シンクロナイズドモンスター|動画配信情報・感想・評価・解説

シンクロナイズドモンスター
2016年製作/110分/カナダ 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
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原作
-
出演
音楽
製作

「シンクロナイズドモンスター」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「シンクロナイズドモンスター」はヴォルテージ・ピクチャーズによって、2016年にカナダとスペインで合同製作されました。

ネオン社の配給によってアメリカで先行上映された後に、日本でも2017年の11月3日から劇場公開されています。

「ブラック・ハッカー」や「ABC ・オブ・デス」などメガホンを取っているのは、サスペンスドラマからオムニバスムービーまでの創作活動を続けているナチョ・ビガロンド監督です。

第41回のトロント国際映画祭ではワールドプレミアム上映された他、2017年1月のサンダンス映画祭にも招待されました。

撮影開始前に日本の東映社から無断映像使用についてクレームが入りながらも、何とか和解とクランクインに漕ぎ着けた曰く付きの作品です。

失業して実家に逃げ帰った冴えないアメリカ人女性が、韓国で暴れ回る怪獣に立ち向かっていくSFアドベンチャーに仕上がっています。

あらすじ

ここ数年来アルコール依存症が酷くなっていく一方なグロリアは、つい最近になって仕事を失ってしまい踏んだり蹴ったりの毎日でした。

恋人のティムとも倦怠期に突入した末に、一緒に住んでいたニューヨークのアパートを追い出されてしまいます。

他に行く当てのなかった彼女が向かったのは、長らく足を運んでいなかった生まれ故郷のニューイングランド地方です。

帰ってきて早々に幼馴染みのオスカーと意気投合したグロリアは、彼が父親から受け継いだバーを手伝うことになりましたが酒癖の悪さは治りません。

同じ頃大平洋を挟んだ向こう側のソウルでは、突如として正体不明の巨大生物が出現して大パニックになっています。

仕事が終わってテレビを見ていたグロリアは、モンスターと自分との不思議な繋がりに気付き始めていくのでした。

崖っぷち女を好演

仕事無し彼氏無しの上にお酒を手放すことが出来ない主人公、グロリアの役にアン・ハサウェイが扮していました。

ゲイリー・マーシャル監督の2001年作「プリティ・プリンセス」では、勉強もスポーツも苦手で野暮ったい女子高校生。

デヴィッド・フランケル監督作「シンクロナイズドモンスター」では、カリスマ編集長の下で小さくなっているアシスタント。

恋愛にも仕事にもパーフェクトなヒロインよりも、悩み傷つきながら成長していく等身大の役どころの方が似合っていますね。

今作では主演女優として名演技を披露しているだけではなく、製作総指揮として裏方での活躍にもチャレンジしています。

はた迷惑の塊のようなグロリアの世話を何くれとなく焼く、オスカー役を演じているのはジェイソン・サダイキスです。

幼馴染みに対してなかなか1歩踏み出すことが出来ない草食系キャラクターかと思いきや、中盤以降はどんでん返しを見せてくれますよ。

彼女の足跡が地球の命運を握る

映画の冒頭でニューヨークを逃げるように飛び出したグロリアは、大西洋に面した小さな町・メインヘッドへと辿り着きました。

架空の町ですが典型的なアメリカ東海岸のイメージを漂わせた風景で、彼女がお世話になっている酒場もアットホームな雰囲気があります。

懲りないグロリアが酔いつぶれた挙げ句に目を醒ます場所は、昼間は近所の子供たちで賑わっている公園です。

意味もなく園内をうろちょろとしているうちに、グロリアが導き出したひとつの答えには驚かされることでしょう。

これ以降は出来るかぎり公園の遊び場に立ち入らないようにしていたグロリアですが、彼女と同じくこのスポットの秘密を知った意外な人物が立ちはだかりました。

田舎町の小さな公園を守ることが、遠く離れたソウル市民の生命や財産を守ることへとリンクしていくのが面白いですね。

終盤ではニューヨークに戻るのか韓国に行くのか二者択一を迫られますが、グロリアにとっても地球全体にとっても運命の分かれ道になっています。

ダメ・ウーマンと怪獣を盛り上げるサウンド

ロサンゼルスに拠点を置いてテレビドラマやビデオゲーム音楽を作曲している、ベア・マクレアリーが本作品のサウンドトラックを手掛けました。

憧れのニューヨークから都落ちしてきたグロリアを慰めるかのように流れている曲は、「Shake Sugaree」です。

歌っているのはシンガーソングライターのエリザベス・コットンで、グラミー賞を始めとする数多くの栄冠に輝きました。

獲得した賞金でニューヨークにレコーディングスタジオ付きの自宅を建てて、生涯をこの地で終えたことでも有名です。

オスカーが運転する愛車のフォードのカーラジオからは、「The Great American Shakedown」が聴こえてきます。

「ウェス・アンダーソンの映画の中みたい」というグロリアの呟きと共に鳴り響くのは、「The Lady With The Braid」です。

「挿入歌がよくない」などとオスカーの口を借りて文句を言い出すワンシーンもあって、余裕と遊び心がたっぷりですね。

酒浸り負けっぱなしな彼女

二日酔いしたままで朝帰りをして延々と言い訳を繰り返す、ヒロイン・グロリアの虚しい笑顔がオープニングを飾ります。

フリーライターとは名ばかりの無職状態、昼間は部屋で寝ているかテレビを見ている、夜になるとついつい1杯引っかけに。

ただひとり辛抱強く見放すことがなかった同棲相手のティムが、遂には怒りを爆発させてしまうのも致し方ありません。

帰省した先で偶然にも再会を果たした小学校時代の同級生、オスカーのお店で心機一転と行きたいところです。

考えごとをしている時や気まずいムードになると無意識のうちに右手を頭のてっぺんに置いてしまう、彼女の癖が気になりました。

「モンキーみたい」というオスカーが思わず溢したセリフと合わせて、ストーリーの重要な伏線になっていきます。

モニターの向こう側に思いを巡らす

姉からの緊急連絡を受けてノートパソコンを開いたグロリアが、ソウル市内全域への攻撃に衝撃を受ける場面が印象深かったです。

まるっきり縁がない異国の地の惨状にも、我が身の不幸のように胸を痛めている誠実な一面を垣間見ることが出来ます。

いま現在でも各地で勃発している武力衝突や争いごとに、無関心になってしまうことへの危機感が現れていました。

世界各国の指導者や国連の平和維持軍でさえ知りえない巨大怪獣の秘密に、いの一番に迫っていくグロリアが痛快です。

小さな身体で大きな敵へと挑む

独りぼっちだった怪獣に「仲間」が出現したことがきっかけで、気だる気な停滞ムードから一気に加速していきます。

怪獣スペクタクルには欠かせない巨大ロボットまで登場しますが、あくまでも力と力がぶつかり合うバトルには発展しません。

持てる知恵と勇気を振り絞って、如何にして被害を最小限におさえようかと四苦八苦する様子が面白かったです。

自分自身の人生にさえ投げ遣りだったグロリアが、世界の平和を守るために立ち上がる瞬間には胸を打たれました。

こんな人におすすめ

全てに決着が着いて浮かれ騒ぐ街並みの中で、ちょっぴり逞しく成長を遂げたグロリアが目指す先はバーです。

カウンター越しに店主からお酒を薦められた時に彼女が見せる、うんざりとしたような表情が脳裏に焼き付きました。

仕事面でもプライベートでも行き詰まり感を覚えている、幅広い世代の女性の皆さんに是非とも見て頂きたい1本です。

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