青い春|動画配信情報・感想・評価・解説

青い春
2001年製作/83分/日本 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
出演
音楽
-
製作

「青い春」をサクっと解説

ライター/家入

マニアックな映画が好きです。

作品概要

『青い春』は、2002年に公開された日本映画です。

監督を務めたのは、『空中庭園』の豊田利晃。

2017年に公開された『火花』では監督の板尾創路とともに脚本を担当したことでも知られています。

主役の九條を演じているのは、若き日の松田龍平。

そのほかにも、新井浩文、高岡蒼佑、瑛太のほか、塚本高史、山崎裕太、忍成修吾など、とても豪華な実力派俳優陣の若かりし頃の演技を観ることができます。

原作は松本大洋による同名の短編コミック集です。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの楽曲が映画を盛り上げます。

あらすじ

物語の舞台は、「朝日高等学校」という男子校です。

物語の主人公である九條(松田龍平)、彼の幼なじみである青木(新井浩文)、野球部で主将を務める木村(大柴裕介)、メガネをかけた雪男(高岡蒼佑)をはじめとした不良グループの面々が、この学校の屋上にたむろしていました。

そこで行われているのは、「ベランダ・ゲーム」

屋上に設置されている柵の外側に立ち、柵から手を離した状態で手を何回叩くことができるのかを競うという、いわゆる度胸試しのようなゲームです。

失敗すれば、地上に真っ逆さま。

もちろん死んでしまいます。

来月からは新3年生になる彼らは、このベランダ・ゲームをすることにより、誰が新しくこの学校を仕切るのかを決めようとしていたのです。

そして、この日このゲームを制したのが、不良グループの中でもっとも物静かな九條でした。

けれど、九條にとって学校を仕切るのは無意味なことのように思えていました。

今をときめく実力派俳優陣の共演に注目

松田龍平をはじめ、新井浩文、高岡蒼佑、大柴裕介、瑛太、塚本高史、山崎裕太、忍成修吾、三浦アキフミ、鬼丸などの実力派俳優陣の若き日のみずみずしい演技は、この映画の見どころの一つです。

その他にも、渋川清彦、マメ山田らの個性派俳優陣、小泉今日子なども出演しており、この映画の「味」となっています。

これら俳優陣以外にも、お笑い芸人の又吉直樹や佐久間一行もちょい役で出演していますので、ぜひ探してみてください。

この映画の公開は2002年ですので、彼らの風貌や表情は今とまったく違っており、その違いを観るだけでも面白いですよ。

男子校の不良たち特有の、鬱屈した感情が見どころ

この映画のメインテーマの一つとなっているのが、男子校にいる不良たちが持つ鬱屈した心理状態と、その人間関係でしょう。

不良グループの中にはしっかりとしたマウンティングがあります。

実際に、忍成修吾が演じる吉村は、彼らのパシリとしていいように使われています。

この男子校特有のマウンティングが、ひとつの見どころでしょう。

また、野球部の主将である木村が甲子園の夢を絶たれたことを九條と青木に話して聞かせるシーンや、青木が九條に「自分は進学は無理だ」と話すシーンなども印象的です。

その後、進路指導室で教師から進路について聞かれた雪男が、トイレの個室で大田を刺し殺してしまうシーンなどは、彼らの危うい心理状態を端的に表していると言えるでしょう。

こういった、彼らの日々を丹念に描いている点が、この映画の見どころの一つでもあるのです。

ラストに向かっての青木の迫力がすごい

この映画の最大の見どころは、新井浩文が演じる青木というキャラクターの存在だと思います。

青木は、この映画の主人公である九條とは、ずっと仲の良い幼なじみでした。

しかしながら、学校を牛耳るポジションを手に入れたにもかかわらず、どこか無関心で学校を仕切ることにも不良グループとの付き合いにも白けたそぶりを見せる九條に対し、いら立ちを覚え始めます。

