アメリカン・アニマルズ|動画配信情報・感想・評価・解説

アメリカン・アニマルズ
2018年製作/116分/アメリカ 予告動画を検索
トランシルバニア大学に通うウォーレンは、親友のスペンサーから大学に飾られる貴重な画集の話を聞く。エリックとチャズを引き込んで4人でチームを組んだ彼らの計画は、大学や家族を巻き込み、予想外の事態へ発展していく。

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キャスト・スタッフ

監督
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原作
-
出演
音楽
製作

「アメリカン・アニマルズ」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「アメリカン・アニマルズ」はバート・レイトン監督によって、2018年の5月17日に劇場公開されています。

異国の地で旅行者を待ち受けている過酷な現状を捉えた「史上最悪の地球の歩き方」や、英国アカデミーから最優秀デビュー賞を贈られた「The Imposter」など。

数多くのドキュメンタリー作品を手掛けている、1975年生まれでロンドン出身の映像作家がメガホンを取りました。

何不自由なくキャンパスライフを謳歌していた4人の大学生が繰り広げる、驚くべき窃盗事件の顛末に迫っていくクライム・エンターテイメントです。

あらすじ

アメリカ中東部に位置するケンタッキー州のトランシルバニア大学に通っているウォーレン・リプカは、何時ものように講義を抜け出して時間を潰していました。

一緒にいた親友のスペンサー・ラインハードから、大学図書館の展示スペースに飾られている貴重な画集について聞かされます。

著者はフランス系アメリカ人で画家だけでなく鳥類学者としても活躍した、ジョン・ジェームズ・オーデュボンです。

その創作活動と研究の集大成でもあり生涯をかけて完成させた、「アメリカの鳥類」の評価額は1200万ドルは下りません。

頭脳明晰でFBI捜査官も夢ではないエリック・ボーサク、運転技術を見込んでスカウトした「チャズ」ことチャールズ・T・アレン2世。

4人でチームを組んで着々と準備を進めていく彼らの目論見は、大学側や家族を巻き込んで予想外の事態へと発展していくのでした。

規格外の学生さんを熱演

代わり映えのしない学校生活に退屈している、主人公ウォーレン・リプカをエヴァン・ピーターズが演じていきます。

映画のラストにはウォーレン本人へインタビューした貴重な映像も用意されていますので、そのそっくりな出で立ちを見比べて下さい。

そんなウォーレンの親友にして息の合ったコンビネーションを披露する、スペンサー・ラインハード役に扮しているのはバリー・キオガンです。

そのただ者ではない顔つきは今作でも健在で、ヨルゴス・ランティモス監督の2017年作「聖なる鹿殺し」での怪演が忘れられません。

4人組の中ではムードメーカー的な存在である、チャズ役を務めているブレイク・ジェンナーも良い味を出しています。

リチャード・リンクレーター監督作「エブリバディ・ウォンツ・サム」では入学式目前の大学生に扮していて、今作におけるモラトリアム感にも重なるものがありました。

不可能犯罪に挑む

日本円に換算すると10億円を越えるほどの稀覯本を、如何にして4人の大学生たちが手に入れるのか引き込まれていくはずです。

芸術家志望のスペンサーは犯行現場の見取り図と模型製作、ドライビング・テクニックに秀でたチャズは逃走請け負い人。

それぞれの特殊能力を最大限に引き出して適材適所に配置するためには、チームリーダーとしてのウォーレンの才覚が問われます。

事前のリサーチもバッチリで逃走用の車輌とナンバープレートは勿論のこと、予行演習まで繰り返すほどの入れ込みようです。

入念に特殊メイクアップを施して老人に成り済まして侵入するシーンの緊張感は、スパイ映画にも引けを取りません。

決行当日は主人公サイドではなく図書館スタッフや警察になったつもりで、この計画の意外な盲点を探してみて下さい。

