バトル・オブ・ザ・セクシーズ|動画配信情報・感想・評価・解説

バトル・オブ・ザ・セクシーズ
2017年製作/122分/アメリカ 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
-
出演
音楽
製作

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」は2018年の7月6日に劇場公開されている、スポーツエンターテイメントです。

アカデミー作品賞にノミネートされた「リトル・ミス・サンシャイン」からミュージックビデオの制作まで。

様々な映像分野での活動を続けている、ヴァレリー・ファリスとジョナサン・デントンがメガホンを取りました。

「フル・モンティ」などの人気脚本家、サイモン・ボォーフォイが実話をもとにしてオリジナルシナリオを書き上げています。

プロデューサーを務めているのは、「スラムドッグ・ミリオネア」でボォーフォイとコンビを組んだダニー・ボイルです。

1973年にアメリカで行われた、テニスコートでの男と女の歴史的な一戦とその舞台裏が映し出されていきます。

あらすじ

11歳からプロのテニスプレイヤーを目指していたビリー・ジーンは、20代に入ると4大大会を次々と制覇していきます。

29歳を迎えるまでには通算39勝を達成し、その暁には全米テニス協会に女子選手の地位向上を訴えますがまるで相手にされません。

スポーツジャーナリストや現役プレイヤーたちが次々と集まってきて、ビリーが中心となって結成されたのが女子テニス協会です。

そんなビリーに対して、かつては男子テニスのチャンピオンの座にいたボビー・リッグスが男女対抗戦を提案します。

一度はボビーの挑戦状を撥ね付けたビリーでしたが、彼のあからさまに差別的な発言だけには我慢なりません。

トップアスリートとして、そしてひとりの女性として。

ビリーは大勢の観客が見守る決戦のコートへと向かっていくのでした。

美しき女優と曲者男優との対決

ヒロインのビリー・ジーン・キングを演じているのは、2017年に「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞受賞のエマ・ストーンです。

これまでのフェミニンなイメージを封印して、7キロのウエイトアップに地味なヘアスタイルに眼鏡姿を披露していきます。

ビリーの前に宿敵として立ちはだかるボビー・リッグスに扮しているのは、個性派俳優のスティーヴ・カレルです。

全編を通して嫌われ役に徹しながらも、時折垣間見える人間らしさや滑稽さは不思議と憎むことが出来ません。

ビリーをコートの外で悩ませることになる女性、マリリン・バーネット役を務めているアンドレア・ライズブローも魅力的な女優さんでした。

差別の壁に風穴を空ける

社会全体に当たり前のように男女差別が横行していた1970年代に、如何にして性別の壁を突き破っていくのか引き込まれていきます。

新しいテニス団体を仲間と共に立ち上げたビリーたちですが、資金集めから運営まで実に前途多難な船出となりました。

大手のタバコメーカーとタイアップ企画を組んで、賞金アップや女子選手の対偶改善を実現させていった逸話に驚かされます。

テニスと喫煙という対極的な存在を結び付けてしまう大胆な発想には、ビリーの経営者としての手腕を感じませんか?スポーツの世界に限らずに、芸能界から政界に一般企業でも男尊女卑に凝り固まったお偉いさんは居るはずです。

そんな残念な現実から目を背けることなく、黙って自分たちのやるべきことを実行する彼女たちの姿には勇気を貰えます。

戦い続ける彼女への応援歌

ビリー・ジーンがマリリンを誘い出してドライブに出掛けると、エルトン・ジョンの「ロケットマン」がかかります。

ふたりの美しい女性の真横を流れていく景色と、美しいピアノの旋律が鳴り響くバラードが重なり合っていき心地良かったです。

ロケットマンといってもアメリカの現職大統領が皮肉った、ミサイル開発にとり憑かれた将軍さまとは一切関係ありません。

レイ・ブラッドベリの短編小説「刺青の男」とデヴィッド・ボウイのヒット曲「スペイス・オディティ」をもとに、1972年にリリースしたシングル曲です。

エルトン・ジョンは過去にビリー・ジーンのために、「フィラデルフィア・フリーダム」というチームの応援ソングを提供しました。

チャリティーコンサートや性的マイノリティの人たちへの支援も積極的で、まさに戦うビリーのテーマソングにはピッタリですね。

お金よりも誇りを求めて立ち上がる女たち

優勝賞金金額が男子と比べると僅かに8分の1だという、スポーツ界に厳然と横たわっている不平等には憤りを覚えました。

大会チケットの小売販売から試合会場の確保、ロッカールームの清掃業務からテニスコートのメンテナンスまで。

あらゆる雑務を自分たちの力でこなしていく、女子テニス協会のメンバーたちの結束力と努力が涙ぐましいです。

マスコミの前でビリーが口にした、「賞金よりも欲しかったものは誇り」というセリフが胸に突き刺さりました。

これまでの堅苦しいテニス協会のイメージを一新させた、オリジナルデザインのテニスウェアも格好良かったです。

男女平等の先駈けでもありLGBTムーブメントの火付け役

挑発的なコメントでしばしば物議を醸しているビリー・ジーンですが、プライベートでも悩み事は尽きません。

表面的には夫・ラリーとの良好な関係を保っていますが、密かにヘアスタイリストのマリリン・バーネットとの不倫を続けていきます。

当時はウーマンリブの幕開けが高まっていく中でも、LGBTに対する理解は依然として深まっていなかったようです。

男性をパートナーとして「キング夫人」という社会的な対面をアピールしながらも、心の奥底ではマイノリティーとしての葛藤を感じていたのでしょう。

自らの同性愛についてカミングアウトをするのが、世紀の一戦が終わって離婚が成立した後のことだという逸話がほろ苦いです。

男女不平等の改善策ばかりではなく、幅広い性の多様性を実現するためのメッセージが盛り込まれていました。

コートの外で場外乱闘

片や現役バリバリで29歳の女子チャンピオン、もう一方は引退して随分と経った55歳の元男子チャンピオン。

ボビー・リッグスの方は妻に愛想を尽かされた上にギャンブル依存性で借金まみれと、何とも情けないキャラクターです。

やたらと差別的な発言を繰り返していくことで注目を集めているのは、今の時代で言うなればネガティブキャンペーンのつもりなのでしょうか。

試合直前になってビリーはインフルエンザというアクシデントに見舞われますが、ハンデを物ともせずに見事に勝利を掴み取ります。

全世界でスポーツ評論家からフェミニストまでが見守った中で、試合後の更衣室で思わず彼女が見せた涙にはホロリとさせられました。

こんな人におすすめ

まさにタイトル通りに「性差を越えた戦い」に至るまでの紆余曲折とした道のりと、決着がつくまでに舞台で繰り広げられたドラマには心を揺さぶられました。

ロバート・タウン監督がモスクワオリンピックを舞台に描いた「マイ・ライバル」から、廣木隆一監督が川島誠の青春文学を実写化した「800 TWO LAP RUNNERS」まで。

アスリートと性別とのテーマに真正面から切り込んで訴えかけた、その他の映画とも見比べてみたくなりました。

性別に捉われることなく、自分自身が選んだフィールドで持てる力の全てを振り絞って戦う大切さが伝わってきます。

スポーツやビジネスなど様々な分野で活躍している、幅広い世代の女性の皆さんにご覧になって頂きたい1本です。

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