そんなある日、ある出来事をきっかけに青木は九條に対して反旗を翻すのです。

その豹変っぷりと、ラストに向けてのがむしゃらなまでのもがき様は、必見です。

雪男の大田殺害シーンが衝撃的すぎる

高岡蒼佑が演じる雪男というキャラクターが、いつも赤いTシャツを着て粋がっている大田(山崎裕太)をいきなり刺し殺してしまうというシーンがあります。

このシーン、かなり衝撃的でした。

ついさっきまでは、雪男は生徒指導室で教師と話をしているのです。

教師から進路について尋ねられた雪男は、「世界平和とか望んでます」という発言をした後に、無表情でウルトラマンがするスペシウム光線のポーズをとるのです。

この無表情がなにやら怖い。

そんな不穏な場面から一転、雪男と大田はトイレの個室でタバコを吸っています。

いつものように大田が粋がったことを言っている最中、いきなり雪男が隠していたナイフで大田のことをめった刺しにするのです。

この雪男の何を考えているのかわからない豹変っぷりが、とっても怖いです。

マメ山田の登場シーンに救いを感じる

物語はほとんどの場面が暗く、鬱屈した雰囲気のままで進んでいくので、観ているとこちらまでその不穏な空気に飲み込まれてしまいそうになります。

しかしながら、そんな映画にもちょっとした救いがあります。

それが、マメ山田扮する花田先生の登場シーンです。

この先生、とっても生徒想いの優しい先生なんです。

「人を思いやる」というキャラクターがほぼ存在しない中、花田先生の優しさに心が洗われました。

九條が花田先生に、「先生、咲かない花もあるんじゃないんですか」と問いかけた時、「花は咲くものです、枯れるもんじゃない」という花田先生のセリフがこの映画の唯一の希望になっているようにも感じます。

ラストシーンには絶句…

それにしても、もっとも衝撃的だったのがやはりラストシーンでしょう。

暴走した青木は、手が付けられないような状態になっていきます。

彼を突き動かしたのは、なんだったのでしょうか?九條に認めてもらいたかったから?プライドの問題?それとも、将来や自分の人生に対して、投げやりになっていたのでしょうか?いずれにせよ、青木はある日を境に大きく変わってしまいます。

そして、衝撃的なラストシーンを迎えます。

青木は、たった一人であのベランダ・ゲームをやるのです。

最後にベランダ・ゲームをしていた時の青木の数を数える声が忘れられません。

「いち!に!さん!」と大きな声で数えながら手を叩き続けた青木を見つけた九條は、いやな予感を覚えて屋上まで走っていこうとします。

その脳裏には、転校生だった自分に優しく声をかけてくれた幼い頃の青木の姿が浮かんでいました。

「きゅう、じゅう、じゅういち、じゅうに、じゅうさん…!」と手を叩きながら、青木が屋上からゆっくりと落下していきます。

九條は、間に合いませんでした。

このラストシーンには絶句でした。

こんな人におすすめ

松本大洋の原作を読んでいる人には、絶対に観て欲しい一本です。

原作の世界観がしっかりと映像化されています。

かなり衝撃的なシーンが出てきますし、思春期の不良ならではの行動や思考パターンが目立つので、学生時代に品行方正だった方にはもしかしたら共感してもらいにくいのかもしれません。

けれど、きっとこの映画を観ると、あの頃のなんとも言えない鬱屈した感情や、将来に対する不安感や絶望感、社会に対する無力感などを感じとっていただけるのではないかと思います。

娯楽映画ではありませんので、ご家族や友人同士で観るのはあまりおすすめしません。

それよりも、部屋を暗くして一人っきりで観ることをおすすめしたい映画です。

みんなのレビュー

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青い春」を
布教しちゃってください!
  • yayuyo
    2020/09/29

    松本大洋の漫画原作。男子高校生たちの、思春期特有な危なっかしくヒリヒリする感じがよく出ている映画です。BGMのミッシェルガンエレファントが合い過ぎていてとにかくかっこいいです!

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