いつかギラギラする日|動画配信情報・感想・評価・解説

いつかギラギラする日
1992年製作/108分/日本 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
-
出演
音楽
製作

「いつかギラギラする日」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「いつかギラギラする日」は1992年の9月12日に劇場公開されている、深作欣二監督によるクライムエンターテイメントです。

つかこうへいの戯曲を映像化した「蒲田行進曲」や、無人島に置き去りにされた中学生同士の戦いをテーマにした「バトル・ロワイアル」等。

文芸作品の実写化からバイオレンスな娯楽作まで幅広いジャンルを手掛けた、日本映画界の大御所の代表作です。

プロデューサーとして数多くの新人監督を世に送り出してきた奥山和由が持ち込んできた企画を、10年越しに完成に漕ぎ着けました。

完全無欠だったはずの2億円強奪計画の予想外の顛末と、仲間内で巻き起こる血みどろのバトルが映し出されていきます。

あらすじ

3人の銀行強盗グループは数多くの犯行を成し遂げてきましたが、ここ10年ほどはこれといった動きはありません。

チームリーダーの神崎は交際相手の美里のために、井村は事業の失敗により膨れ上がった借金返済のために、柴は恋人の麻衣と贅沢な暮らしをするために。

久しぶりに集まった3人が今回ターゲットにするのは、北海道の洞爺湖温泉にある高級ホテルの売り上げ金です。

角町という地元出身で土地勘に優れた若者を柴は新メンバーとして連れてきましたが、神崎は余り気が進みません。

2億円にも上る現金の強奪に成功しますが、あらかじめ角町と繋がっていた麻衣によって1億5000万円が持ち逃げされてしまいます。

義理人情に厚く裏切り行為は決して許さない神崎は、自分たちの取り分とメンツを取り返すための賭けに打って出るのでした。

スクリーンの中で大暴れの俳優たち

破滅的な道のりへとまっしぐらな主人公・神崎の役には、萩原健一のイメージがぴったりとハマっていました。

1960年代に「ザ・テンプターズ」のヴォーカリストとしてデビューを果たしただけあって、エンディングソングの「ラストダンスは私に」を熱唱しています。

本作の中では俳優として大暴れを披露していて、相手が国家権力であろうと反社会的勢力であろうと退きません。

兄貴分的な存在で愛された名俳優でしたが、2019年の3月に突如としてこの世を去ってしまったことが惜しまれます。

強面な4人の男たちの間をしたたかに渡り歩いていく、ダークヒロイン・麻衣役の荻野目慶子が色っぽいです。

薄っぺらいワンピースを身に纏ってショットガン乱射する場面には、ただただ度肝を抜かれてしまいました。

北海道の雄大な自然と観光名所も

室蘭市と函館市の観光協会からの全面的なバックアップを取り付けて、現地でのロケを敢行して撮影を行いました。

強盗団のひとり・柴が住んでいるのが北海道の札幌で、冒頭での神崎と井村の来訪が事件の引き金になっています。

洞爺湖の畔にひっそりと佇んでいるリゾートホテルが実に優雅で、およそ大胆不敵な強盗事件とは結び付きません。

観光シーズンになると土日だけでも5000人に迫るほどの宿泊者が見込まれて、その売り上げ金に目を付けたのが角町でした。

その角町がオープンを目指しているのが函館市内のライブハウスで、1990年代前半のビジュアル系バンドが懐かしいです。

「JACK’S’JOKER」という名前の実在するバンドが挿入曲を担当していますが、後にJUDY AND MARYを結成する恩田快人の姿もありますので見逃さないで下さい。

規格外のアクション

ド派手なカーチェイスには、近未来で特殊警察と暴走族とがぶつかり合う「マッドマックス」を彷彿とさせるものがありました。

ベンツからポンテアック・トランザムにフェラーリと、高級外車も惜し気もなくぶつけ合ってスクラップにしてしまいます。

パトカーを車輌ごと買い取って、120台を並べていっぺんに大破させたという逸話は今でも語り種になっていますよ。

爆薬の量にして3万7000発、火薬に換算すると11トンを使用してリアリティーにとことんこだわり抜いた、銃撃戦の数々もダイナミックです。

生身の俳優たちが撮影中に流血してしまうほどの肉弾戦や、時代劇顔負けのチャンバラまで用意されています。

アクションのスケールも日本映画を遥かに越えていて、10億円をオーバーしたという制作費は伊達ではありません。

強盗をするには3人がちょうどいい

産婦人科に内緒で通うパートナーを気遣う神崎、在日韓国人としてのアイデンティティーに思い悩んでいる井村。

過去に多くの犯行を重ねてきた銀行強盗でありながら、彼らの意外なほどピュアな素顔が描かれていて感情移入できました。

綿密に練り上げていく現金2億円の強奪計画と、1968年に府中で発生して日本中を震撼させた3億円事件を真似た犯行手口が手に汗握ります。

3人がそれぞれのプライベートには必要以上に踏み込むことなく、お互いに野暮なことを詮索することもありません。

程よい距離感を持ってバランスを保っていたことが、これまで幾多の危機を無傷で切り抜けてきた要因でしょう。

4人目として加わった軽薄な青年・角町によって俄に暗雲が立ち込めていき、分け前を巡って繰り広げられていく壮絶な争いが勃発します。

仲間割れ勃発でひとり退場

4人のうちで真っ先に命を落とすことになるのは、日本人の妻と結婚して彼女との間にひとり娘を授かった井村でした。

ごく最近に高校生になったばかりの井村の娘は年齢以上に大人びた佇まいで、父の裏家業をお見通しのような憂いを帯びた眼差しが印象深かったです。

ゴツい外見とは裏腹に井村は診療内科に通院するほどの繊細な内面を持ち合わせていて、悪事の片棒を担ぐのには向いてなかったのかもしれません。

家族に捨てられることを何よりも恐れていた井村でしたが、妻は夫よりもお金のことで頭がいっぱいなのが哀れです。

警察に垂れ込むと騒ぎ始めた井村の妻の口を手切れ金で封じつつ、義理人情に厚い神崎は敵討ちに燃えていきます。

更にひとり減って残りふたり

井村に続いて角町からの銃撃を受けた柴は、神崎が連れてきた闇医者の手当ての甲斐もなく亡くなってしまいます。

死の間際に柴が言い残した「海の底で眠りたい」というひと言と、神崎が共に戦った戦友のためにかけたレコードが切ないです。

仲間たちの復讐に燃える神崎と角町との最終決戦では、マシンガンもライフル銃も使われることはありません。

両者とも言葉もなく間合いを取って睨み合い、ナイフとナイフが交錯する一瞬で決着が決まる時代劇のような緊張感がありました。

壮絶な戦いを終えた神崎の身体には無数の傷跡が残り、逃走中に海の上へと撒き散らした札束が海藻のように浮かんでいて虚しいばかりです。

こんな人におすすめ

警察の包囲網を突破して辛くも逃げ延びた神崎が、函館行のバスの後部座席で憔悴しきっている姿が痛々しいです。

懲りない神崎の瞳が東北銀行の看板を捉えた瞬間に異様な輝きを宿すシーンで、この映画はエンディングを迎えます。

「完全に自由でない限りは夢を見続ける」というオープニングのセリフが、最後の最後に深い意味を示していて圧巻でした。

伊坂幸太郎のベストセラーを映画化した「陽気なギャングが地球を回す」や、ハリウッドのレジェンドたちが集結した「ジーサンズ」など。

銀行強盗団やギャングを始めとする悪漢を主人公にしたピカレスク物がお好きな皆さんは、是非ともご覧ください。

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