人生はシネマティック!|動画配信情報・感想・評価・解説

人生はシネマティック!
2016年製作/117分/イギリス 予告動画を検索
1940年代。第二次世界大戦最中のイギリスで、国民を鼓舞するための映画が製作されている。新作映画の脚本家にスカウトされることになったのは、機関紙の片隅の漫画を手掛けるカトリンである。すぐに脚本家としての才能を開花させるカトリンだったが、プライベートでも重大な決断を迫られるのだった。

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
出演
音楽
製作

「人生はシネマティック!」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「人生はシネマティック!」は2017年の11月11日にロネ・シェルフィグ監督によって劇場公開されています。

孤独な大人たちが駅前留学を通して巡り合う「幸せになるためのイタリア語講座」や、多感な女子高生の胸の内に迫った「17歳の肖像」等。

群像ドラマから青春ストーリーまでを手掛ける、1959年生まれでコペンハーゲン出身の映画作家によるヒューマンドラマです。

児童文学作家のリサ・エヴァンスによって2009年に刊行された、「THEIR FINEST HOUR AND A HARF」が映像化されました。

2015年にロンドンで開始された主要撮影を皮切りに、イングランド全域やウェールズ地方での現地ロケも敢行されています。

ナチス・ドイツの攻撃が激しさを増していくロンドンで映画作りに奮闘する、若き女性脚本家とその仲間たちとの絆をテーマにした作品です。

あらすじ

1940年代前半のイギリスでは第2次世界大戦が激しさを増していく中で、国民の戦意を高揚するための宣伝用映画が製作されていました。

情報省の映画局に特別顧問として招かれているトム・バックリーは、マンネリ化を打破するような新作映画の脚本家を探すことに四苦八苦しています。

トムが偶然にも手に取ったのはある機関紙で、特に気になったのは紙面の片隅に掲載されていた数コマのマンガです。

作者は普段はコピーライターの秘書として働いている若い女性、カトリン・コールで本職のマンガ家ではありません。

トムのスカウトによって映画局に採用されることとなったカトリンは、見る見るうちに脚本家としての才能を開花させていきます。

仕事に遣り甲斐を見出だしていくカトリンでしたが、プライベートでも重大な決断を迫られることになるのでした。

映画の中で映画を作る俳優たち

自らの情熱と才能の全てを映画へと注ぎ込んでいくヒロインのカトリン・コールを、ジェマ・アタートンが演じていきます。

007シリーズ第22弾「慰めの報酬」でジェームズ・ボンドを翻弄する、ストロベリー・フィールズ役で有名になった女優さんです。

今作ではボンドガールのお色気を封印して、仕事はしっかり恋愛には不器用な脚本家に見事に成りきっていました。

カトリンの直属上司でもあり戦友とも言える存在、トム・バックリーの役にはサム・フランクリンが扮しています。

組織の上層部や映画会社とは言葉巧みに渡り合い、部下たちからは絶大な信頼を寄せられている美味しいキャラクターです。

スペイン内戦で精神的にも肉体的にも深い傷を負ったカトリンの内縁の夫、エリス・コール役のジャック・ヒューストンの怪演も見逃せません。

戦争と映画の密接な関係

あたかも防空壕に駆け込むかのように、多くの人たちが公開初日を迎えた劇場を訪れている場面には心温まるものがあります。

娯楽が失われていく殺伐とした時代の中でも、スクリーンを通して観客たちに勇気を与えることが出来るはずです。

その一方では表現の自由が国家権力によって大幅に制限されてしまう、ほろ苦いエピソードも盛り込まれていました。

純粋に楽しむためのエンターテイメントが、戦争のプロパガンダとして利用されてしまうことも考えさせられます。

ありのままにダンケルクを再現しようとするカトリンやトムの思いとは裏腹に、出来上がりは余りにも現実からは程遠いです。

戦争を美化するための戦争映画ではなく、戦争の悲惨さを語り継ぐための作品が数多く作られていくことを願ってやみません。

爆撃とふたりの男性の間で揺れ動く

カトリンが戦前からお付き合いを続けているのが、前衛的なタッチの絵を描いている売れない画家のエリス・コールです。

プライドだけは人一倍高いエリスは近頃では創作活動にすっかり行き詰まってしまい、経済的にもカトリンに依存するようになっています。

イギリス国内の戦局が悪化するにつれて、カトリンとエリスの距離感も広がっていくところに注目して見てください。

そんな中で同じ目標に向かって切磋琢磨しているトム・バックリーの方に、カトリンの想いが移っていくのは仕方ありません。

シナリオを組み立てるのは得意でも、異性の気持ちはなかなか読むことが出来ないカトリンを応援したくなりました。

対極的なふたりの男性の命運を分けることになる、映画顔負けなほどのドラマチックな出来事も用意されています。

命を賭けた創作

退屈な事務仕事とうだつの上がらない恋人への鬱憤を晴らすかのように、カトリン・コールはタイプライターを叩いていきます。

爆撃機が轟音を響かせて飛び交う非日常の中でも、オフィスの粗末なテーブルに向かって黙々と執筆を続けていくカトリンの横顔に魅了されてしまいました。

新人脚本家としてステップアップしつつ、関係者へのインタビューも忘れないところは取材記者を思わせるものがあります。

情報省のお偉いさんがずらりと顔を揃えている会議の席でも、臆することなく優れたプレゼンをする姿も素敵です。

チームリーダーのトム・バックリーも、新入りの彼女を早くも脚本のパートナーとして認めるようになります。

映画が国をも動かしていく

カトリンとトムとで丁寧に練り上げたストーリーが、脚本へと仕上がっていく共同作業の過程が微笑ましかったです。

しかしながら実際に映画として一般に公開するためには、数多くの難解な課題をクリアしなければなりません。

イギリスで製作されている映画なのに、アメリカの配給会社から思わぬ横やりが入るシーンが印象的でした。

アメリカ人の俳優を積極的に起用することで、ヨーロッパ戦線への参戦に消極的なルーズベルト大統領にアピールする狙いがあります。

軍部からの監視の目や検閲も何かにつけてうるさい御時世なために、登場人物のセリフには細心の注意が必要です。

極限状況下でもカメラを止めない

ドイツ軍の空爆が続き眠れない夜、撮影スタジオの半壊、次から次へと戦地へ赴く仲間たち、長年尽くしてきたエリスの裏切り。

現実の世界でカトリンの目の間に山積みとなっている悩み事が、いつまで経っても完成することのない映画のようで焦れったいです。

ようやく役者が揃ったところでクランクインに漕ぎ着けながらも、主演俳優の余りの大根役者っぷりには笑わされます。

撮影現場で脚本の書き換えを要求されるという監督からの無茶振りにも、咄嗟の機転を利かせて乗りきるシーンが痛快でした。

映画の方は順調にクランクアップへと近づいていましたが、カトリンはトムから受けた告白に答えを出さなければなりません。

こんな人におすすめ

ひとつの映画がお客さんのもとに送り出されるまでには、数え切れないほどの裏方さんのチームワークが必要不可欠であることを感じました。

映画館で鑑賞される際には本編が終わっても直ぐには席を立つことなく、スタッフロールが流れきるまで余韻を味わって下さい。

主演女優の写真や監督名ばかりではなく、マイナーな役者さんの名前や聞いたことがないような役職名にも目を遣ってしまうはずです。

劇中で描かれているダンケルクの戦いに興味が湧いてきた方には、1964年のアンリ・ヴェルヌイユ監督の映画「ダンケルク」をお勧めします。

2017年にはクリストファー・ノーラン監督によって同名の映画が発表されていますので、合わせてご覧ください。

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