二度めの夏、二度と会えない君|動画配信情報・感想・評価・解説

二度めの夏、二度と会えない君
2017年製作/106分/日本 予告動画を検索
篠原智は転校生の森山燐と趣味の音楽を通して意気投合し、バンドを組むことに。文化祭でのライブが無事に終わったころ、燐は持病が悪化して入院する。しばらくして死を迎えようとしている燐に智は思いを伝えるが、彼女は喜んではくれないままこの世を去るのだった。その後、病床での告白を後悔する日々を送っていた智。あるとき智は、不注意から土手を転がり落ちてしまうが、意識を取り戻すとそこは…。

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
出演
音楽
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製作
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「二度めの夏、二度と会えない君」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「二度めの夏、二度と会えない君」は中西健二監督によって、2017年の9月1日に劇場公開されています。

もとになっているのは赤城大空によって、ガガガ文庫から2015年1月20日に刊行されている人気のライトノベルです。

藤沢周平の短編小説を実写化した「花のあと」や、大学院生とミステリアスな美女との危険なロマンスをテーマにした「恋する歯車」等。

王道の時代劇から異色なラブストーリーまでを幅広く手掛けている、1961年生まれ大阪出身の映画作家がメガホンを取りました。

若くして亡くなったバンド仲間への思いを胸に秘めた男子高校生が、6カ月前にタイムスリップして未来を変えるSFアドベンチャーです。

あらすじ

篠原智は転校生の森山燐と共通の趣味であるギターや歌を通してたちまち意気投合して、バンドを組むことになりました。

高校の文化祭「北高祭」を無事に終わった頃には、燐は心臓に抱えていた持病が悪化して入院してしまいます。

病院のベッドで死を迎えようとしている彼女に、智は自らの気持ちを打ち明けますが燐は喜んではくれません。

それから間もなく燐は闘病生活の末にこの世を去っていきますが、智は病床での告白を延々と後悔することになります。

燐の居ない毎日に無気力になっていた智に転機が訪れたのは、不注意から自宅の近くの土手を転がり落ちてしまった時です。

数分間だけ気を失っていた智が意識を取り戻した時には時間が6カ月ほど巻き戻されていて、この世界ではまだ燐は健在で彼女に告白もしていません。

あの時の失敗を繰り返さないために、智は二度めの夏にして燐との最後の時間を精一杯謳歌することを誓うのでした。

一瞬を焼き付ける若手俳優たち

時をかける少女ならぬ時をかける男子高校生の篠原智の役に抜擢されている、村上虹郎が父親譲りの演技力を披露していました。

父の村上淳は1992年に主人公が幾度となく人生をやり直す、「未来の思い出 Last Christmas」という映画に出演しています。

原作は藤子・F・不二雄の隠れた名作コミックでありタイムループ物の先駆けでもあるので、機会があれば見比べてみて下さい。

劇中で智が独白する「一度めの俺を演じる」というセリフ通りに、自分だけが未来を知っているという孤独感を上手く表現しています。

花京院役の金城茉奈や、石田六郎役を務めている山田裕貴など同世代の若手俳優との息の合ったコンビネーションは必見です。

榎本楽器店のオーナーに扮している菊池亜希子や敦子先生役の本上まなみなど、中堅どころの女優さんも存在感を発揮していました。

ヒロインが等身大で熱唱

森山燐役の吉田円佳は「MADOKA」の名義でミュージシャンとして活動を続けているだけあって、その歌唱力はお墨付きです。

実在する5人組ガールズバンド「たんこぶちん」のヒットナンバーが、挿入歌として映画を盛り上げていました。

2017年の2月8日にリリースされたサードシングル、「遠距離恋愛ミサイル」のようなぶっ飛んだ楽曲が迫力満点ですね。

幼い頃から病弱だった燐にとっては心の拠り所になっていたという、思い出の1曲のメロディーには多くの人が励まされるはずです。

