ワールド・オブ・ライズ|動画配信情報・感想・評価・解説

ワールド・オブ・ライズ
2008年製作/129分/アメリカ 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
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原作
出演
音楽
製作

「ワールド・オブ・ライズ」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「ワールド・オブ・ライズ」はリドリー・スコット監督によって、2008年の12月20日に劇場公開されています。

デヴィッド・イグネイシャスによって2007年4月16日にWWノートン社から出版されている、「BODY OF LIES」を映像化したものです。

SFアドベンチャーからハードボイルドまで数々のヒットを世に送り出してきた、1937年生まれでイギリス・サウス・シールズ出身の大御所がメガホンを取りました。

ドバイ当局から撮影許可が下りなかったために、モロッコの現地ロケとアメリカでのスタジオ撮影に切り替えています。

現地中東のヨルダンを舞台にCIA捜査官、彼の上司、現地の情報局員とそれぞれの思惑が交錯していくサスペンスドラマです。

あらすじ

CIAの腕利きエージェント・ロジャー・フェリスは、テロリスト討伐計画の一環としてアル・サリームの行方を追跡していました。

幾多のミッション遂行のために世界各国を飛び回っていて、自分自身の生命でさえ危険に晒されたことも数知れません。

常に安全な場所から一方的に指示を出しては高みの見物を決め込んでいる、上司のエド・ホフマンとは事あるごとに衝突を繰り返しています。

アル・サリームが潜伏しているヨルダンでの捜査を敢行するには、情報局の大物ハニ・サラームとの連携が必要不可欠です。

ハニとの間に築き上げていく信頼関係や入院中に知り合ったひとりの看護師への思いから、フェリスは次第に心変わりをしていきます。

任務と個人的な感情の狭間で激しく揺れ動いていくフェリスは、遂には重大な選択を迫られることになるのでした。

豪華な騙し合い

真実を手に入れるために奔走していく主人公ロジャー・フェリスを、レオナルド・ディカプリオが熱演していきます。

徹底的な現場至上主義を貫き通していき、時には上層部の命令や組織のシステムに冴え抗う生きざまは感動的です。

フェリスとは対極的な存在にしてCIAの得たいの知れなさを実体化したかのような、エド・ホフマンにラッセル・クロウが扮していました。

「グラディエーター」では古代ローマ帝国の皇帝に反旗を翻す将軍、「アメリカン・ギャングスター」では麻薬王に挑む敏腕刑事。

過去のリドリー・スコット作品でも変幻自在の演技力を披露していて、今作でも20キロのウェイトアップで冷血な上官を怪演しています。

ハニ・サラーム役を務めるマーク・ストロングや、バッサーム役のオスカー・アイザックなど脇を固める俳優陣も豪華です。

緑と赤に分ける壁

中東諸国の至るところに広がっている、「グリーン・ゾーン」と呼ばれているアメリカ軍管理区域が映し出されていました。

大使館や検問所などには兵士たちによって厳重な警備態勢が引かれていて物々しいですが、カフェやバザールもあって異国情緒もたっぷりです。

情報提供者にとってはグリーン・ゾーンに一歩でも足を踏み入れることが出来るか否かで、生存確率が大きく異なります。

周辺には「レッド・ゾーン」と名付けられた危険地帯があり、何かにつけてグリーン・ゾーンとの衝突が絶えません。

両者の間を隔てている有刺鉄線が巻き付けられた高いコンクリートの壁からは、アメリカとメキシコとの国境沿いで建設予定の壁を彷彿とさせます。

自分たちと異なる価値観や文化を受け入れることなく他者との間にいつの間にか「壁」を築いてしまう、傲慢さについて考えさせられるはずです。

知られざるテロリストの実態を告発

動画サイトを使って犯行予告をしたり捕虜殺害の模様をネットで生中継したりと、時代とともに移り変わっていくイメージが強いのがテロリストです。

意外にもパソコンのメールや携帯電話を始めとするハイテク器機を使わずに、昔ながらの暗号文で情報を遣り取りしていきます。

秘密を知りすぎた構成員が「殉教」という名目で自爆テロを強要されたり、最前線へと送られていく過酷な現状が伝わってきました。

テロ組織の中にも裕福な家庭に生まれ育って高い教育を受け、心の奥底からは非情に成りきることが出来ないニザールのような青年もいます。

武力による弾圧ではなく迷える若者たちに救いの手を差し伸べることこそが、本当の意味での「テロとの戦い」なのかもしれません。

革命の地で起きた悲劇

ビデオカメラに向かって欧米社会への痛烈なメッセージを吹き込む、ターバン姿の男性のアップから物語は幕を開けていきます。

直後に大規模な自爆テロのターゲットとなった地点は、イングランド北西部の商工業都市・マンチェスターです。

綿工業で栄えたこの街にも現在ではモダンなアパートが建ち並んでいて、行き交う人たちは携帯電話を片手に慌ただしくかつての面影はありません。

更には1760年代まで遡ると産業革命発祥の地としても有名ですが、アジア系移民の居住エリアが設けられているのが意外でした。

この英国で発生したテロ事件の速報がアメリカ国内へと届くことによって、多くの勢力や人物を巻き込んだ頭脳戦へと発展していきます。

テロに立ち向かう正反対なふたり

バージニア州ラングレーの周囲を緑豊かな森林に囲まれた敷地内に、CIA本部の巨大な建物が聳え立っています。

モニター画面の前で高級そうなスーツを身に纏って椅子にふんぞり返っているのが、エリート幹部のエド・ホフマンです。

モニターが捉えている現地工作員のロジャー・フェリスは付け髭と民族衣装で変装をして、イスラム教徒にしか見えません。

異国の街角や路地裏を地道に走り回りながら協力者を得て、砂漠の果てにある敵のアジトへと斬り込んでいく姿は昭和の熱血刑事のようでした。

負傷したフェリスを救助しに来たヘリコプターの乗組員が無線に向かって叫ぶ、「資料確保」というセリフがビックリです。

命をかけて戦っている仲間を「資料」扱いする冷淡さが、安全な場所から出てくることのないホフマンの姿に重なり合います。

傷を癒すヴェールの下の彼女

終わらない戦いの中で肉体的にも精神的にも疲れ果てていたフェリスが出会ったのが、ヨルダンの首都・アンマンで働く看護師のアイシャでした。

多忙な勤務時間中はブルーの衛生手袋と白衣を着ていて、プライベートでもイスラム教徒らしくスカーフを羽織って肌を露にしません。

自国の女性たちには持っていない不思議な魅力を、厚いヴェールに覆われた彼女に感じてしまうのも当然です。

諜報員としてのこれまでの実績と約束された将来のキャリアを取るのか、全てを捨て去ってアイシャとふたりだけで生きていくのか。

究極的な二者択一を突き付けられたフェリスが悩み抜いた末に、導き出したはとつの答えには胸を打たれます。

こんな人におすすめ

縁もゆかりもない中東の市街地の片隅で、愛するアイシャと静かに生きることを誓ったフェリスの決断が感動的です。

遥か上空から衛星中継を通して監視を続けている、ホフマンの不気味さはクライマックスにおいても健在でした。

勤め先の会社に不満を抱いている皆さんや、いま現在の上司といまいち反りが合わない方にはお勧めの作品です。

原作の小説は日本でも有沢善樹によって翻訳されていて、2008年の11月7日に小学館文庫から刊行されています。

物語としての面白さばかりではなく、著者のジャーナリストとしての人間性にも触れることが出来る1冊ですので読んでみて下さい。

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