変わっています。

映画の中では頻繁に「ナッドサット言葉」というものが使われます。

アレックスと仲間たちの暗号のような言葉は、最初は意味が掴めないながらもとても魅力があります。

どうやらロシア語と英語を混ぜたような言葉なのですが、独特の単語と彼らにしかわからない隠語のような役割は、使う人とそれを理解する人に特別感を感じさせる不思議な効果があります。

冒頭でも、他の不良グループにもてあそばれている女性を指して「デボチカ」とか「フィリー(強姦)」などと力強く発音するシーンは、音の響きもあってか、知的なニュアンスさえ感じさせます。

アレックスがかっこいい

暴力をスタイリッシュに描いたといわれる本作は、確かにアレックスがとてもかっこよく見える仕上がりです。

彼の核をなしているのはその非道な性格と暴力ですが、意外にも家ではルドヴィッヒ(ベートーヴェン)を嗜み、いつも聞いています。

クラシックというと彼のような不良とリンクしないのですが、そうしたギャップがより彼の魅力を際立たせ知性を感じさせています。

「時計じかけのオレンジ」の世界は近未来ですが、レコードショップがあります。

そこで女の子2人をナンパし家に連れ込むシーンでも、早回しのベートーヴェンの楽曲が使われており、コミカルながらクールな演出です。

まさに、暴力をスタイリッシュに描き、観る人を魅了している背徳的な映画といえます。

ルドヴィコ治療法

物語の前半は、アレックスと仲間たちの暴力行為がみずみずしくスタイリッシュに描かれ、良くないことだと分かっていながらも、アレックスを羨望のまなざしで見てしまいます。

しかし後半は、ある治療を経て正反対の人間になるアレックスにくぎ付けになります。

その転換としてあるのがこのルドヴィコ治療法です。

そのインパクトは凄まじく、目を器械で見開く痛々しい治療方法で、強制的に瞬きをできなくし、暴力的な映像を見せることで、暴力に対するトラウマを植え付けるという、非人道的な更生プログラムなのです。

当初、怖いもの知らずの彼は意気揚々と被験者に名乗りをあげますが、あまりのショッキングな治療法に悲鳴を上げるほどでした。

ナッドサット言葉がもたらす効果

ロシア語と英語を混ぜたナッドサット言葉ですが、ロンドンという地域性からも、コックニー訛りのようにとらえると分かりやすいかもしれません。

実際に、ロンドンへと旅行に行くと、映画や海外のニュースで聞くような英語が「クイーンズイングリッシュ」と呼ばれる、いわゆる標準語のようなものであったのだと痛感します。

コックニー訛りといえば、映画「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」は、本国イギリスでの公開においてさえ字幕がつくほど、訛りが強い言葉で隠語も多いと言われています。

しかし、どの時代においても、そうした言葉は若者を引き付けてやまないようで、現代のロンドンでも、コックニー訛りがかっこいいという風潮もあるようです。

そうした流れを踏まえると、「時計じかけのオレンジ」は、若者心理をよくとらえた映画だと思います。

モダンなインテリア

70年代初めに公開された本作は、たしかにSF映画にあるような驚きを与える変容はないかもしれません。

近未来の設定ながら、彼らはまだレコードを聴いていますし、空飛ぶ車なども存在せず、未来的と言えば、老婆のヘアースタイルがカラフルで個性的なところくらいでしょうか。

しかし、やはり当時の人々が想像する「未来」というものは怪しい魅力を帯びていると思います。

特に印象的なのは、アレックスが殺害してしまう老婆の家には、男性器を模したような真っ白オブジェが置かれ、彼と老婆の格闘の際に武器として扱われる様は、何かのメタファーにも受け取れます。

ミルクバーも黒に白い文字が浮かぶ壁に、女性を模したテーブルと、退廃的で無機質な柄もデザイン性に富んでいます。

白黒つけられない映画

ミルクバーは黒い背景に白い文字が浮かぶインテリアであり、アレックスたちの装いも、黒い帽子に白い服という出で立ちです。

しかし、この映画では暴力行為を働いた彼に強制的なトラウマを植え付ける事で更生させる、という治療が用いられ、見る人にもショックを与えます。

後半は、アレックスは暴力を行わなくなったものの、治療の影響で大好きなベートーヴェンを聴くと恐ろしく体調が悪くなり自殺しそうになる、というハンデも抱えます。

単純に、アレックスが可哀想という気持ちにもなり、同時にアレックスのしてきた犯罪行為を思えば安易な慈悲が不当にも思え、この問題に白黒つけることが難しく感じます。

その後も、暴力を振るわないアレックスはかつての仲間に復讐される場面もあり、善悪や人間の在り方について考えてしまいます。

こんな人におすすめ

時計じかけのオレンジは今でも根強い人気を誇るSF映画です。

単純に、スタイリッシュな映像作品として楽しむこともでき、かつ、バイオレンス描写の背徳感がよりそのアート性を際立たせていると思います。

対して内容は、一言で結末を言い表せない作品となっており、バッドエンドともハッピーエンドとも言えない、または見る人にとって違うものとなっているでしょう。

一概に、誰が正しい、間違っているとは言えず、永遠にその答えが出せないからこそ長年人を惹きつける映画になっているのかもしれません。

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