ストレンジャー・ザン・パラダイス|動画配信情報・感想・評価・解説

ストレンジャー・ザン・パラダイス
1984年製作/90分/アメリカ・西ドイツ合作 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
-
出演
音楽
製作

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「ツナグ」は平川雄一朗監督によって、2012年の10月6日に劇場公開されているファンタジードラマです。

人気作家・辻村深月によって2010年の11月29日に新潮社から刊行されている、第32回吉川英治文学新人賞が映像化されました。

不良の烙印を捺された高校生たちとひとりの熱血教師が甲子園を目指す「ROOKIES-卒業-」や、過去と現在を行き来しながら殺人犯を追う「僕だけがいない街」等。

青春ストーリーからミステリーまでを手掛けている、1972年生まれで大分市出身の映画作家がメガホンを取りました。

第22回の日本映画批評家大賞で主演男優賞に輝いた他、第34回のヨコハマ映画祭からも最優秀新人賞が贈られています。

死んだ人間を呼び出して生きた人間と会わせることが出来る、「ツナグ」の後継者に選ばれた男子高校生の成長を描く感動作です。

あらすじ

幼少期に両親との死別を経験して以来、渋谷歩美は祖母のアイ子に引き取られてふたりで静かに暮らしていました。

歩美が高校生になった時にアイ子からこれまで隠してきた事実を打ち明けられて、彼女の仕事を引き継ぐことを頼まれます。

アイ子の実家は代々「ツナグ」と呼ばれている、生者と死者との橋渡しをする不思議な力を受け継いできた家系です。

近頃では寄る年波には勝てずにアイ子の体調が思わしくなく、ゆくゆくは歩美が跡取りとならなければなりません。

言われるままにアイ子の下に付いて修行することとなった歩美は、少々訳ありな依頼人からの交渉を引き受けていきます。

ツナグとしての役目にようやく歩美が慣れてきた頃、自身の亡くなった父と母に関する重大な秘密を知ることになるのでした。

豪華俳優によるリレー

見習いツナグとして目下のところは修行中の身である渋谷歩美の役には、松坂桃李がキャスティングされています。

映画序盤では狂言回しにしか過ぎなかったその役どころが、本当の意味での主人公とのなる後半パートが必見です。

家族との関係性に悩んでいる畠田靖彦役の遠藤憲一から、7年もの間消えた恋人を待ち続けている土谷功一役の佐藤隆太へとバトンをつないでいきます。

撮影当時はまだ10代で初々しい女子高校生姿を披露している、嵐美砂役の橋本愛や御園奈津役・大野いとの演技も必見です。

歩美にとっては大好きなおばあちゃんでもあり尊敬して止まない師匠でもある、アイ子役を樹木希林が演じていました。

時には戸惑いつつも未知の世界へと一歩を踏み出していく孫を、陰ながら見守っている姿には心温まるものがあります。

無関係に思えていたエピソードをひとつに締めくくる、アンカーとしての役割も担っているためにその存在感は抜群ですね。

ツナグのお約束

初対面の依頼人との挨拶の仕方から面会場所の指定まで、ひとつひとつを祖母から教えられた通りに丁寧にこなしていきます。

歩美が手渡されたのはすっかり年季が入った1冊の大学ノートで、中にはアイ子の字でびっしりと書き込みがありました。

想定されるシチュエーションとその受け答えも一目で丸わかりで、アルバイト先でよく見かける接客マニュアルのようなものでしょうか。

あくまでも仲介人であり、メッセンジャーではないところが青森県恐山のイタコや沖縄県のユタとは一線を画していますね。

報酬は一切受け取らない、会える相手は誰でもたった一度っきり、会うか会わないかは死者側の意志で決める。

こと細かに定められたルールの中には、ツナグ自身は個人的に死者とは会えないという残酷なものも含まれています。

生と死を繋ぐもの

ツナグとしての能力が秘められている、青銅で出来た手のひらサイズの鏡がミステリアスな輝きを放っていました。

死者を呼び出す魔法のアイテムではなく、ひとつ間違うと使用者に災いが降りかかってくるので取り扱いには注意が必要です。

この世に未練を残したままで去った人たちと残された者の久しぶりの再会を、超常現象のように過剰に演出することはありません。

月明かりの下で粛々と行われているお別れ会のようでもあり、感謝の気持ちを込めたお見送りの儀式のようにも思えます。

死を忌み嫌うものとして扱うこともなく、誰しもに訪れる通過儀礼のように捉えている柔軟な考え方にも共感できるはすです。

高飛車男もお母さんの前では子供

第1の依頼人は親の代から続いてきた小さな工務店を切り盛りしている、中年男性の畠田靖彦がとある地方都市からはるばるやって来ます。

表向きは土地の権利書の在りかを病死した母親のツルから聞き出したいとの依頼内容でしたが、他にも何やら目的がありそうです。

やたらと虚勢を張っていて言葉の端々にもトゲがあり、挙げ句の果てには歩美のことを振り込め詐欺グループの一員と誤解してしまうのには呆れてしまいました。

終始一貫して高圧的だった畠田の態度も、実際に死んだ母・ツルの姿を目の当たりにするとたちまち一変します。

生前には面と向かって伝えることが出来なかったお互いへの想いを、つかの間の対面の中で確かめ合う親子にホロリとさせられました。

友への渇仰

およそ10代とは思えないほど落ち着いていて貫禄がある歩美でしたが、普段は学校に通うごく平凡な男子高校生です。

第2の依頼は歩美と同じ学校の女子生徒で、事故死したクラスメート・御園奈津に会いたい嵐美砂から持ち込まれてきます。

一見すると仲良し女子ふたり組に隠されていた、女同士のドロドロとした争い事や反感を暴き出していて圧倒されました。

美砂と奈津が登校するときに自転車を並走させて通り過ぎていく、住宅街の坂道にある水飲み場が心に残ります。

真夏の暑い盛りの演劇部の練習終わりで喉の渇きに耐えきれずに、ふたりで代わる代わる蛇口の水を飲み干すシーンが微笑ましかったです。

季節が冬に映り変わっていき美砂と奈津との間の友情にヒビが入り、蛇口から流れ出た水が凍りつく時の悲劇が圧巻でした。

待ち続ける男

第3の依頼人は映像関連機器メーカーに務めている土谷功一という男性で、失踪したフィアンセとの再会を希望しています。

7年前に突如として姿を消して音沙汰なしの謎多き女性・日向キラリは何処で何をしているのか、生きているのか死んでいるのかさえ分かりません。

今ではすっかりツナグとしての才能を開花させていた歩美にとっては真相を突き止めるのは容易いことですが、ありのままに残酷な事実を依頼人に告げるのはまだまだ慣れない様子でした。

土谷とキラリにとっては掛け替えのない思い出の品となった、映画の半券やキャラメルポップコーンの空容器が切ないです。

止まっていた土谷の時間が動き始めていくような細やかな救いと、ツナグとして一人前になった歩美が踏み出していく新たな道のりには胸を打たれました。

こんな人におすすめ

いかにも都市伝説として学校の放課後やオフィスでの休憩時間中に、まことしやかにツナグに関する噂話が囁かれていそうですね。

家族や友人を始めとする、親しい人との別れに直面したばかりの皆さんには是非ともご覧になって頂きたい1本です。

原作の小説は2012年9月1日に文庫化もされていますので、お手軽にリーズナブルな価格で楽しむことが出来ます。

映画版では語られることのなかった、孤独な会社員とアイドルとの絆に纏わるエピソードもありますので読んでみて下さい。

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