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キャスト・スタッフ
「Re:LIFE リライフ」をサクっと解説
ライター/ジョセフ
作品概要
「Re:LIFE リライフ」は2015年の11月20日に、マーク・ローレンス監督によって劇場公開されているコメディードラマになります。
ミスコン会場で繰り広げられる爆弾魔とのバトルが迫力満点な「デンジャラス・ビューティー」や、熟年夫婦に降りかかってくる数々の災難をテーマにした「アウト・オブ・タウナーズ」等。
メガホンを取ったのはアクションから人情劇までを幅広く手掛けてきた、1959年生まれでニューヨーク出身の映画作家です。
2014年の6月15日に開催された第17回の上海国際映画祭では、プレミアム上映作品として正式に出品されました。
落ち目の脚本家がふとしたことから大学での臨時講師を引き受けたによって巻き起こっていく、トラブルとロマンスが映し出されていきます。
あらすじ
アカデミー脚本賞を受賞した過去もあるキースでしたが、今では仕事にあぶれていて日々の生活さえままなりません。
エージェントのエレンの義理の弟が文学部で教授をしているために、コネで講師として招いてもらいました。
大学がある場所はニューヨーク州の北東の外れにある、ビンガムトンという名前の田舎町です。
都会からやって来た脚本家に大学生たちは尊敬の眼差しを送りますが、キースはまるでやる気が涌いてきません。
単位取得そっちのけでモーションをかけてくる女子大学生、内気ながらも光るものがある青年、シングルマザーの熱心な受講生。
年齢から境遇までバラバラな生徒たちとの触れ合いを通して、キースはシナリオ講師のやりがいに目覚めていくのでした。
ロマコメの王道を行く俳優
自由気ままに生きてきた主人公のキース・マイケルズに扮しているのは、コミカルな演技に定評があるヒュー・グラントです。
「ブリジット・ジョーンズの日記」では敏腕編集長、「ノッティングヒルの恋人」ではハリウッド女優と恋に落ちる書店経営者。
昔ながらのプレイボーイから草食系男子まで変幻自在で、直球勝負のロマンティックコメディーには欠かせません。
キースの良き理解者であるハロルド・ラーナーには、J・K・シモンズのイメージがぴったりと合っていました。
自身の父親が大学の教授を務めていたことを存分に活かして、大学内の規律を保つ学科長をビシッと演じていきます。
見た目はいまいちパッとしないものの最後の最後で美味しいところを持っていく、男子大学生・クレム役のスティーヴン・カプランの好演も光っていました。
同僚も教え子も一筋縄ではいかない
着任早々にキースが一夜を供にしてしまうのが、地元での暮らしに物足りなさを抱いている女子学生のカレンです。
映画の序盤でこそ美しく聡明なヒロインに思えていましたが、後半パートでは微妙に役どころが変わっているところに注目して下さい。
お堅い同僚のメアリー・ウェルドン教授と、いい加減で遊び好きな性格のキースが上手くいくはずがありません。
何かにつけて突っ掛かってくるメアリーとの職場での人間関係を改善するために、キースが彼女に送った思わぬプレゼントには驚かされました。
女手ひとつで子供を育てながら仕事をこなして、その合間に大学に通って創作コースを学んでいるホリーには頭が下がります。
そんな頑張り屋さんに少しは感化されたのか、キースの心の奥底に芽生えていく微妙な心境の変化が印象深かったです。
田舎だけれどいいところ
本作品の舞台になっているのは、キースが「文明の果て」と文句ばかり並べ立てるニューヨーク州のビルガムトンです。
カルト的なテレビドラマ「トワイライト・ゾーン」でお馴染みの、ロッド・サーリングの生誕地で思い浮かぶ方もいるのではないでしょうか。
名物のスピーディーをキースは「ジャンクフード」と言って毛嫌いしていますが、 マリネしたお肉に炭火焼きのサンドが美味しそうでした。
回転木馬のだけは国内でもトップクラスですが、これといった観光スポットも歴史的な建造物もありません。
全米でも雨が多い地方都市ということで有名で、全編を通して天気は優れずにどんよりとしたムードが漂っています。
ラストシーンは珍しく雲間から太陽の光が射し込んでくる快晴で、それぞれの旅立ちを祝っているかのような清々しさです。
オスカー脚本家の都落ち
スタジオのお偉いさんを前にして自信満々で次回作の構想をプレゼンする中年男性のアップショットから、物語は幕を開けていきます。
直後に年若い映画会社のスタッフから、あっさりとダメ出しを喰らってしまう主人公・キースがほろ苦いです。
若くしてアカデミー賞の脚本賞を獲得した頃の輝いていた姿は、いま現在のキースからはまるで想像できません。
出世作となった「間違いの楽園」のタイトル通りに、この業界で数知れない一発屋が現れては消えていく繰り返しに思いを巡らせてしまいました。
ハリウッドからは過去の人扱い、早々と彼を見限った元妻は売れっ子映画監督と再婚、息子のアレックスとは音信不通。
遂には電気代の支払いにさえ窮乏するようになったキースは、嫌々ながも臨時講師を引き受けることになります。
懲りないキースが学生を選ぶ基準
女子学生を選考する時には文才よりもルックスを優先して、男子学生を選考する時には顔よりも才能を重視して。
70人の希望者の中から10人の受講生を選ぶことになったキースですが、余りにも下心見え見えで呆れてしまいます。
クラスの中に僅かにふたりしかいない男子学生のクレムとビリーは、何とも居心地が悪そうでお気の毒でした。
ハリウッド時代からスキャンダルに見舞われていたキースですが、相変わらず異性に手が早いのがユーモラスです。
肝心の授業の方は一向に身が入らないようですが、「間違いの楽園」に纏わる誕生秘話を打ち明けたことがきっかけで学生たちからは尊敬を集めていきます。
生徒と共に歩んでいく熱血教師
ようやく教師として様になってきたキースに対して、受け持ちの生徒たちも少しずつですが心を開いていきます。
スター・ウォーズおたくの冴えない男子学生・ビリーが、キースのアドバイスを受けて前に進んでいく様子が微笑ましかったです。
キースと抜き差しならない仲になってしまったカレンに逆恨みされてしまうという、ほろ苦いエピソードもありました。
教え子の中でも1番の成長株・クレムと二人三脚で脚本を書き上げて、ハリウッドデビュー目前まで漕ぎ着けていく終盤戦が痛快です。
ただひたすらに目標に向かって努力する若者の姿と、若き日の自分自身を重ね合わせているのかもしれません。
こんな人におすすめ
再びハリウッドへ返り咲くのか、片足を突っ込んだ教職の世界に戻り与えられた仕事を最後までやり遂げるのか。
教育者としても脚本家としても中途半端だったキースが、初めて自分の人生と向き合い下した決断を見届けてあげて下さい。
クライマックスでキースの携帯電話に連絡してきた予想外の人物と、留守録に残されていたメッセージが感動的です。
本作の原題は「THE REWRITE」でで直訳すると「書き直し」ですが、もう一度人生をやり直していくキースの姿にも重なりました。
シナリオライターを目指していたりカルチャースクールに通って執筆活動に励んでいる皆さんには、オススメな1本になっています。
みんなのレビュー
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