麻雀放浪記2020|動画配信情報・感想・評価・解説

麻雀放浪記2020
2019年製作/118分/日本 予告動画を検索

動画配信

U-NEXT(ユーネクスト) U-NEXTで検索
31日間無料

TSUTAYA TV(ツタヤTV) TSUTAYA TVで検索
30日間無料

キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
-
出演
音楽
製作

「麻雀放浪記2020」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「麻雀放浪記2020」は、2019年の4月5日に劇場公開された白石和彌監督によるギャンブルエンターテインメントです。

元になっているのは阿佐田哲也による自伝的文学で、角川書店から全4巻で刊行されています。

第1巻の青春編をストーリーの下敷きにして、第2巻の風雲編に登場するキャラクターを大胆にアレンジして佐藤佐吉がオリジナルの脚本を書き下ろしました。

出演者による不祥事によって一時は公開中止が検討されながらも、「作品自体には罪はない」として何とか公開までこぎ着けたたいわくつきの作品でもあります。

原作を上回るほどのルール無用の麻雀バトルと、第二次世界大戦終結直後の1945年と東京オリンピックの中止が決定された2020年を行き来する展開が迫力満点です。

あらすじ

世界各国で衝突や分断が加速する中で第三次世界大戦が勃発したために、2020年に開催が予定されていた東京オリンピックは中止になってしまいました。

労働力はAIにとって代わり、街中には失業者と年金暮らしの高齢者が溢れかえっています。

そこへ第2次世界大戦終結直後の1945年からタイムスリップしてきたのが、若干20歳ながらも無敵の麻雀打ちとして恐れられる「坊や哲」です。

頼る相手も居なくて帰る場所もない哲を、偶然にも知り合ったドテ子は何くれとなく世話をしてあげます。

この時代にはない人間らしさに満ち溢れた哲に心惹かれていくドテ子でしたが、75年前の過去からやって来たという彼の話は到底信じることは出来ません。

ドテ子の身に危機が迫っていることを知った哲は、彼女を守り元の世界に帰還するための一世一代の大勝負に打って出るのでした。

20世紀の傑作娯楽小説が21世紀の名優による共演で蘇る

百戦錬磨のギャンブラー・坊や哲を、斎藤工が学ランにふんどし姿で勇ましく演じていました。

2011年には阿佐田哲也が本名の色川武大で発表した短編小説を実写化した、「明日泣く」で小説家・武の役に抜擢されています。

哲と運命を共にするヒロインのドテ子に扮しているのは、妹の小春と共にミュージシャンとしても活動を続けている松永ももです。

「もも」という芸名は時間泥棒と少女との戦いをテーマにしたミヒャエル・エンデの童話「モモ」から名付けられていて、元の時代を取り戻そうとする哲をサポートする役割にはピッタリですね。

ドサ健役を務めている的場浩司や、大恩寺クソ丸役の竹中直人などの個性派の役者さんたちも顔を揃えています。

命懸けの役満に挑んだ数多くの麻雀打ちたち

麻雀が好きな人であれば、1度は「九蓮宝燈」を上がってみたいのではないでしょうか。

この手を完成させて上がるためには自分の力だけで、「1112345678999+1~9」という天文学的な確率になる牌の並びを揃えなければなりません。

過去に公の場で初めてこの役満を決めたのはこの映画の原作者・阿佐田哲也と一緒に「麻雀新撰組」を立ち上げた、ギャンブル界のレジェンドとも称えられている小島武夫でした。

ごく最近では若干24歳のプロ雀士・岡田紗佳が、麻雀番組の生放送中に快挙を達成しています。

映画の序盤で九蓮宝燈を成立したのは「出目徳」の異名を持つ老ギャンブラー・大場徳次郎ですが、直後に体調の異変に襲われて亡くなってしまうのが何とも哀れです。

英訳すると「天国の扉」とも言われているだけに、それなりの覚悟をしてチャレンジしなければなりません。

失われた時代を求めて奔走する坊や哲の孤独な戦い

フィンランドの名匠アキ・カウリスマキが2002年にカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた「過去のない男」から、川口春奈と山崎賢人の共演が瑞々しい2017年の「一週間フレンズ。」まで。

