ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた|動画配信情報・感想・評価・解説

ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた
2017年製作/112分/アメリカ 予告動画を検索

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製作

「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた」は、デイヴィッド・ゴードン・グリーン監督によるヒューマンドラマです。

ジェフ・ボーマンとブレット・ウィッターによって共同執筆された回顧録、「Stronger」をもとにして映像化しました。

ふたりの道路作業員が珍道中へと繰り出す「セルフィッシュ・サマー」や、平凡な配達人と裏社会の売人との間に奇妙な友情が芽生える「スモーキング・ハイ」等。

ロードムービーからコメディまでを手掛けている、1975年生まれでアメリカ・アーカンソー州生まれの映画作家がメガホンを取っています。

2016年4月クランクインを迎えていて、グレーターボストンでの主要撮影とニューヨークでの現地ロケを敢行しました。

第42回トロント国際映画祭でのワールドプレミア上映の後、日本でもポニーキャニオン社の配給によって2018年の5月11日に劇場公開されています。

爆弾テロによって両足切断の悲劇に見舞われたひとりの青年が、家族や友人たちと力を合わせて立ち直っていく感動作です。

あらすじ

ジェフ・ボーマンは大手スーパー「コストコ」の調理部門で働きながら、マサチューセッツ州ボストンに住むごく普通の若者でした。

いつものように勤務明けに飲みに行ったボーマンが鉢合わせをしてのは、以前にお付き合いをしていたエリン・ハーリーです。

間もなく開幕となるボストン・マラソンでエリンがチャリティーランナーとして参加することを知って、ボーマンも見学に行くことにします。

大会当日にゴールエリア付近でエリンの完走を待っていたボーマンが聞いたのは、耳をつんざくような爆発音です。

気がつくとタンカーに載せられて救急車で緊急搬送されていて、全身血塗れの上に腰から下の感覚がまるでありません。

長時間に及んだ手術が終わってようやく意識を取り戻したボーマンは、残酷な現実を突き付けられることになるのでした。

渾身の名演

幾多の困難に打ち勝っていく主人公のジェフ・ボーマン役の、ジェイク・ギレンホールが身体を張った名演を見せています。

アントワーン・フークア監督作「サウスポー」では鍛え上げられた肉体美を披露していただけに、今作での自由を奪われた姿が痛々しかったです。

ボーマンにとっては物理的な意味でも心理的な意味でも支えとなる、エリン役のタチアナ・マスラニーには癒されました。

ミランダ・リチャードソンが扮しているボーマンの母親・パティとの、相容れない関係性にも注目してください。

ボーマンにとってはスーパーの店員時代の上役となる、ケヴィン役のダニー・マッカーシーも持ち味を発揮しています。

エリンの妹に当たる心優しきゲイル・ハーリー役を演じている、フランキー・ショウも魅力あふれる女優さんです。

彼の苦しみに寄り添う

オープニングでの喪失感あふれるボーマンの顔面アップを皮切りに、随所にクローズアップが多用されています。

単純な言葉だけでは言い表すことが出来ないボーマンの複雑な胸の内が、スクリーン全体に広がっていくようでした。

出だしからして「テロとの戦い」を正当化するような愛国的なストーリーかと思いきや、予想外の展開に引き込まれていきます。

一般的な作り手であれば省略してしまうような細々としたエピソードも、深く掘り下げられていて味わい深いです。

2013年4月15日のあの瞬間に突如として愛する人たちと引き離された、無数の犠牲者への静かなレクイエムが込められています。

唯一無二の理解者である恋人のエリンと、生き延びたボーマンが如何にして周囲の無理解を乗り越えていくのか見応え抜群です。

インテリ都市にも親しみやすさあり

物語の舞台となるボストンの歴史を誇る街並みからは、如何にも都会派でインテリなイメージを漂わせています。

大学街やオフィスビル郡を抜けた先には、地元の人たちが足繁く通っているバーやレストラン立ち並んでいました。

カウンターでグラスを傾ける常連さんの関心は、政治や学問よりも連敗が続いているボストンレッドソックスの方が強いようです。

日本でも地方都市では馴染みの深い大型食品チェーン店の看板も見えてくるので、自然と親しみやすさが涌いてきました。

フードコート内の厨房ではあの事件に遭遇する前のボーマンが、マニュアルに従って黙々とチキンを焼いています。

やたらと饒舌なアルバイト店員やひと言多い嫌みな上司などは、いつの時代どこの国の職場でも同じ光景ですね。

退屈な日常が引き裂かれる

勤め先のスーパーマーケットでルーティンワークをこなしている、ジェフ・ボーマンの冴えない日常から幕を開けていきます。

仕事終わりには同僚たちと連れだってスポーツバーへ向かい、1杯ひっかけながら野球談義に花を咲かせる典型例なブルーカラーです。

派手に喧嘩別れをしたかと思えばしばらくしてから元サヤに収まるを繰り返している、エリン・ハーリーとの腐れ縁には笑わされました。

大して興味もないチャリティーマラソンへの参加を決意したのも、彼女への未練があったからなのかもしれません。

エリンの呼び掛けとボーマンの手作りポスターが効を奏して寄付金の額も順調に膨れ上がっていく中で、運命の4月15日が近づいてきます。

遠い恋人と近すぎる親族

エリート階層や由緒正しい家柄が数多く集まるボストンでは珍しく、ボーマン一家は叩き上げの労働者階級出身になります。

ボーマンのパートナーとなるエリンはもともとは上流階級に所属しているだけに、すれ違いや微妙な距離感が切ないです。

俄に時の人となったボーマンに集まってくる、家族から親戚一同に友人知人と実に物見高く俗物根性丸出しでした。

ボーマンのプライベートな空間に土足で入り込んできては、勝手に大騒ぎをした挙げ句に立ち去っていくだけです。

本来であれば真っ先にボーマンをサポートしなければならない彼ら彼女らの、余りにも想像力の欠如には呆れてしまいます。

好奇の目線を振り切って自分らしく

爆発で両足を奪われた姿がマスコミに大きく取り上げられて、ボーマンはボストン復興のシンボルとして一躍脚光を浴びていきます。

罪のない被害者のひとりでありながら、何時しかスーパーヒーローのように持ち上げていく周囲には違和感を覚えました。

両足を失った肉体的な痛みよりも、精神的な葛藤の方に悩まされていくボーマンの後ろ姿が哀愁たっぷりです。

「ボストン・ストロング」というキャッチコピーが、却ってボーマン自身を打たれ弱くしてしまうのが皮肉でした。

ドン底を這いずり回っていたボーマンを救い上げた命の恩人・カルロスの、これまで打ち明けることが出来なかった真実には心を揺さぶれます。

こんな人におすすめ

数多くの降りかかってくる試練を乗り越えたジェフとエリンが、新しい生命を授かるラストにほろりとさせられます。

ハッピーエンドで締めくくりながらも、目を背けたくなるような人間の負の一面もしっかりと描かれていました。

オリンピック選手村の襲撃事件の報復に燃える暗殺チームを追った「ミュンヘン」や、9・11当日の空の上の実話をリアルに再現した「ユナイテッド93」等。

テロ事件をテーマにしたドキュメントやドラマに興味がある方たちは、是非ともこの1本をご覧になってください。

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