美しい星|動画配信情報・感想・評価・解説

美しい星
2017年製作/127分/日本 予告動画を検索

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音楽
-
製作

「美しい星」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「美しい星」は2017年の5月26日に劇場公開されている、吉田大八監督によるSFアドベンチャーになります。

三島由紀夫によって新潮社から1962年の10月20日に発行された小説を、21世紀の世相を取り入れて新たな着眼点から映像化したものです。

全370ページに及ぶ長編小説が、吉田監督と助監督の甲斐聖太郎の共同執筆によって127分のオリジナルシナリオに纏まりました。

過疎化著しい海辺の町で国家による極秘プロジェクトが進行していく「羊の木」や、バレー部の人気者の失踪に無関係な生徒たちまで影響を及ぼしていく「桐島、部活やめるってよ」等。

ミステリードラマから青春ドラマストーリーまでを幅広く手掛けている、1963年生まれで鹿児島県出身の映画作家がメガホンを取っています。

仕事にも家族との関係性にも投げ遣りな人生を送っていたお天気キャスターが、ある日突然に宇宙からのメッセージに目覚めていく異色作です。

あらすじ

大杉重一郎は当たらない気象予報士として有名で、テレビのニュース番組でお天気コーナーを担当しています。

妻の伊余子とは倦怠期に突入していて大学生になった娘の暁子とも会話はなく、息子の一雄はアルバイトに明け暮れているばかりです。

重一郎自身は収録現場で仕事を通じて知り合いになったアシスタント気象予報士、中井玲奈と不適切な関係を惰性で続けていました。

いつものようにホテルで夜遅くに玲奈と密会した後で、彼女を自宅まで送り届けるために雨の中を車を走らせています。

突如として眩い光に包まれたと思ったら、車は田んぼのど真ん中に突っ込んでいて助手席の玲奈の姿はありません。

その日を境にして人が変わったかのように精力的になった重一郎は、妻子を巻き込んだ壮大な計画を実行するのでした。

世代を超えてスターが集結

自堕落な日々を過ごしている主人公の大杉重一郎には、リリー・フランキーのイメージがぴったりと填まっていました。

冒頭では高級レストランでのお誕生日パーティーをマイペースな息子にすっぽかされそうになったりと、家長としての威厳はありません。

若い女性アシスタントとの不倫に溺れたりと何とも情けないお父さんですが、中盤以降の豹変ぶりには鬼気迫るものがあります。

モラトリアム気味な長男の一雄には亀梨和也がキャスティングされていて、メッセンジャーのユニフォーム姿は必見です。

物静かでキャンパス内でも孤高を貫き通している、ミステリアスな女子大学生の暁子役を橋本愛が演じていました。

てんで好き勝手に振る舞う夫や子供たちから取り残されていき、独り家の中で鬱屈としている伊余子に中島朋子が扮しています。

バラバラだった家族がひとつになっていく過程を、幅広い世代の実力派俳優たちの共演によって表現されていて見応え抜群です。

今の時代が反映された世界観

原作が発表された当時はアメリカとソ連による東西冷戦が深刻化していて、核戦争の危機を正に迎えていました。

映画版では地球温暖化や異常気象に代表されるような、環境破壊やエネルギー問題が全面に押し出されていきます。

主人公の設定が資産家の無職からテレビに出演する気象予報士に変更されているのも、それほど違和感はありません。

むしろ1960年代前半の緊迫した世界情勢と、いま現在の混迷を深める国際社会の流れに不思議な共通点を感じるはずです。

はるか彼方の宇宙からの未知の侵略者よりも、近隣諸国からの脅威に怯えている息苦しさについても思いを巡らせてしまいます。

大杉一家4人が繰り広げていく突拍子もない行動を笑っているうちに、言い知れない不安感に襲われてしまうかもしれません。

惑星と水が繋ぐ家族と物語

随所に然り気無く散りばめられている星のイメージが、終盤での予測不可能で壮大な展開へと繋がっていきます。

映画序盤で大杉一雄が恋人と一緒にデートへと向かう先は、都会の喧騒を忘れることが出来るプラネタリウムです。

彼女とのお付き合いは上手くいきませんが、場内のスクリーンからは「水星」のパワーを貰うことが出来ました。

嫌みな司会者にウンザリしながら天気予報の仕事をしていた父・重一郎は、「火星」で水が発見されたというニュースを聞いた瞬間に涙が止まりません。

キャンパスライフに物足りなさを覚えていた暁子は、通りすがりのストリートミュージシャンが自主製作したCDを購入して収録曲「金星」を聴きます。

家で皆の帰りを待ち続けるのに飽き飽きしていた伊余子が、次第にのめり込んでいくのは「美しい水」の会員商法です。

3つの太陽系の惑星に生命の源である地球の水が交わる時に発生する、小さな奇跡には心を揺さぶられることでしょう。

外れっぱなしな父と息子に大当たり

オープニングショットの大杉重一郎の誕生会は浮気相手からの電話と一雄の遅刻、更にはケーキが運ばれてくるタイミングまでまるで噛み合いません。

人気番組「ニュースエクスプレス」で受け持っている天気予報も、当たり外ればかりが取沙汰されていて笑わされます。

仕事でもプライベートでも行き詰まり始めていた重一郎の運命が、たったひと晩で一変してしまうのがドラマチックです。

父親が遭遇した超常現象と呼応するかのように、一雄が漕いでいた自転車が黒塗りの高級車と接触事故を起こします。

偶然にも大物政治家が乗っていたことによって、万年フリーター生活から秘書へと華麗に転身していまうのが痛快です。

表面上の美から内面の美へ

講義の時からランチタイムに帰宅までと、いつも独りでいる暁子ですが孤独を受け流すような涼しげな表情が素敵です。

元来の恵まれたスタイルとルックスのせいか、教授のゼミ勧誘からミスコンの出場依頼までが次から次へと舞い込んできます。

彼女の外見上の美しさばかりに気を取られている大学の男たちとは対照的なのが、流しの路上ライブで知り合った竹宮薫です。

竹宮のどこかノスタルジックな響きのある歌声と、歌詞の中に込められている鋭いメッセージには胸を打たれます。

今の時代に多くの人たちが物事を見た目でしか捉えていない、浅はかな風潮について考えさせられる出会いでした。

4人の心をひとつに北へ

重一郎にはキャスター降板の危機が訪れて、暁子は原因不明の妊娠に悩まされて、伊余子はねずみ講詐欺の片棒を担がされて。

大杉家にひっきりなしに降りかかってくる災難が、お互いの血の繋がりを強固なものへと変えていく様子が感動的です。

選挙事務所に出入りしていた一雄が、日本政府を陰から操る秘密な存在へとたどり着いていく一幕にも手に汗握りました。

久しぶりに家族として向き合うことが出来た4人が、未曾有の大震災に襲われたあの地へと向かうラストが圧巻です。

こんな人におすすめ

世界規模での環境保護を訴えながら、クライマックスでは原発問題についても言及されていて驚かされました。

次の世代に少しでも美しい地球を残さなければならない、今を生きている全ての人間の使命感を掻き立てられます。

慌ただしく過ぎていく毎日の繰り返しの中でも、たまには立ち止まって夜空の星でも見上げてみたくなるはずです。

本格的な天体観測がお好きな方たちや、プラネタリウムに足を運ぶ機会が多くある皆さんは是非ともご覧になって下さい。

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