アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場|動画配信情報・感想・評価・解説

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
2015年製作/102分/イギリス 予告動画を検索
イギリス諜報機関に所属するキャサリン・パウエル大佐は、ロンドンでテロリスト撲滅作戦の指揮を執っていた。今回のターゲットが潜伏しているのは、ナイロビの隠れ家である。その時テロリストのアジト付近で少女がパンを売り始める。民間人を巻き添えにしてまでミサイルを発射するのか、キャサリンは重大な選択を迫られるのだった。

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キャスト・スタッフ

監督
脚本
原作
-
出演
音楽
製作

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」はギャヴィン・フッド監督によって、2017年の1月14日に劇場公開されています。

スラム街で荒んだ生活を送っていた若者が人間性を取り戻していく「ツォツィ」や、人気のアメコミキャラクターが勢揃いする「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」等。

社会派作からヒーローエンターテイメントまでを世に送り出している、1963年生まれで南アフリカ共和国生まれの脚本家・俳優がメガホンを取りました。

無人偵察機を駆使した最先端の戦場に、イギリス・アメリカ・アフリカと3つの大陸を行き来しながら迫っていく衝撃作です。

あらすじ

英国諜報機関に所属するキャサリン・パウエル大佐はアメリカ軍と緊密に連携を取りながら、テロリストせん滅作戦の指揮をロンドンで執っていました。

中継映像は偵察用のドローンから逐一送られてきて、指令部からはアメリカ軍基地とも連絡を取ることが出来るために現地に赴く必要はありません。

今回のターゲットはイギリス国籍のスーザン・ダンフォード容疑者で、彼女が潜伏しているのはナイロビの郊外の一角にある隠れ家です。

予想外の事態が起こったのはその時で、テロリストのアジトのすぐ側で地元の少女が手作りのパンを売り始めます。

罪のない民間人を巻き添えにしてまでミサイル発射命令を下すのか、キャサリンは重大な決断を迫られることになるのでした。

爆撃女王に扮する大女優

ヒロインのキャサリン・パウエルの役を務めているのは、1945年生まれでロンドン出身のベテラン女優ヘレン・ミレンです。

スティーヴン・フリアーズ監督の伝記映画「クイーン」ではエリザベス2世を、テレビシリーズの「愛と陰謀の王宮」ではエリザベス1世を。

まさに女王様の貫禄を漂わせた彼女は、今作のような冷徹な決断を下す司令官のイメージにもぴったり填まっていました。

監督のギャヴィン・フッドもエド・ウォルシュ中佐役で、カメオ出演をしていますので見逃さないでください。

キャサリンに対して的確な指示を与えていく、フランク・ベンソン中将をアラン・リックマンが演じていきます。

無数の勲章をぶら下げた軍服に厳めしい顔つきに似合わずに、勤務の合間を縫って娘のためにアナベル人形を買ってあげる心優しいお父さんです。

本作品がリックマンにとっては、「アリス・イン・ワンダーランド」に次いで最後の出演作となってしまったのが残念でなりません。

目まぐるしく移り変わる戦場

キャサリンがモニター越しに状況を確認しているのはロンドンの常設統合指令部で、敵からの攻撃の心配はありません。

ネバダ州のクリーチ空軍基地でドローンを操作している、スティーブ・ワッツ中尉も高みの見物といったところでしょうか。

それとは対照的に現地・ナイロビで偵察活動に当たっている工作員のジャマ・ファラは、常に死と隣り合わせです。

本部の指揮官、基地の操縦士、現場の工作員とそれぞれの視点から交互に映し出されていて臨場感を高めていきます。

遥か上空を飛び交うドローンからの空撮映像や、密かに敵陣に潜入した虫型ロボットからの生中継も効果的です。