主人公が記憶を喪失する映画は数え挙げればキリがありませんが、住んでいた時代そのものを失ってしまうという本作品の設定は斬新です。

多くの生命が失われた第二次世界大戦や、その後の戦後復興さらには2020年に開催されるはずだった東京オリンピックまでが歴史の流れからスッポリと抜け落ちてています。

坊や哲が必死になって元の時代に帰還しようとするのは、自分のためではなくそれぞれの時代を駆け抜けた人たちの思いを後世に伝えたいからなのかもしれません。

終戦直後の混乱を生き抜くためには

第二次世界大戦の終結が間もない上野から、物語は幕を開けていきます。

誰しもがその日の暮らしに追われている中でも、麻雀に明け暮れる坊や哲の生きざまが破天荒でした。

哲に対して激しい敵対心を剥き出しにするドサ健、老いてなお衰えることのない如何様テクニックを駆使して向かってくる出目徳、憧れの女性でもあり商売敵でもある八代ゆき。

3人とはライバルでありながら、時には友情や愛情が芽生えていく奇妙な関係が印象深かったです。

強者揃いの4人の雀士たちが卓に集まり、九蓮宝燈を打ち込むことによって途轍もないエネルギーが発生します。

辿り着いた未来はお先真っ暗

眩い光に包まれた哲が見たのは、変わり果てた東京の風景です。

街中至る所に監視カメラが設置されていて、全ての国民は体内に個人識別用のマイクロチップを埋め込まれているのが不気味でした。

そんな自由な雰囲気が消え去った未来の中でも、博打の腕前ひとつで生き抜こうとする哲の決意が伝わってきます。

学生服のままでメイド服姿の女の子たちと雀卓を囲んだ哲が、全自動麻雀卓に戸惑う様子がユーモラスです。

彼女たちとの一向に噛み合わない会話や、聖徳太子がプリントされた旧紙幣で支払いをしようとする場面にも笑わされました。

メイドカフェで大騒ぎを起こして交番まで連れて行かれた哲は、不思議な魅力を秘めた女性・ドテ子に助け出されます。

心の奥底から笑えるようになったドテ子

「笑いたくない時には無理に笑わなくてもいい」という、哲のセリフには心を揺さぶられるものがあります。

VRゴーグルを装着することでしか男性を受け入れることが出来ない自らの性癖を涙ながらに告白したドテ子に対して、哲が優しく投げかけた言葉です。

何もかもが国家権力によってコントロールされている2020年、何時しか喜怒哀楽にさえ自由が無くなった絶望的な近未来の息苦しさを鋭く捉えていました。

このアドバイスによってトラウマが吹っ切れて救われたドテ子は、麻雀オリンピックが開催されている会場へと駆けつけます。

激闘の果てに勝利を収めて九蓮宝燈を達成した哲の身体が光に包まれていく中で、ドテ子が愛する人へ贈った最後のプレゼントが感動的です。

こんな人におすすめ

エンディングロールが流れ終わった後にも意味深なカットが映し出されますので、最後まで席を立つことのないようにお願い致します。

時空を超えて繰り広げられた坊や哲のダイナミックな冒険の余韻が冷めやらぬ中で、新たなる戦いの予感が高まっていました。

イラストレーターの和田誠がメガホンを取って真田広之の主演によって1984年に公開された、前作の「麻雀放浪記」に熱狂した世代の皆さんでもお楽しみ頂けるでしょう。

アプリやオンライン麻雀ゲームに慣れ親しんだ、若い世代の皆さんにもご覧になって頂きたいと思います。

勝負師と勝負師が向かい合って壮絶な牌の撃ち合いを繰り広げていく、生身のバトルを存分に堪能することが出来るはずです。

みんなのレビュー

【投稿されたコメントをシェア】
秀逸なコメントをSNSに投稿して
麻雀放浪記2020」を
布教しちゃってください!
【コメント募集中】
麻雀放浪記2020」の
おすすめのポイントを
自由に紹介してください!