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少女
2016年製作/119分/日本 予告動画を検索

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「少女」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「少女」は2016年の10月8日に劇場公開されている、三島有紀子監督によるミステリードラマになります。

人気作家の湊かなえによって2009年の1月20日に早川書房から刊行されている、2作目の推理小説を映像化したものです。

北の大地でワインの美味しさとロマンスとを存分に味わう「ぶどうのなみだ」や、昔ながらの洋裁店の店主が人と人との温もりを繋いでいく「縫い裁つ人」など。

ご当地映画からヒューマンドラマまで幅広く手掛けている、1969年生まれで大阪府出身の映像作家がメガホンを取りました。

279ページに及ぶ長編小説を三島監督と脚本家の松井香奈の共同執筆によって、120分のオリジナルシナリオへと纏め上げています。

クランクインを迎えたのは2015年の10月で愛知県豊橋市でのメイン撮影の他、蒲郡市での現地ロケを敢行して完成に漕ぎ着けた作品です。

人の死に異様なほどとり憑かれていくふたりの女子高生の、ひと夏の忘れられない経験を描いた衝撃作に仕上がりました。

あらすじ

愛知県瑞崎にある桜川女学校に通っている2年生の桜井由紀は、受験勉強そっちのけで小説の執筆に夢中でした。

幼い頃から仲の良かったクラスメートの草野敦子とは、怪我をして剣道部を退部して以来ちょっぴり気まずくなっています。

ある日の放課後に紀子と敦子に親しげに話し掛け、思わぬ告白をしてきたのは滝沢紫織という名前の転校生です。

大切な人が死んだ現場を目の当たりにしたという紫織の打ち明け話に、何時しかふたりは心を奪われていきます。

夏休みの直前に彼氏が出来たこともあってますます敦子と疎遠になっていた紀子は、大人の世界をのぞき見ることになるのでした。

揺れ動くヒロインにぴったり

大人の女性でもなく子供でもない微妙なお年頃のヒロイン、桜井由紀の役を繊細に演じているのは本田翼です。

その見た目は今時の女子高生ながらも、中身は手書きの原稿用紙にこだわり抜く昭和の文学少女を体現していました。

由紀の幼馴染みであり何事にも屈することのない強さを内に秘めた、草野敦子役の山本美月も魅力あふれています。

華やかなイメージを身に纏ったふたりの主演女優に対して、中年の悲哀を滲ませた男性陣も負けてはいません。

由紀の担任の先生であり教職者としてあるまじき汚れ役に徹しているのは、すれ違いコントやねばり笛でお馴染みの芸人さん・児嶋一哉です。

謎めいた過去を引き摺る本作品のキーパーソン、高雄孝夫役に扮している稲垣吾郎も抜群の存在感を放っていました。

美少女たちに花を輝かせるステージと衣装

主人公たちが通っているのは如何にもお嬢様学校らしく、放課後に校門をくぐり抜ける瞬間の「ごきげんよう」が微笑ましいです。

この高校の学園祭「聖桜祭」の中でも名物イベントとなっている、メイポールダンスの模様がオープニングを飾ります。

背後には赤レンガのノスタルジックな校舎が佇んでいて、礼拝堂のような静謐さを漂わせたホールとの相性もバッチリですね。

バックグラウンドミュージックのように朗読されているのは詩集のようにも聴こえますが、後にとある女子生徒の遺言だと分かり衝撃的でした。

生徒たちの夏服はオーソドックスなブラウスにスカートですが、冬服のグレーのパイル生地にホワイトラインが画面に映えます。

物語の舞台となるのは海岸に面した風光明媚な架空の町・瑞崎で、後半に用意された花火大会のシーンも必見です。

桜の園に潜む魔物

表面的には和気あいあいとした学園生活を送っている優等生タイプの生徒たちの、恐るべき本性には圧倒されるでしょう。

女子校ならではの陰湿ないじめの実態や、LINEの悪用から学校裏サイトまでタイムリーな話題も盛り込まれていました。

ストーリーが進行していくに連れて夏休み期間に突入して、舞台は校内から外の世界へと広がっていくのも面白いです。

特別養護老人ホームから大学付属病院の入院病棟に住宅展示場までと、およそ青春を謳歌するJKには似つかわしくありません。

一見すると無関係に思えていたエピソードや登場人物たちが、少しずつ交錯していく展開には引き込まれていくはずです。

小説家志望と不適切教師による泥仕合

国語の授業中にも関わらず机に覆い被さるように原稿用紙に自作を書きなぐる、桜井由紀の並々ならぬ創作意欲を感じました。

嫌みったらしい教師の小倉一樹がわざわざ席まで近づいて、「先生」と呼び掛けるワンシーンも笑いを誘います。

教え子の素人小説に対して異様なほどの関心を募らせていく小倉が、遂には一線を超えてしまう瞬間が圧巻です。

恥も外聞もなくアイデアを盗用した挙げ句に、教職の片手間に文壇デビューをしてしまう小倉の厚かましさには呆れてしまいました。

当然ながら自らの作品に尋常ではないほどの情熱を注いでいた由紀が、このままで黙っている訳はありません。

真夜中の職員室へと潜入した由紀が小倉のノートパソコンのパスワードをあっさりと見破って、手荒い反撃に転じていく展開が痛快です。

死に魅入られた少女たち

由紀は難病を抱えた子供たちが入院している病院へ、敦子は余命いくばくもない高齢者たちが入居するグループホームへ。

一見すると夏期休暇を利用してボランティアに励んでいる感心な学生さんに思えますが、本当の目的はよこしまです。

他人の死を自分の目で目撃するために小児病棟を訪れた由紀は、太一と昴という名前のふたりの男の子に出会います。

身体の大きな少年が太一で小さな方が昴だと、その外見的な特徴と思い込みに騙されないように注意して下さい。

成功確率の低い手術日を間近に控えている昴を励ますために、離婚して以来会っていない彼の父親を見つけて欲しいと由紀は頼まれます。

当初の目的を忘れてまで父親探しに熱中していく由紀の向こう見ずな危うさと共に、いつも側に居た敦子の不在も気になりました。

再び親友として父と息子として

由紀は昴の父・高雄へとたどり着いた時に、敦子はホームで餅を喉に詰まらせた入居者を咄嗟の機転で命を助けて。

死の誘惑に捕らわれていたふたりが、それぞれ生きる希望を見出だしていく姿が清々しかったです。

由紀と敦子との間に横たわっていた距離感が、少しずつ埋まっていくにラストは心温まるものがありました。

1度は離れ離れになっていたふたりの少女の仲直りにひと役買ったのが、あの盗作騒動の小説だったのも心憎いです。

由紀たちに呼応するかのように高雄と昴も久しぶりの再会を果たして、刃傷沙汰を起こして血を流した末に和解へと至ります。

こんな人におすすめ

由紀と敦子は変わることのない友情を、高雄と昴は一度は壊れかけた親子の絆をそれぞれ取り戻すことによって物語は幕を閉じていきます。

ふたつのパッピーエンドの狭間に隠れている、数多くの悲劇にも容赦なくスポットライトが当てられていました。

映画の冒頭で読み上げられていた遺書を書いた人物の正体が、ここに来てようやく明かされていくのも衝撃的です。

思春期真っ只中の美しさや儚さばかりではなく、残酷さも描かれていて幅広い世代の共感を呼び起こすでしょう。

今まっただ中で青春時代を送っている女子高校生の皆さんや、かつては少女だった多くの女性たちもご覧になって下さい。

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