さらば愛しきアウトロー|動画配信情報・感想・評価・解説

さらば愛しきアウトロー
2018年製作/93分/アメリカ 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
出演
音楽
製作

「さらば愛しきアウトロー」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「さらば愛しきアウトロー」はデヴィッド・ロウリー監督によって、2019年の7月1日に劇場公開されています。

ジャーナリストのデヴィッド・グラマンによって2010年に発行されている、「The Old Man & the Gun」を映像化したものです。

原作のノンフィクション書籍にロウリー監督が大幅にアレンジ・脚色して、オリジナルシナリオに纏め上げました。

「セインツー約束の果てー」や「ピートと秘密の友達」等、ハードボイルドなタッチからほのぼの系まで変幻自在な映画作家がメガホンを取っています。

ダンディズムにこだわり抜いた銀行強盗と大胆不敵な脱獄計画によって、ひとりの男が伝説を刻んでいくクライムエンターテイメントです。

あらすじ

フォレスト・タッカーは幾度となく投獄されながらも、ありとあらゆる手段を用いて脱走を成功させてきました。

強盗グループ「黄昏ギャング」の勢いはメンバーが70歳を越えても、一向に衰えることはなく次々と犯行を成功させていきます。

とある事件を起こして事件現場から逃走していたタッカーが出会ったのは、孤独ながらもひた向きに生きてきた女性・ジュエルです。

彼女との当たり前で静かな生活を送っているうちに、タッカーの胸の内にも少しずつ微妙な心変わりが生じてきます。

その一方では腕利きの刑事として恐れられているジョン・ハートが、タッカー逮捕に向けて着々と包囲網を狭めていくのでした。

最後の大役を務める

主人公のフォレスト・タッカーを演じるのは、1936年生まれでカリフォルニア州サンタモニカ出身の俳優ロバート・レッドフォードです。

タッカーの無法者ぶりにはジョージ・ロイ・ヒル監督の「明日に向かって撃て!」で抜擢された実在の強盗犯、ザ・サンダンス・キッドにも繋がるものがありました。

本作品への出演を最後にして60年にも及んだ俳優生活の引退を表明していて、稀代のスター俳優との別れが惜しまれますね。

破天荒なエピソードには事欠かないタッカーとも妙に気が合い長年に渡ってチームを組んできた、テディ役のダニー・グローヴァーやウォラー役を務めているトム・ウェイツを始めとする強面の俳優たちも顔を揃えています。