日常を打ち破るための冒険

何かになりたいけど何者にもなれない、大きなことを成し遂げたいけどそれが何なのかは具体的には分からない。

大学時代のふとして瞬間にそんなジレンマを抱いたことが、誰しもが一度や二度はあるのではないでしょうか。

主人公・ウォーレンを始めとする4人の大学生たちは、いずれも富裕層でもなく経済的に貧しい家庭の出身でもありません。

中産階級に所属していて大学を卒業した後には、地元の企業に就職して結婚・マイホーム購入・子育てといったコースが約束されています。

自らで運命を切り開くこともなく将来を模索することもなく、特に意識しなくとも平穏無事な一生を送ることが出来てしまうはずです。

あちら側へと一線を越えてしまうような彼らの危うさは、少しでも人と違った生き方をしたいと思っている野心家からすると決して他人事ではありません。

映画みたいに上手くいかない

大学卒業後に広がっているありきたりな現実から逃避するかのように、冴えない学生グループが一攫千金を狙って徐々に暴走をしていきます。

クエンティン・タランティーノ監督によって発表された1992年の犯罪映画、「レザボア・ドッグス」が大きな影響を与えていました。

ウォーレンの自宅に作られた秘密基地のような地下室が、サークル活動の部室のような雰囲気で盛り上がっていて楽しげです。

ミスター・グリーン、ミスター・ピンクと、お互いを色で呼び合う場面もインディペンデント映画の熱心なファンには堪りません。

どうしても仲間割れあり裏切りありのドロドロな展開を期待してしまうのは、あの名作の衝撃的なクライマックスが焼き付いているからでしょうか。

必要以上に主人公たちに肩入れせずに一歩退いたようなカメラワークからは、高みの見物をしているような気持ちが涌いていきます。

思わぬ難敵

4人の前に最大の強敵として立ちはだかるのは、屈強な体格と戦闘力を誇るガードマンでも張り巡らされたセキュリティーシステムでもありません。

口やかましく勘だけは誰よりも鋭い、図書館の守り神のようなミス・グーチの監視を振り切るのは実に一苦労です。

あの手この手を駆使して建物の外へと誘い出そうとするものの、敵もさるもので餌にはなかなか喰らいつきません。

スタンガンとロープを使って強硬手段に打って出たウォーレンが、後にこの時の軽率な行動を振り返る一幕も印象深かったです。

心の奥底からは犯罪者には成りきることが出来ない、彼の優柔不断さとお人好しな人間性が伝わってきました。

計画はきっちり実行は手抜かり

ミス・グーチに怪我を負わせてしまったことは、ウォーレンたちの計画にとっても不測の事態であり大きな痛手となります。

密売人に自分のメールアドレスをあっさりと教えてしまうなど、余りにも杜撰な犯行計画の顛末には呆れてしまいました。

遂には窃盗の罪によって7年の懲役に服すこととなったウォーレンたちですが、不思議とその横顔には後悔はありません。

青春時代の大騒ぎが終わりを告げていく一抹の寂しさと、これから始まっていく特別でもない毎日への覚悟が滲み出ています。

これ程までのウォーレンたちの並々ならぬ情熱と努力を、もう少し大学のレポートや論文に活かせなかったのかと悔やまれました。

こんな人におすすめ

スペンサーはアーティストとしての意外な才覚を発揮して、チャズはインストラクターとして更正して、エリックは定職に就かず居住地も転々として。

そして言い出しっぺのウォーレンが映画プロデューサーを目指しているという、それぞれ辿っていく道のりが心に残りました。

転んでも只では起きないしたたかなウォーレンのことですから、いずれは自分たちの体験談をもとにして映画でも作ってしまうかもしれません。

逮捕から実刑判決に至るまでの苦難こそが、彼らが社会へと足を踏み入れていくきっかけとなったことが皮肉です。

朝起きてから学校までの道のりが何となく気が重い、学生の皆さんは是非ともこの1本をご覧になってください。

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