ハートビート|動画配信情報・感想・評価・解説

ハートビート
2016年製作/97分/アメリカ・ルーマニア合作 予告動画を検索

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音楽
製作

「ハートビート」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「ハートビート」はマイケル・ダミアン監督によって、2016年にアメリカとルーマニアの2カ国で合同製作されています。

「ROCK ON」や「病院狂時代」などメガホンを取ったのは、歌手やミュージッククリップの製作など多方面に渡って活躍中の映画作家です。

ダミアン監督の公私に渡るパートナー、ジャニーン・ダミアンが97分のオリジナルシナリオを書き下ろしました。

サンタバーバラ国際映画祭で2016年にワールドプレミア上映された後、日本でも武蔵野エンターテインメントの配給によって2016年8月20日に劇場公開されました。

バレエダンサー志望の女性とバイオリン弾きの青年のめぐり逢いと、それぞれの奮闘を描いた青春ストーリーです。

あらすじ

幼い頃からクラシックバレエを習っていたルビーは、マンハッタン芸術大学のダンス科の奨学生に選ばれました。

将来的にはプロダンサーとして活動するために、生まれ育った小さな町を飛び出してニューヨークまでやって来ます。

ルビーが最近になって気にしているのは、以前から地下鉄駅でその姿を目撃していたバイオリンを弾く不思議な青年・ジョニーのことです。

ある時にジョニーが祖父から受け継いだバイオリンがひったくり被害に遭って、たまたまその現場にルビーも居合わせます。

ルビーの学校ではバイオリンの貸し出しサービスがあり、賞金25000ドルの弦楽器とダンスのコンクールも開催予定です。

1度はルビーの誘いを断ったジョニーでしたが、彼女の真摯な気持ちに気がついてふたりでペアを組み優勝を目指すのでした。

等身大のヒロインを好演

躍りにも恋愛にも全力投球なヒロインのルビー役は、1989年生まれでヴァージニア州レストン出身のキーナン・カンパです。

4歳で地元のコンサバトリーバレエに通い始めてから、7歳で全国ユースコンペティション部門で金メダルに輝きました。

18歳でロシアにバレエ留学、21歳でアメリカ人初となるマリインスキー劇場での公演と華麗な経歴は続いていきます。

肉体的な酷使が祟って25歳で手術を受けた末に帰国と、幾度となく選手生命の危機に瀕するなど決して順風満帆な道のりではありません。

いま現在ではバレエ界に止まることなく、テレビドラマへの出演から女優業までと活躍の場を積極的に広げています。

次から次へと舞い込んでくる試練にも屈することなく、自分の信じた道を突き進んでいくルビーの生きざまに重なりますね。

緊張と旧来のスタイルからの解放

原題の「High Strung」とは極度の緊張や研ぎ澄まされた感覚を意味していて、本場直前のダンサーや演奏家にはぴったりな響きですね。

プロデューサーとして製作スタッフに加わっているジャニーン・ダミアンは、もともとはクラシックバレエ・ダンサーです。

アメリカ国内の数々のバレエ団においてソリストやプリンシパルに選抜された実力者であるだけに、劇中のダンスシーンにもこだわりがあります。

駅構内を歩いていた利用客が突如として立ち止まって、ダンスバトルに飛び入り参加する場面が迫力満点です。

日常と非日常との境界線が曖昧になっていくような不思議な感覚は、ミュージカルや舞台劇にも引けを取りません。

子供の頃からコンサバトリーバレエを身につけてきたルビーが、大学の実習でコンテンポラリーバレエに苦戦する様子もリアリティーがあります。

伝統あるコンサバトリーから解き放たれたルビーが、新しく台頭してきたコンテンポラリーへと足を踏み入れていく瞬間を見届けて下さい。

躍りと楽器で一発逆転を狙う

一方は田舎町から遥々とダンサーになる夢を追いかけてやって来た女性、もう一方は路上演奏に明け暮れるバイオリン奏者。

バレエとバイオリンの真っ向からのぶつかり合いに、ヒップホップまで絡んできて異種格闘技のような面白さがあります。

ルビーとジョニーの前にライバルとして立ちはだかるのが、プレイボーイのカイルと校内屈指の美女ダンサー・エイプリルのペアです。

まさにエリート街道まっしぐらなカイルとエイプリルを、はみ出しものふたりが如何にして打ち負かしていくのか見応えがあります。

ビッグアップルの小さなバイオリン

人混みと喧騒の凄まじさに圧倒されて、思わずニューヨークのど真ん中で立ち尽くすルビーの後ろ姿がオープニングを飾ります。

地下鉄の構内では若者がバイオリンを演奏していて、行き交う通行人がからお金を稼ぐ光景もこの街ならではです。

地元のバレエ教室では常にナンバーワンだったルビーでしたが、国内屈指の名門校ではそう簡単にはいきません。

全米各地や海外から集まった実力者が競い合う授業で、まざまざと力の差を見せつけられてしまう一幕がほろ苦いです。

良きライバルでもあり気が置けないルームメートのジャジー出掛けて、夜のクラブで謳歌するつかの間の青春が素敵でした。

いつしか地下鉄の彼とあのバイオリンのメロディーが、大都会で生きるルビーにとっての応援歌になっていきます。

やりがいのある仕事と安らぎの場所を求めて

母国イギリスからニューヨークへと降り立ったジョニーですが、アメリカ政府が外国人に発行する永住許可証を持っていません。

労働ビザがないために現金払いの仕事しか出来ないという、外国人労働者の切実な悩み事にも考えさせられます。

ストリートミュージシャンとして地道に演奏に励みながら、グリーンカード取得のために貯金する努力が涙ぐましいです。

バイオリンの奏でる静謐なメロディーと、ケースに投げ込まれる小銭の安っぽい音とのコントラストが胸に響きました。

更には命の次に大切にしていたバイオリンを、心ない悪党に盗まれてしまう予期せぬアクシデントには胸が痛みます。

救いの手を差し伸べてくれたルビーとの出会いと、彼女が持ち込んできたアメリカ永住へのチケットがドラマチックです。

ロマンスと意地がぶつかり合うコンクール

ただ単にコンクールにエントリーするためのパートナーとしてではなく、お互いの存在を意識し始めていくルビーとジョニーが微笑ましかったです。

やたらとジョニーに対抗意識を燃やしているカイルと、お高く止まったエイプリルにひと泡吹かせてやりたくなります。

前々から不法滞在者としての負い目を感じていたジョニーに対して、ルビーが投げ掛けたひと言にはホロリとさせられました。

お互いへのわだかまりが完全に溶けていよいよ決戦が近づいてくる中で、思わぬ横やりが入ってきてハラハラさせられます。

こんな人におすすめ

警察からの呼び出しを受けて足止めを喰らっていたジョニーが、掛け替えのない相棒のもとへと駆けつけてくる瞬間に胸が熱くなります。

ルビーとジョニーが披露するのは、従来の常識に捕らわれることなくヒップホップの要素を取り入れたダンスで斬新でした。

お堅い審査員や講師の中からはあからさまに眉をひそめる者も続出で、手厳しい評価を受けてしまうのも致し方ありません。

旧世代と次世代との間に横たわっていた深い溝が、ふたりの躍りによって埋まっていくかのようなラストが清々しかったです。

幼少期にバレエやバイオリンなどの習い事をした経験がある皆さまは、是非ともこの1本をご覧になってください。

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