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jam
2018年製作/102分/日本 予告動画を検索

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「jam」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「jam」はSABU監督によって制作されて、2018年の12月1日に劇場公開されているヒューマンドラマです。

台湾マフィアの青年が逃亡先の日本で人間性を取り戻していく「Mr. LONG/ミスター・ロン」や、24歳年下の叔母さんとの共同生活を描いた「うさぎドロップ」等。

ハードボイルドな作風からほのぼのとしたタッチまでを手掛けている、1964年生まれで和歌山市出身の映画作家が長編第18弾を発表しています。

エグゼクティブプロデューサーを務めているのはEXILEのHIROで、同劇団からも人気のパフォーマーたちが集結しました。

第31回の東京国際映画祭では特別招待作品としてプレミアム上映されていて、国内外から高い評価と話題を集めています。

若手演歌歌手、瀕死のパートナーを抱えた青年、刑務所帰りの無鉄砲男、3人の思惑が絡み合っていく群像劇です。

あらすじ

横山田ヒロシは演歌歌手として細々と活動を続けていましたが、年配の女性たちからは絶大な指示を集めていました。

ある日のファンとの集いに出席していたのは向井昌子という女性ですが、彼女が持ち込んできた手作りスープを飲んだ途端にヒロシは体調の急変に襲われます。

たまたま通りかかったのは西野タケルで、ヒロシを自動車で昌子の自宅にまで送り届けた後に向かう先は彼女が入院している病院です。

タケルたちの車が立ち去った後に、認知症を患った祖母を車椅子に乗せて散歩させる川崎テツオがやって来ます。

無実の罪を着せられて服役していたテツオは、自らを陥れた反社会的勢力の事務所への殴り込みを敢行するつもりです。

ヒロシ、タケル、テツオの3人の日常生活が少しずつ交錯していくにつれて、それぞれの人生にも大きな転機が訪れるのでした。

それぞれの持ち味を発揮

歌手としても伸び悩んでいてプライベートでもいまいちパッとしない、主人公・ヒロシの役を演じているのは青柳翔です。

21歳の時に自信満々で受けたEXILEのボーカルオーディションに落選してしまったという、自身のプロフィールにも重なるものがありますね。

ヒロシへの思い入れが強すぎる余りに一線を越えてしまう、向井昌子の役をベテラン女優の筒井真理子が怪演していました。

ロブ・ライナー監督作「ミザリー」のアニー・ウィルクス役で名を馳せた、キャシー・ベイツを思い出してしまうかもしれません。

「善いこと貯金」に大真面目に取り組んでいる西野タケルに扮している、町田啓太もコミカルな三枚目役に填まっています。

相手が如何なる強敵あろうと恐れを知らずに立ち向かっていく、川崎テツオ役を熱演しているのは鈴木伸之です。

同期の町田との息の合ったコンビネーションと、好青年のイメージをひっくり返してしまうほどの大立ち回りは必見ですよ。

三者三様の生きざま

熱狂的なファンに拉致されてしまったアイドル歌手、眠り続ける恋人の目覚めを待つ青年、復讐に燃える無頼漢。

コメディーからファンタジーに任侠ものと、目まぐるしく変わっていく3通りの語り口を楽しむことが出来るでしょう。

一見すると無関係にも思えていた3人の間に、物語が進行していくにつれて不思議な繋がりが生じていて面白いです。

同じシーンでも視点を変えて眺めてみると、隠れていた側面が浮かび上がっているので見逃さないように気をつけて下さい。

各々のバックグラウンドも少しずつ掘り下げられていきますので、すんなりと作品の世界観に入っていき感情移入できます。

前半と中盤以降ではすっかりキャラクターが変わってしまう人もいて、大きく期待を裏切られるかもしれません。

昔堅気の商店街に息づくもの

3人が偶然にもめぐり逢うきっかけになった場所に選ばれたのが、ノスタルジックな商店街だったのが何とも意味深でした。

具合が悪くなって迷いこんできた余所者のヒロシに対しても、個人経営の店主や買い物客が声をかけてくれます。

犯罪グループからから執拗な追い込みをかけられていたテツオにとっては、入り組んだ路地も多くて隠れ家には持ってこいです。

やたらとシャッターが閉まっている店が多いのは、隣接地に建設されたというショッピングセンターの影響があるのでしょうか。

アーケードの下に残った昔からの住民たちにとっては、まだまだなくてはならない地域コミュニティの役割を果たしていました。

人と人との繋がりが薄れていお互いが無関心になっていく一方な今の時代に、破天荒ながらも根は優しい3人にとっては束の間の休息を与えて貰えるでしょう。

ファンとの距離を大事に

公演終わりの疲れを物ともせずにファンクラブの会合に顔を出して、ひとりひとりと言葉をかわす横山田ヒロシには好感が持てました。

子育てがひと段落ついたばかりでお金と時間をもて甘し気味な有閑マダムたちが、虜になってしまうのも致し方ありません。

客席からペンライトをぎこちなく振りながら「ヒロシ!」と叫ぶ場面は、現実の世界のアイドル演歌歌手を彷彿とさせるはずです。

座談会では過剰な自意識をぶつけ合う女性たちを、言葉巧みにリードしてその場を平和的に収束させてしまう手腕にも感心させられます。

独り暮らしで食生活と栄養バランスが乱れがちなヒロシのために、楽屋で差し入れされた1杯のスープが美味しそうです。

この健康的で実に彩り豊かなスープの奥底に、並々ならぬ悪意と危険な罠が潜んでいようとは夢にも思いませんでした。

信じるために善き石を積む

毎日のように病院へお見舞いに通って、意識の戻らない彼女への祈りを捧げ続けている西野タケルが健気です。

たまたま現場に居合わせた銀行で強盗事件の巻き添えとなったという、ある日突然に彼女に振りかかった悲劇が痛切でした。

ただただ一日一善をライフワークとする修行僧のようなストイックな表情と、愚直で不器用な生きざまには胸を打たれます。

全編を通して会話の中に登場する「因果応報」が大きなキーワードとなっていますが、必ずしも悪人が滅びて善人が報われる訳ではありません。

理不尽な暴力がまかり通る世知辛い世の中においても、自暴自棄に陥ることなくタケルのように人の優しさを信じたくなりました。

武骨ながらも心優しい孫

拳銃を乱射することもなく刃物を振り回すこともなく、ターゲットをハンマーひとつで狙い打ちする川崎テツオは昭和の渡世人のようでした。

過去の復讐を遂げるためには手段を選ばないテツオですが、同じ話を延々と繰り返す祖母に付き合うなど意外なほど面倒見が良いです。

出所早々に昔の悪い友だちに囲まれて手荒いお出迎えを受けた時にも、車椅子だけは決して離すことはありません。

池の底へとスローモーションで落下していく古びた車椅子と、死んだはずのテツオの祖父との再会も幻想的でした。

こんな人におすすめ

地元の市民ホールでヒロシの念願だった単独ショーが開催されることによって、物語もいよいよ大詰めを迎えます。

館内に響き渡った1発の銃声を合図にして、登場人物たちの命運が大きく別れていくクライマックスが圧巻です。

暴走を続けていた昌子の目をたった一瞬で覚ますことになる、ヒロシからの思わぬサプライズにはホロリとさせられました。

チケットの予約が困難なことでも有名な劇団EXILEの人気メンバーが総出演していますので、コンサートツアーや演劇鑑賞がお好きな皆さまは是非みて下さい。

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