マイ・プレシャス・リスト|動画配信情報・感想・評価・解説

マイ・プレシャス・リスト
2016年製作/98分/アメリカ 予告動画を検索
IQ185を誇るキャリーは、14歳でハーバード大学に入学。優秀な成績を収め飛び級で卒業するが、その後は引きこもり就職することはなかった。ある時、彼女のセラピストであるペトロフが渡した6つのリストによって、キャリーは人と触れ合う喜びに目覚めていくのだった。

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
出演
音楽
製作

「マイ・プレシャス・リスト」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「マイ・プレシャス・リスト」は、2018年の10月20日に劇場公開されたスーザン・ジョンソン監督によるヒューマンドラマです。

第41回トロント国際映画祭での公式上映作品になり、第11回ガスパリラ国際映画祭では観客賞にも輝いている注目作になります。

「好きだった君へのラブレター」などのネット配信ドラマの他にも、ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイの豪華な共演が話題になったナンシー・マイヤーズ監督の「マイ・インターン」を手掛けた映画プロデューサーがメガホンを取りました。

長編映画初チャレンジながらも、ニューヨーク市観光局の全面的なバックアップを取り付けて市内でのロケを敢行しています。

大都会ニューヨークに生きる孤独なヒロインの何気ない日常生活の風景から、彼女を取り巻く多種多様な人間模様まで見どころ満載な作品になっています。

あらすじ

キャリー・ピルビーはロンドンで生まれ、12歳の時に母親を亡くしました。

彼女はIQ185を誇り14歳にして単身アメリカへと渡り、ハーバード大学へ入学します。

優秀な成績を収め飛び級で卒業しますが、その後はマンハッタンのアパートに引きこもり就職することはありません。

友達もいなく唯一の話し相手は、父から紹介されたセラピストのペトロフです。

1日部屋の中で本を読んでいるキャリーを心配したペトロフは、ある時6つのリストを渡します。

ペットを飼う、子供の頃好きだったことをする、デートに出かける、友達を作る、1番お気に入りの本を読む、誰かと大晦日を過ごす。戸惑いながら1つずつ課題をクリアしていくキャリーは、他の誰と触れ合う喜びに目覚めていくのでした。

ベル・パウリー

天才的な頭脳を持ちながら他者とのコミュニケーション能力に欠けた異色のヒロインを演じている、ベル・パウリーの多彩な表情が魅力溢れていました。

イギリス出身の女優になり主演を務めた「ミニー・ゲッツの秘密」が、サンダンス映画祭やベルリン国際映画祭を始めとする数多くの栄誉ある賞に輝いています。

近年では「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」のような歴史ドラマから、ハイファ・アル=マンスール監督の「メアリーの総て」のような文芸作品まで幅広い役どころにチャレンジしている新星です。