エンディングテーマとして本作を締めくくるのは「夏の終わりに」で、作品の世界観がストレートな歌詞で表現されています。

スタッフロールと共に本編の名シーンの数々がアルバムのように流れていく演出で、余韻にドップリと浸ることが出来ました。

豊かな緑に映える街並み

本作は常総フィルムコミッションの全面的なバックアップを取り付けて、茨城県常総市での現地ロケを敢行しています。

オープニングショットから映し出されていく緑豊かな6月の土手と、傍らを流れる鬼怒川と小貝川が美しいですよ。

終盤にもこの土手は重要な役割りを果たすことになりますが、12月の雪のシーズンを迎えて装いを新たにしていました。

都内から電車に乗って1時間程度という微妙な距離感が、子供と大人の間で揺れ動く燐にはピッタリです。

すっかり打ち解けた4人の男女が真夜中の浜辺へ繰り出して花火に興じるなど、青春キラキラ映画には海が欠かせません。

町外れのゴミステーションも本筋とは無関係ではなく、思わぬ場面で智たちが訪れることになる重要なスポットです。

4人の個性がひとつに混じり合う

延命治療を拒んでまで大好きな音楽に打ち込んでいく、森山燐の刹那的な生きざまに魅せられてしまうのはギターの篠原智だけではありません。

生活のリズムがぐちゃぐちゃで殆んど登校することなく、「フリーライフ」などと揶揄される花京院姫子には笑わされました。

高慢ちきで口うるさい生徒会長の菅野瑛子には煙たがられながらも、ドラムの腕前はピカイチなのが格好良かったです。

ベースの担当としてバンドメンバーに加わることとなった石田六郎の、その彫刻作品の数々には圧倒されます。

白いドラゴン置物はおよそ高校生の作ったものとは思えず、木彫りの熊に至っては北海道土産にも引けを取りません。

最高のメンバーと最高の夏を

個性豊かなふたりの追加メンバーによって4人となったバンドは、燐によって「Pプライメンバー」と名付けられます。

単なる「Prime 」と「Member 」を掛け合わせた造語かと思いきや、彼女がこのバンド名に込めた深いメッセージにはほろりとさせられました。

放課後の音楽室での音合わせや、ライブハウスへの出演を経て絆を深めていく4人には心温まるものがあります。

野外ロックフェスティバルでの会場のアルバイト中に、飛び入りでステージ演奏をしてしまうシーンも忘れ難いです。

楽しかった夏休みの終わりとともに、3年間の高校生活の中でもメインイベントである文化祭が近づいてきます。

少年少女たちを見守るふたりの大人の女性

智たちの御用達のお店でもあり交流の場所になっている楽器店のオーナー、榎本優も魅力的なキャラクターです。

彼女を慕って集まってくる多くのミュージシャン志望の若者たちからは、音楽への並々ならぬ思い入れが感じられました。

智たちの通っている青葉北高等学校のお堅い生活指導の教師、布施敦子と優との意外な繋がりも気になります。

智や燐に温かい眼差しを注ぎながらも、ふたりとも時おり寂しそうな表情を浮かべていました。

大人になる過程で置き去りにしてきた自分たちの青春や諦めてしまった夢を、智や燐の真っ直ぐな姿に重ね合わせているのかもしれません。

優のサポートを取り付けて何とか敦子を説得した智たちは文化祭の演奏でも大成功を収めますが、燐に残された時間は残りあと僅かです。

こんな人におすすめ

一度目の過ちを繰り返すことなく燐を見送った智は物語のスタート地点である土手の上へと、これまでの記憶を維持したままで舞い戻ってきます。

手元には燐から託された最後の手紙がありますが、その文面が映画冒頭とは微妙に異なっていますので注意して下さい。

いつの間にか雪が降り頻る中で智の背後にはバンドの仲間たちが集まってきますが、燐の姿だけがありません。

正真正銘の今度こそ本当の燐との別れを乗り越えた智が、振り向きざまに言い放ったセリフには強く心を揺さぶられました。

いま現在軽音楽部に所存している中高生の皆さんや、学生時代にアマチュアバンドを組んでいた方に見て欲しい1本です。

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