突如としてドローンのバッテリーが切れて映像が遮断されてしまう、細かい演出にも焦らされることでしょう。

責任の不在を追及

「コブラ」の愛称で呼ばれている内閣府・作戦会議室Aには、法務長官や政務次官といった政治家たちが詰めかけています。

英国首相はフランスで演説中、外務大臣は外遊先のシンガポールで食物アレルギーを起こしていてまるで頼りになりません。

万が一対テロ作戦において民間人を巻き込んでしまった時の、責任の擦り合いを始めてしまう一幕が浅ましいです。

政務次官が部屋の中の唯一の軍人である中将に対して投げ掛ける、「あなたは安全な場所からやった」というセリフが全編を通して大きな意味をもってきます。

「テロとの戦い」を21世紀の初頭に掲げて中東諸国への爆撃を決行した、あのアメリカ大統領の顔を思い浮かべてしまうことでしょう。

当時の日本の総理大臣が自衛隊を派遣する事態に発展しながら、結局はお目当ての大量破壊兵器が見つからなかったのが今となってはほろ苦いです。

パソコンから世界を眺める

朝早くからパジャマ姿のままでノートパソコンのメールをチェックする、ぼんやりとしたキャサリン・パウエルの横顔から幕を開けていきます。

遠く離れたアフリカの内戦地域ソマリアで、罪もない学生や市民がテロ事件の犠牲になっている現状が痛切です。

独自の人脈と優れた判断力を活かして国境の向こうにいる被害者遺族への支援を瞬時にして取り付けるなど、言葉だけではないキャサリンの実行力には感心させられます。

その一方では欧米の価値観や考え方を盲目的に押し付けてしまう、危険性や傲慢さについても考えさせられました。

ロンドン・ノースウッドの指令室に向かう頃には、ミリタリールックに着替えていて表情も勇ましく変わっています。

過酷な日常に生きる少女

塀の外で銃を構えて警戒を続けている兵士を恐れることなく、手作りのフラフープを無邪気に回転させている少女・アリアが可愛いらしかったです。

蒸し暑い屋内でも肌を露出することなく厚いスカーフで髪を隠しているファッションには、イスラム社会の厳格な戒律を垣間見まえます。

女の子が元気よく外で元気に遊び回ったり、学校に通って勉強することに対して眉をひそめるお堅い父親もこの地方ならではでした。

アリアの母が粉から捏ね上げて石窯で焼いたパンが実に美味しそうで、これが悲劇の種になるとは夢にも思いません。

自らに待ち受けている過酷な運命を知ることなく、家計を助けるためパンを入れたかごを抱えて路地裏に消えていく後ろ姿が忘れ難いです。

ワンクリックで爆撃開始

ネバダのアメリカ軍基地で任務に就いているスティーブ・ワッツは、パッと見るとお気楽な今時の若者でした。

決して経済的に豊かな家庭で生まれ育った訳ではなく、学生ローンを返済するために4年間もの軍隊勤務に臨まなければならないという彼の個人的な事情に思いを巡らせてしまいます。

後輩のキャリー・ガーション上等航空兵に至っては年若い女性で、空軍に入隊してから1カ月程度しか経っていません。

ドローン・オペレーターとしての役割を背負ってコックピットに乗り込んだ後は、ただひたすらに攻撃命令を待っている間に世間話に興じるふたりです。

スイッチひとつを押すだけで人命が奪われてしまうという残酷な事実を、スティーブたちが理解しているのか疑問が涌いてきます。

こんな人におすすめ

大勢の人間の生命をテロから守るためには、ひとりの罪のない少女を犠牲に捧げてもいいのかという究極的なモラルを突き付けられるラストでした。

「事件は会議室で起きてるんじゃない」とは20年以上前の日本の刑事ドラマの名セリフですが、戦争が会議室で起きている現状に驚かされました。

2019年にはジュネーブでAI技術の戦争導入の禁止を世界各国に呼び掛けるための、国際条約会議が開催されています。

最後の最後にはコンピューターではなく、人間の理性的な判断によって平和が導かれていくことを願うばかりです。

いま現在IT関連の企業で働いている皆さんや、システムエンジニアの仕事に就いている方は是非ともご覧になって下さい。

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