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ニュースの真相
2015年製作/125分/オーストラリア・アメリカ合作 予告動画を検索

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「ニュースの真相」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「ニュースの真相」は2016年の8月5日に、ジェームズ・ヴァンダービルト監督によって劇場公開されています。

メアリー・メイプスによって2016年7月30日にキノブックスから刊行されている、ノンフィクション書籍「大統領の疑惑」が映像化されました。

パナマの密林での奪還作戦が迫力満点な「閉ざされた森」や、人気のアメコミヒーローを一新させた「アメイジング・スパイダーマン」等。

ミリタリーアクションからヒーローエンターテイメントまでのシナリオを執筆する、1975年生まれでニューヨーク出身の脚本家が監督デビューを果たしています。

クランクインは2014年の10月でシドニーでの主要撮影を皮切りにして、全米各地での現地ロケが敢行されました。

大統領選を巡る一大スクープから端を発した、大手メディアの誤報騒動の顛末を追っていく社会派ドラマです。

あらすじ

再選を目指しているジョージ・W・ブッシュでしたが、2004年時点での世論調査では国民の49パーセントが反対という厳しい見通しになっています。

きっかけになったのはアメリカの3大ネットワークのひとつCBSで絶大な人気を誇る、「60ミニッツⅡ」で取り沙汰されたある疑惑です。

1960年代のベトナム戦争当時に空軍に所属していたブッシュでしたが、1年にも及ぶ無許可離隊のせいで軍務実績は全くありません。

その経歴詐称の決定的な証拠となる「キリアン文書」を、プロデューサーのメアリー・メイプスは手に入れました。

全米を駆け巡ったメアリーたちの報道は一大センセーショナルを巻き起こしていきますが、キリアン文書の信憑性が俄に揺らいでいきます。

ライバル局や新聞社各紙ばかりではなくCBS内部からも疑問視する声が上がる中で、メアリーは窮地に立たされていくのでした。

権力への挑戦を熱演

恐れることなくただひたすらに真実を追い求めていくヒロイン、メアリー・メイプスの役をケイト・ブランシェットが演じていきます。

映画冒頭でのエネルギッシュな出で立ちと、後半パートでの深い苦悩に包まれた表情とを見比べてみてください。

実在するニュースキャスターのレジェンド、ダン・ラザーを熱演しているのは、ロバート・レッドフォードです。

実父からは愛を得ることが出来なかったメアリーにとっては、精神的な父のような頼れる存在なのかもしれません。

放送を締めくくる時に画面の向こうにいる視聴者に静かに訴えかけるような決めゼリフ、「勇気を」も格好よかったです。

カリスマ性溢れるふたりの下に集まってくるマイク・スミス役のトファー・グレイスや、ルーシー・スコット役を務めるエリザベス・モスなど若手俳優たちも顔を揃えています。

家庭ではひとりの母であり娘であり

多忙な職務の合間を縫って、メアリーがバックから編み棒と毛糸を取り出して何かを作っているのが気になります。

完成するまでにやたらと手間と時間をかけた意外な作品と、果たして誰が受け取ったのかを見届けてください。

勤務時間中ではありとあらゆる取材対象者にマイクを向けているメアリーでしたが、家庭ではまるっきり真逆でした。

息子のロビーからホームビデオを向けられながら、逆にインタビューをされてしまう場面が微笑ましかったです。

過密スケジュールが続く中でも理解のある夫との、ささやかな団欒が何よりもの安らぎの時間になっていました。

暴力的な性格の父親に反抗するかのように、ニュースの世界へと飛び込んでいった若き日のエピソードが興味深いです。

前回のアル・ゴアとブッシュとの大統領選の勝敗が、メアリーの母親の不幸と思わぬ形でリンクしているのも運命的でした。

時代と共に移り変わるメディアの在り方

時のホワイトハウスを揺るがすほどの、アメリカの報道メディアの影響力の大きさを垣間見ることが出来ます。

過激な動画や残酷な写真でさえ巧みに修正を加えて、ゴールデンタイムでの生放送を敢行してしまうほど大胆不敵でした。

リベラルな政治的立場をとる人たちが、昔ながらの保守主義と真っ向からぶつかり合って遠慮なく議論を繰り広げていくのもこの国ならではです。

日に日に畏縮傾向が強まっていき表現の不自由が漂い始めている、日本の報道現場と比べてしまうことでしょう。

大手のテレビ局が次々と海外支局の閉鎖に踏み切り、報道よりも娯楽性を重視している危機的な状況も伝わってきました。

爆発的なインターネットの普及によって、若い世代が新聞を読まなくなっているのは何処の国でも同じですね。

彼女の手腕が問われる

元軍人でいま現在ではペンタゴンに出入りできるR・チャールズ中佐、大学生にジャーナリズムを講義するルーシー教授、ウェブ雑誌で遊軍記者として雇われているマイク・スミス。

さまざまな分野からの協力者を瞬時にして取り付けてしまう、メアリーの独自のネットワークに圧倒されました。

文書鑑定のスペシャリストにまで証拠書類を提出して、鑑定を依頼するほどの執念深さは刑事にも負けてはいません。

個性豊かなメンバーたちのそれぞれの力を上手く引き出してあげで、適材適所に配置するのがメアリーの役割です。

番組製作現場の責任者というよりも、映画や音楽といった芸術的なプロデューサーのように思えてしまいました。

スクラムを組む報道陣

如何なる政治的な圧力や出どころ不明の脅し文句にも屈することなく、仲間たちを「最高のチーム」と呼んで立ち向かっていくメアリーが勇ましいです。

かつては政界の大物として君臨していたベン・バーンズでさえ、「美しき追及者」と恐れているほどでした。

汚職事件やあからさまな依怙贔屓が横行している、アメリカの政界への痛烈なメッセージも込められています。

そんな追及する側であるはずのメアリーたちの立場を一気に逆転させてらしまうことになる、予想外の落とし穴がビックリです。

最後まで戦ったふたり

巨大な組織の不条理に押し潰されていき、精神的にも肉体的にも疲れ果てたメアリーの様子が痛々しく映ります。

遂には仕事に対しても家族との関係性にも自暴自棄になっていき、アルコールや薬物に逃げてしまう始末です。

トカゲのしっぽ切りや責任転嫁に明け暮れている、テレビ局のお偉いさんたちの節操のなさにも呆れてしまいました。

それとは対照的にメアリーと運命を共にすることを選んだ、盟友ダンが悩み抜いた末にくだした決断には胸を打たれます。

「質問しなくなったらこの国は終わりだ」という彼のセリフには、疑うことが信じることの始まりであることを痛感させられました。

こんな人におすすめ

多くのアメリカ国民が知るべきことを伝えようとしながらも、番組の打ち切りを経て退社へと追い込まれていったメアリーたちがほろ苦いです。

終始一貫してだんまりを決め込んだブッシュが全く咎め立て無しで、再び4年間もの国の舵取りを任されてしまう結末にも憤りを覚えます。

最後の最後まで自分たちの信念を貫き通して、報道者としての誇りを捨てなかったことがせめても慰めでしょうか。

綿密な裏付け取材の大切さや情報源の秘匿を始めとする、タイムリーな話題についても考えさせられるストーリーでした。

報道関係の仕事に就くことを考えている学生さんやジャーナリストへの憧れがある方は、是非ともご覧下さい。

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