インフェクション 感染|動画配信情報・感想・評価・解説

インフェクション 感染
2014年製作/98分/アメリカ 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

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原作
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出演
音楽
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製作

「インフェクション 感染」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「インフェクション 感染」はブライアン・ホリウチ監督によって、2015年の1月6日に劇場公開されています。

「Circle of Eight」や「America So Beautiful」等、ホラーから社会派ドラマまでを手掛けている新進気鋭の映画作家による長編デビュー作です。

脚本家としても精力的に創作活動を続けてきたホリウチ監督が、が98分の完全オリジナルシナリオを書き下ろしました。

2012年12月12日クランクインを迎えて、ミシガン州デトロイトでの2週間の現地ロケを敢行して完成に漕ぎ着けています。

香港国際映画祭でのワールドプレミアム上映の後に、日本でもファインフィルムズの配給によって単館上映されました。

未知のウイルスのパンデミックによって崩壊しつつある世界の中で、3組のカップルの行く末を追ったSFアドベンチャーです。

あらすじ

中東地域の紛争によって新型の生物科学兵器が使用されて、世界各地へのウイルス感染の広がりが止まりません。

アメリカ在住で小説家志望のレンと、レンの妻であり弁護士として活躍しているミアの夫婦は倦怠期を迎えていました。

ミアの顧客には生物兵器の開発に加担したアンディ・サックスがいて、自らの罪を認めて余命いくばくもない妻のエスターと余生を送る覚悟です。

アンディとエスターの孫に当たるエリックが恋人のアナと一緒に訪ねてきて、指輪を見せながら婚約報告をします。

地下シェルターに避難したレンとミア、エスターを病院に連れていくアンディ、相も変わらずふたりだけの濃密な時間を過ごすエリックとアナ。

人類全滅のカウントダウンが開始される中で、それぞれが愛する人と共に最期の瞬間を迎える決意をするのでした。

それぞれの終わりを迫真の演技で表現

全人類がこれまでの歴史の中で積み重ねてきた罪をたったひとりで背負っているかのようなアンディ・サックス役の、フランク・ランジェラが円熟味あふれる名演を見せています。

長年連れ添ったアンディの妻・エスター役のジーナ・ローランズも、代表作「こわれゆく女」を彷彿とさせるかのような佇まいです。

ベテラン勢が人類の黄昏を体現しているのに対して、フレッシュな役者たちの抗うような力演も見応えがあります。

アンディの孫息子・エリック役を演じているのは、1986年生まれでメリーランド州出身のベン・バッジリーです。

アンディのパートナーにして物語を締めくくる重要や役割を担っている、アナ役のテリーサ・パーマーも魅力的な女優さんですね。

自身にとってのハリウッドデビュー作となった清水崇監督作、「呪怨 パンデミック」と不思議な縁がありますので見比べてみて下さい。

静かで自分らしい幕引きを

世界最後の危機をテーマにしながらも、暴徒化する市民や無法地帯と化した市街地などのパニックシーンはありません。

あくまでも3組のカップルに寄り添うような淡々とした目線から、ユーモラスな描写を交えて映し出されていきます。

極限状況下でも愛する人の側にいることが出来る素晴らしさと、ありふれた日常の貴重さを噛み締めてみて下さい。

常日頃からもしもの時に備えるための、エンディングノートや終活の大切さについても考えさせられるでしょう。

誰しもが死すべき運命からは逃れることは出来ないとしても、自分らしい最期を迎えることだけは可能なはずです。

広がる危険エリアに迫りくるタイムリミット

本作品の原題は「PARTS PER BILLION」で直訳すると「10億分の1」となりますが、空気中に占める汚染物質の割合を示す単位として使用されています。

劇中では緊急事態管理庁の見解としてこの数値が逐一発表されていき、汚染濃度が80ppbを越えた場合は最低8日間は地下のシェルターから出ることは出来ないために緊迫感が高まっていきます。

核戦争勃発後の世界のようでもあり、原発事故によって立ち入りが制限されている地域にも繋がるものがありました。

時系列に進行していく3つの物語と共に、少しずつ拡大していく感染エリアと上昇していくppbの数値にも注目して下さい。

恋人たちのレクイエム

中東の戦闘地域の深刻な現状を報じるニュース映像を、ノートパソコン越しに眺めるアンの顔面アップがオープニングを飾ります。

遠い場所で発生している危機的な状況よりも、自分の左手の薬指に填められたエンゲージリングの方が気になって仕方ありません。

今の時代に多くの人たちの間に蔓延している、無気力や無関心の危険性について痛感させられるワンシーンです。

アンの傍らには婚約者のエリックがのんびりとアコースティックギターを弾いていて、こちらも我関せずといった様子でした。

エリックが愛用しているギターピックの表面に、アナの驚きの表情が焼き付く一瞬には幻想的な味わいがあります。

ふたりが生きた証とお互いへの愛を刻みつけるかのように、曲作りに没頭する姿には鬼気迫るものがありました。

破綻寸前の夫婦が壊滅的な世界の片隅で

弁護士として着実にキャリアを積んできた、ミアの自信に満ちあふれた立ち振舞いが凛として美しかったです。

妻の夢をサポートするために時間とお金を惜しまない夫のレンでしたが、肝心の自身の小説の執筆の方は一向に捗っていません。

挙げ句の果てにはミアの職場の同僚・ジェイに、嫉妬心を剥き出しにしてしまう迷走ぶりには呆れてしまいます。

社会的な成功者として冴えない夫に見切りをつけたいのはやまやまですが、個人的には未練がましいミアもじれったいです。

夫婦としての将来的な展望を先送りにしてきたふたりが、初めてお互いと真剣に向き合うのが人類絶命の時だったのが何とも皮肉でした。

死にゆく妻の背を押しつつ次の命を伝える

間も無く死を迎えようとする妻のエスターの車椅子を押しながら、自らは酸素吸入器を装着してさ迷い歩くアンディが痛々しいです。

科学者としての優秀な頭脳を軍事産業に注ぎ込んでしまった悔恨が、いま現在の壊れゆく世界に重なり合っています。

非人道的なウイルス兵器の開発に携わっただけではなく、医療の分野でもアンディが多大なる功績を残したのは厳然たる事実です。

研究の結果として病弱だったアンディとエスターの娘・ライザの延命に繋がり、更には孫・エリックの誕生にも結びつきました。

罪悪感に苛まれ続けていたアンディの心が、エスターのたったひと言で解き放たれていく場面には心温まるものがあります。

こんな人におすすめ

アンディとエスターは薄れゆく意識の中で若き日の思い出に浸って、ミアとレンは閉じ籠っていた地下のシェルターを飛び出して、エスターとアナは新しい生命を授かって。

いつの間にか行方が分からなくなっていたふたりの婚約指輪も、予想外の場所でパズルのピースを埋め合わすかのように発見されます。

バラバラに見えていた3組の運命がひとつに収斂していくクライマックスからは、絶望の中に僅かな希望が垣間見えました。

近未来を予測したSF映画としてのダイナミックな世界観とともに、ごく些細な恋愛や人間模様を描いたドラマの面白さも味わうことが出来ます。

家族や恋人を始めとする、大切な人との間に距離感を覚えている皆さんは是非ともこの1本をご覧になってください。

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