「黄昏クラブ」というちょっぴりもの悲しい響きが、人生の終幕を迎えつつある3人組の哀愁を掻き立てていました。

タッカーへの愛憎半ばするような気持ちを胸に抱いて突き進んでいく、ジョン・ハント役のケイシーアフレックの熱演も必見です。

不器用で向こう見ずなハントを陰ながらサポートする、妻・モーリーンの役のチカ・サンプターの好演も光っていました。

笑顔で強盗

義理堅く友情と仲間たちとの絆を重んじる性格で、恋に友情に終活も全力投球なタッカーの生きざまに引き込まれていきます。

きっちりと高級スーツを身に纏ってネクタイ締めて人混みに紛れた姿は、パッと見るとビジネスマンにしか思えませね。

拳銃を発砲して威嚇したり人質をロープで縛り上げて立て籠ったりと、暴力的な手段に訴え出ることはありません。

あくまでも紳士的な語り口と終始一貫して揺るぎのないポリシーを貫き遠し、その顔に浮かべた笑みがミステリアスです。

拳銃で撃たれて負傷したタッカーが、幼い息子を連れてドライブ中の母親の車に同乗するシーンに注目して下さい。

傷ついた左腕にきつくハンカチを巻き付けて流れる血を止めて、シートを汚さないように然り気無く気を遣うところが心憎いですね。

カメラが追う銀行の裏側からアメリカの原風景

本作の撮影で使用されているのは報道番組のニュース映像や、地方テレビ局製作のテレビドラマで多用されている16ミリフィルムです。

24時間密着型ドキュメンタリーのような臨場感あふれるカメラワークと、捜査関係者になったかのような気分で事件発生からその顛末までを追いかけることが出来ます。

銀行の窓口係員から支店長まで複数の人物の証言や似顔絵から、少しずつタッカーの素顔が浮かび上がっていました。

警察無線を傍受する様子や事件の報道を逐一テレビでチェックする犯人側の視点にもリアリティーがありました。

2017年4月クランクインを迎えていてオハイオ州デイトンでのメイン撮影の他、全米各地での現地ロケを敢行しています。

銀行のカウンターや金庫室の無機質さと、緑豊かな自然に囲まれている田園風景とのコントラストも効果的です。

ハイウェイ沿いで交錯する男女

オープニングショットは1980年代のアメリカ・テキサス州のとある小さな田舎町で、初老の男性が銀行の扉から出てきます。

悠々と白のセダンに乗り込んで逃走を開始しますが、沿道でパトロール中の警察官や行く先々に張り巡らされた検問所が物々しいです。

ハイウェイ沿いにはエンジントラブルに見舞われた年配の女性が、ボンネットを開けて立ち尽くしていました。

今日までごく平穏無事な人生を歩んできたジュエルと、破天荒極まりない生涯を駆け抜けてきたフォレスト・タッカー。

まるっきり正反対なふたりの運命が交錯していく瞬間を、傍らを猛スピードで通りすぎていくパトカーのサイレンが巧みに演出しています。

人生は黄昏でも新しい恋が始まる

偶然にも行動を共にすることとなったジュエルと繰り広げていく逃避行と、つかの間のロマンスには心温まるものがありました。

世間一般からは犯罪者の烙印を押されているタッカーでしたが、初対面のジュエルと直ぐに打ち解けてデートに誘ってしまうギャップが面白いです。

経済的な事情によって以前にジュエルが手放してしまった牧場を、ポケットマネーで買い戻そうとする気前の良さも持ち合わせています。

例え自らが絶対絶命の窮地に陥ったとしても、側にいる女性に対してだけは思いやりを忘れることはありません。

刑事と強盗に芽生える奇妙な関係

タッカーの不思議な人間性に心惹かれてしまうのはジュエルや、悪友のテディやウォーラーだけではありません。

違法行為や反社会的勢力を憎んで地元の平和のために銃を握って戦う、ジョン・ハント刑事が勇ましく映りました。

何かにつけて口うるさい上司からの圧力やFBIによる組織的な捜査介入にも、一歩たりとも引くことのない強い意志が滲み出ています。

ひと仕事終えて帰宅して玄関の扉を開けた途端に、愛妻家と子煩悩なお父さんに変化してしまうのも微笑ましいです。

休日に妻とレストランでディナーを楽しんでいたハントが、たまたま来店していたタッカーとすれ違う一幕が手に汗握ります。

この時にタッカーが取った予想外の行動によって芽生え始めていく、お互いの立場を乗り越えた奇妙な関係が圧巻です。

こんな人におすすめ

出所してからは静かな余生を送っていたタッカーが、ふとした気まぐれからハントに掛けた1本の電話がストーリーを締めくくります。

「私はもう大丈夫」という意味深なセリフと、公衆電話の向こうにある銀行入り口へと消えていく後ろ姿が忘れ難いです。

最後までアウトローとしての信念を貫き通したタッカーの生き方が、スクリーンを去っていく名優に重なりました。

シドニー・ポラック監督が1966年に発表した「雨のニューオーリンズ」での鉄道調査係に、アーサー・ペン監督作「逃亡地帯」での脱獄囚役など。

1960年代後半から70年代にかけてのロバート・レッドフォードの名演技の数々に夢中になった、オールド洋画ファンの皆さんは是非ともご覧になって下さい。

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