ジョンQ 最後の決断|動画配信情報・感想・評価・解説

ジョンQ 最後の決断
2002年製作/116分/アメリカ 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
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原作
-
出演
音楽
製作

「ジョンQ 最後の決断」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「ジョンQ 最後の決断」はニック・カサヴェテス監督によって、2002年の11月23日に劇場公開されています。

1度は離れ離れになった男女が再びめぐり逢う「シーズ・ソー・ラヴリー」から、子育てを終えた女性が自分のために生きることを模索していく「ミルドレッド」など。

純愛ものからヒューマンドラマまでを手掛けている、1959年生まれでニューヨーク出身の映画作家がメガホンを取っています。

息子の医療費支払いに困窮していた父親が起こした立てこもり事件を通して、アメリカの医療制度に一石を投じる社会派ドラマです。

あらすじ

ジョンQは経済的には苦しいながらも妻・デニーズとの間に息子のマイクを授かって、3人で幸せに暮らしていました。

地元のチームに加わって少年野球に熱中していたマイクでしたが、ある日の試合での走塁中に容態が急変しまいます。

緊急搬送された先のホープ記念病院でマイクに下された診断は、生命に関わるほどの心臓病で移植手術が必要です。

ジョンQとデニーズが勤め先から受け取る月々の給料と僅かな貯金だけでは到底足りないために、家財道具一式を売り払いマスコミを通じて資金を募りますが目標額には達しません。

レベッカ・ペイン院長と心臓外科医のターナー先生からは、移植待機リストに載せるための前金と高額な手術費用を要求されます。

病院側からマイクの強制退院を勧告されて次第に追い詰められていくジョンQは、一か八かの大勝負に打って出るのでした。

一線を越える迫真の演技

悩める主人公のジョンQことジョン・クインシー・アーチボルド、名優のデンゼル・ワシントンが演じていきます。

平凡な一家のお父さんが息子の危機に瀕した際に一線を越えてしまう様子を、迫真の演技力で表現していました。

勤続35年の大ベテランにして交渉役を仰せつかった、フランク・グライムズ警部補役のロバート・デュバルも渋いですね。

ジョンQとは単なる容疑者と警察官というお互いの立場を越えた、不思議な一体感で結ばれていく過程に注目して下さい。

ジョンQの友人にして大騒動の最中には彼の代弁者となる、ジミー・パランボに扮しているのはデヴィッド・ソーントンです。

カメラの前で「世の中には持つ者と持たざるものがいる」と語りかける場面は、全編を通して大きなインパクトがあります。

アメリカ社会の暗部を照らす

当時のジョージ・W・ブッシュ大統領が打ち出した政策によって、多くの国民がクレジットカードの負債に逼迫していた世相が反映されています。

会社の一方的な通告で勤務時間を半分に減らされてしまうなど、日頃から何かにつけて悩み事が多いのがジョン・Qです。

新聞の片隅に掲載されたたったひとつの求人広告に対して、400人もの応募者が殺到する場面にはビックリですね。

銀行から借りた低所得者向けのローンの支払いに四苦八苦するジョンQには、後のサブプライム問題を連想してしまうかもしれません。

毎年きっちりと健康診断受けていたはずのマイクが、なぜ持病の早期発見に至らなかったのか不思議に思われるかもしれません。

そこには大手保険会社と大病院との癒着体質が絡んでいて、被保険者が置き去りにされている現状が浮き彫りになっていきます。

余りにも突拍子もない行動に思えていたジョンQが、いつしか社会の不平等に立ち向かっていくヒーローに見えてくるでしょう。

運命のドライブ

映画の冒頭では危険な追い越し運転を繰り返しながら激走していく、女性ドライバーが映し出されていきます。

白のBMWの運転席で高級品のアクセサリーで着飾った彼女と、カーラジオから流れているクラシックの旋律が厳かなムードです。

一見すると主人公たちと無関係にも思える彼女の運命が、後に重要な鍵となりますので頭の片隅に入れて置いて下さい。

デニーズ・アーチボルドの愛車が朝早くからレッカー移動されたことが、そもそもの事件に火種になっています。

アーチボルド一家に残された最後の1台は、ジョンQが長年に渡ってハンドルを握り続けてきたおんぼろのフォードです。

学校まで送り届けた時に車から降りたマイクが、「さよなら」ではなく「また後で」と振り替える場面が胸に焼き付きます。

格差社会への挑戦

銀行からの差し押さえが原因でアーチボルド夫妻の関係にヒビが入ってしまうオープニングが切ないです。

そんな険悪な雰囲気に陥った夫婦の危機を救うのにひと役買って出る、9歳のひとり息子・マイクの天真爛漫さには癒されました。

常日頃からコツコツと貯金してきたお小遣いを父親に捧げようとする、年端のいかない子供ならではの気遣いには感心させられます。

夫のジョンQはグラインダー工場での半日勤務、妻のデニーズは商店街のアルバイト店員とすぐに大金を用意出来るはずはありません。

親族一同から仕事関係のつてを辿って友人まで、ただひたすらに頭を下げて融資に奔走するジョンQの姿が痛々しかったです。

それでも目標額には程遠く万策尽きて追い詰められていくジョンQが、遂には最終手段を敢行するシーンが衝撃的でした。

心優しい籠城犯

とうとう後戻り出来ない前代未聞の病院ジャックへと踏み切ったジョンQでしたが、内外に不安を抱え込むことになりハラハラさせられます。

出産を控えた妻の付き添いでやって来たアフリカ系のスティーブから、生後まもない赤ちゃんを抱いて英語を話せない南米移民のローザなど人質の方も多種多様で少々訳ありです。

フィアンセのジュリーに理不尽な暴力を振るっていたミッチを、ジョンQが懲らしめるエピソードにはスカッとしました。

人質のうち幼い子供や妊婦さんなどをいち早く解放するなど、自身もひとりの息子を育てている父として思いやりを忘れません。

晴れて自由の身となった人質からジョンQが、「頑張って」と励ましの言葉をかけられてしまうシーンには笑わされます。

熱い現場責任者と冷たい本部長

事件が発生した現場が病院で次から次へと患者が搬送されてくるために、自ずから緊迫感が高まっていきます。

現場に駆け付けて懸命の説得を試みるフランク・グライムズ警部補の、真摯な人柄には信頼感が涌いていきます。

自分は安全な場所から一歩も動くことなく、強行突破を指示する本部長のガス・モンローとのコントラストもくっきりです。

人質の安全確保よりも間近に控えている選挙での評判の方を気にしている、モンロー本部長の身勝手さには呆れてしまいました。

遂にはグライムズを現場の責任者から強制的に解任して、スナイパーを送り込むことによって事態の打開を図ります。

こんな人におすすめ

狙撃手をあっさりと返り討ちにして立てこもりを続けていたジョンQの要求が、ようやく病院側に受け入れられることによって事態は終息に向かいます。

ジョンQがたった1発の弾丸を装填した拳銃を持って犯行を決行した訳が明かされていく、クライマックスには胸を打たれました。

別れの言葉ではなく再会を誓って手術が成功した息子の側を立ち去る場面は、涙なしには見ることは出来ません。

エンドロールが表示される直前には、上院議員時代のヒラリー・クリントンが保険制度について語るカメオ出演が用意されていて必見です。

いま現在の医療機関で働いている方たちや、日本の社会保険や国民年金制度に疑問を抱いている皆さんは是非みてください。

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