飛び切りのプロポーションや目を見張るルックスではなく、純真無垢なイメージや親しみやすいイメージが彼女の魅力でしょう。

本作品の中でも、人生に迷っていた女の子が持てる勇気を振り絞ってチャレンジしていく姿を等身大の演技で体現していました。

ネイサン・レイン

主人公のキャリー・ピルビーを導いていくセラピストのペトロフ役には、ネイサン・レインがキャスティングされています。

自分の殻に閉じ籠り続けているキャリーに、時に厳しく時には優しく投げ掛けるその言葉には深い知性がありました。

今どきのニューヨークの街並み

クリスマスが近づいて恋人たちが浮き足立つ、冬のニューヨークの街並みを捉えたオープニングショットから引き込まれていきました。

クリスマス・パーティーから新年のカウントダウンイベントまでが、実に楽し気に映し出されていきます。

マンハッタン界隈のレストランやカフェばかりではなく、ペットショップから法律事務所までを物語の舞台にしていて興味深いです。

今どきのニューヨーカーたちのリアルな暮らしぶりを垣間見ることが出来ます。

ロンドン育ちでクイーンズ・イングリッシュのアクセントが微かに残るキャリーが、何となく寄る辺のなさを抱いていることも伝わってきました。

心の底から打ち込める何か

難関な哲学書から古今東西の名作文学まで、1週間に17冊もの書籍を読破してしまうキャリーの旺盛な知識欲には圧倒されます。

ただひたすらに読書、レストランでスープをテイクアウト、ベッドサイドでのDVD観賞。

ルーティンワークの如く繰り返される、無味乾燥なキャリーの暮らしぶりが印象深かったです。

個性豊かな依頼人が次から次へとその診察室のドアを叩く、人間味溢れる名セラピスト・ペトロフとのコントラストも浮かび上がっていました。

リストを渡されてもいまいち気乗りがしないで屁理屈を捏ね回すキャリーに対してペトロフが言い放った、「どんな学位にも導き出せない答えがある」というセリフが感動的です。

大学内でのカリキュラムと書物に込められている知識だけが世界の全てだったこじらせ女子が、初めて周りの人たちと向き合っていく瞬間を鮮やかに描き出しています。

勉学であれスポーツ・音楽であれ、才能に恵まれていても孤独で不幸な人もいることを考えさせられました。

世間一般の評価や社会的なステータスを追い求めていくよりも、心の底から打ち込めることや自分自身が活躍できる場所を見つけることの方が大切なのかもしれません。

幼い頃に大好きだったチェリーソーダを飲み干して、生き生きとしていくキャリーの変わり様が可愛いらしかったです。

いやいやながらも金魚を飼っているうちに、いつの間にか「スペンサー」と名前を付けて大切に育てていく変わりようにも心温まるものがありました。

過去を清算して

「ライ麦畑でつかまえて」と並ぶJ・D・サリンジャーの代表作でもあり、キャリーの愛読書としても登場する「フラニーとゾーイー」が何とも意味深になります。

大好きだったこの小説は因縁のある大学教授のハリソンに貸しっぱなしになっているために、現在ではキャリーの手元にはありません。

かつては教授と教え子としての一線を越えてしまい、手酷く傷つけられたほろ苦いエピソードもあります。

父親と協力してハリソンの自宅にまで押しかけて、大切な本を取り返しにいく姿が勇ましかったです。

身勝手な教授を懲らしめて過去を清算すると共に、わだかまりのあった父と娘としての関係性が改善されていくシーンも心に残りました。

キャリーの恋の行方

新聞の出会い広告でデートの相手を探すことになったキャリーでしたが、1番近くにいる素敵なパートナーにはなかなか気がつきません。

キャリーの隣に住んでいる不思議な青年・サイが演奏するのは、オーストラリアの先住民族・アボリジニーの伝統的な楽器「ディジュリドゥ」です。

1メートルを越えるほどの丸太のようなユニークな外観と、中身が空洞になった構造が特徴的です。

息を吹き掛けて演奏する独特なスタイルになり、木製なのに金管楽器に分類されるところもユニークですね。

映画の序盤では単なるストリートミュージシャンとして見下していたキャリーが、彼がニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団に所属していると分かった途端に態度を改めてしまう場面には皮肉な味わいがあります。

他者を外見だけで判断してしまう今の時代の風潮へ、痛烈なメッセージが込められていました。

大晦日の夜にキャリーが勇気を振り絞って、サイの部屋を訪ねるクライマックスが圧巻です。

ベランダで寄り添うふたりを祝福するかのように次々と打ち上がっていく、新年の花火にはホロリとさせられます。

こんな人におすすめ

恋愛にも友情にも仕事に対しても消極的だったキャリーがひとつひとつのリストをクリアしていく成長ぶりからは、観る人にとって勇気を貰えるはずです。

クラスメートとの関係性について思い悩んでいる中高生の皆さんから、職場でのコミュニケーション能力に苦戦している社会人の方たちまで幅広い世代にお勧めできる1本になります。

新しい何かにチャレンジしてみたいと考えている人たちも、是非ともこの映画をご覧になってください。

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