最初の晩餐|動画配信情報・感想・評価・解説

最初の晩餐
2018年製作/127分/日本 予告動画を検索

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「最初の晩餐」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「最初の晩餐」はアットムービー・プロダクションによって製作されて、2019年の11月1日から全国ロードショーされました。

仲睦まじかったカップルが遠距離恋愛によって揺れ動く「終着の場所」や、サザンオールスターズの7年ぶりのスタジオアルバムの製作現場に密着した「FILM KILLERS STREET」など。

短編映画から音楽ドキュメンタリーまでの幅広い創作活動を続けている、常盤司郎監督による劇場長篇デビュー作です。

映画カメラマンの山本英夫や、フードコーディネーターの赤堀博美などゆかりのスタッフがバックアップしていきます。

常盤監督が執筆開始から書き下ろしまでに7年間の歳月を費やした、127分のオリジナルシナリオを映像化しました。

それぞれが好き勝手に生きてきたとある一家が、父の死をきっかけにして再び心をひとつにしていく感動作です。

あらすじ

登山ガイドの仕事をしていた東日登司が、出版パーティーで出会ったアキコと結婚したのは20年以上前のことです。

お互いが2度目の結婚になり日登志には長女の美也子と長男・麟太郎が、アキコにはひとり息子のシュンがいました。

5人での新しい生活がスタートしますが、3人の子供たちは成長していくにつれてひとりまたひとりと家を出ていきます。

久しぶりにきょうだいが実家に集まったのは、間もなく65歳の誕生日を迎えるはずだった日登志お葬式の時です。

葬儀の後には参列者に仕出し弁当が届くはずでしたがアキコがキャンセルしてしまい、代わりに彼女の手料理が振る舞われます。

全ては日登志の遺言通りに作られたメニューで、遺族や参列者の胸の内には少しずつ故人の思い出が涌いていくのでした。

バラバラ家族に豪華ラインナップが集結

長らく帰省していないためにすっかり都会の色に染まってしまった、主人公の東麟太郎役を染谷将太が演じていました。

自分だけの理想の家族を築き上げるために四苦八苦している、麟太郎の姉・美也子役に扮しているのは戸田恵梨香です。

少年期の麟太郎役の牧純矢や、少女時代の美也子役の森七菜など子役たちの好演もダイヤの原石のように光っていました。

放浪癖が強く何処か浮世離れしている母親違いの兄、シュンに扮している窪塚洋介もいい円熟味を披露しています。

三者三様の道のりを歩んでいくふたりの息子とひとりの娘を、優しく見守っている母・アキコは斉藤由貴です。

回想シーンのみの出演になり出番こそそれほど用意されていないものの、日登志役の永瀬正敏が放っている存在感は流石ですね。

魚介類も山菜も苦手でとにかく食べ物の好き嫌いが激しいという頑固親父の、意外な好物を推理してみてください。

ふたつの家族を繋いだ特製料理

劇中で東アキコが腕によりをかけて手作りする料理の数々が、実にバラエティーに富んでいて美味しそうでした。

家族になったばかりの東一家に不穏なムードが立ち込めていくのは、朝食のメニューの1品に出る味噌汁からです。

赤味噌しか食べることが出来ない美也子と断然白味噌派なシュンを宥めるために、アキコが編み出した秘策にはビックリさせられることでしょう。

アキコが虫垂炎で入院した時には、ピンチヒッターとして日登志が台所にたって意外な料理の腕前を披露していきます。

パッと見ると何の変哲もない目玉焼きにも、とろけるスライスチーズがトッピングされているのがポイントです。

家族みんなでピクニックに出掛けた時には、季節のキノコをふんだんに載せたオリジナルのピザを焼き上げていました。

死期を悟った日登志に対してシュンが御馳走する、ラー油をピリリときかせたすき焼きも忘れがたいものがあります。

何もない町の大きなドラマ

信州上田フィルムコミッションネットワークの全面的な協力を取り付けて、長野県上田市での現地ロケを敢行しています。

映画の冒頭で美也子と麟太郎が車で通り過ぎるのは、今は亡き父と小学生の頃に遊びに行ったボウリング場です。

若者の減少と高齢化によってとうとうここも閉店へと追い込まれてしまい、町にはパチンコ屋くらいしか娯楽施設がありません。

国道沿いから緑豊かな田園風景を駆け抜けていくと、かつては5人で暮らしていた懐かしの一軒家が見えてきました。

火葬場は地元の冠婚葬祭に利用されているセレモニーホールで、入り口に咲き誇る紫陽花の話が美しくて目を引きます。

自宅のある旧市街地とセレモニーホールのある再開発地区を繋ぐのは、日向橋と名付けられたノスタルジックな石造りの渡橋です。

この橋のたもとにポツンと佇んでいる寂れたバス停には、予想外の人物のサプライズ登場が用意されていますよ。

こんな時にも食欲は湧く

灯りの消えた病院の食堂で、向かい合ってラーメンを食べる北島美也子と東麟太郎がオープニングショットです。

どんぶりの中にはすっかり伸びきった麺と小さなナルトが浮かんでいて、お世辞にも美味しそうには見えません。

早く後片付けをして帰りたい店員から急かされるように、姉と弟は残りを掻き込んでペロリと完食していました。

たった今実の父親の死に際を看取ったばかりとは思えないほどの、ふたりの衰えることのない食欲には圧倒されます。

例え肉親が亡くなって雑事に追われていようとも、お腹だけはしっかりと空くのは人間の性なのかもしれません。

しばらくは出番なし

喪主として慌ただしく動きまわるアキコとは対照的に、麟太郎は所在無さげに庭先でタバコを吹かしています。

フリーカメラマンとして2年目に突入して、ようやく仕事が軌道に乗り始めてきた麟太郎の葛藤が伝わってきました。

お節介な親戚のおじさん東盛一には、「夢ばかり追いかけていないで」などと言われてしまう一幕がほろ苦いです。

企業広告用のコンペティションには敢えなく落選して、お付き合いをしている小畑理恵の実家にも挨拶に行けません。

葬式が無事に済んでから親戚一同が集まって写真撮影に臨む時になると、ようやく麟太郎の面目躍如が待っています。

台風一過の空に還る死者

これまでは打ち明けることが出来なかった、夫との馴れ初めをアキコが大人になった子供たちに告白する場面が心に残ります。

「血の繋がりのないあんたには言われたくない」と、生理的な嫌悪感を露にしてしまう美也子が大人気ないです。

一方では麟太郎のように、血縁関係や世間体に捉われることのない新しい家族の在り方を模索していく姿に共感できました。

台風が過ぎ去って晴れ渡った空の下で別れを惜しみながらも、それぞれが日常生活へと戻っていく後ろ姿が清々しく映ります。

こんな人におすすめ

きょうだいがお通夜に集まってから日登志の遺体を荼毘に付するまでの、たった1日の時間の流れが濃縮されていました。

余命2カ月を宣告されたカナダ人の女性が残された時間を全うする、イザベル・コイシェ監督作「死ぬまでにしたい10のこと」。

ロンドンの民生委員の地道な活動にスポットライトを当てた、ウベルト・パゾリーニ監督の「おみおくりの作法」。

世界各国の終活映画やお葬式をテーマにした作品と見比べてみると、それぞれの国や地域の文化の違いが見えてきて面白いです。

身近な人との死別を経験されたばかりの方たちや、大切な友だちとの別れがあった皆さんは是非ともご覧ください。

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