サリュート7|動画配信情報・感想・評価・解説

サリュート7
2016年製作/118分/ロシア 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

監督
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原作
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出演
音楽
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製作

「サリュート7」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「サリュート7」は2018年の1月23日に劇場公開されている、クリム・シペンコ監督によるるSFアドベンチャーです。

「私は誰?」や「Love Does Not Love」などメガホンを取ったのは、探偵ものからロマンチックコメディまでを手掛けている映画作家です。

1985年発生のサリュート7号救出作戦に纏わる実話からインスパイアされていて、シペンコ監督が118分のオリジナルシナリオに纏め上げました。

ヒューマントラストシネマ渋谷の特別企画、「未体験ゾーンの映画たち 2018」の一環として期間限定で上映されています。

コントロール不能となった宇宙ステーションを救うために、ふたりの飛行士が命がけでチャレンジしていく感動作です。

あらすじ

冷戦時代の1985年、突如としてソ連が打ち上げた宇宙ステーション・サリュート7号に異常事態が起こりました。

このままでは地上に落下して甚大なる被害を与えるために、ミサイルで撃ち落とすことを国防省は主張しています。

開発段階から携わってきたヴァレリーとしては、これまでのスタッフ一同の血の滲むような努力を無駄にはしたくありません。

宇宙飛行士が直接サリュートに乗り込んで修理を済ませて再起動すれば、攻撃命令を取り下げることは可能です。

特に信頼の置けるクルーをピックアップしていたヴァレリーは、サリュートを設計したヴィクトルと過去にドッキングを成功させた実績のあるウラジミールに目を付けます。

突然の白羽の矢が立ったヴィクトルとウラジミールは周囲の心配や家族の反対を押し切って、宇宙へと旅立っていくのでした。

空の上のふたりと地球上のひとり

退役軍人ながらも優れた操縦テクニックを誇るウラジミールの役は、ウラジミール・ヴドヴィチェンコフです。

現場では正確無比な精密機械のような佇まいですが、家庭ではごく普通のお父さんに変わっていて親しみが持てました。

ウラジミールとタッグを組んで数々の危機を乗り越えていくヴィクトルの役を、パーヴェル・デレヴィヤンコが好演しています。

映画序盤でボートに乗って趣味の釣りを楽しんでいるシーンが、後半の伏線になっていますので覚えておいて下さい。

宇宙へ飛び立ったふたりを地上から援護する、ヴァレリー役に扮しているのはアレクサンドル・サモイレンコです。

個性豊かなメンバーを適材適所に配置して前代未聞のプロジェクトを成功へと導いていく手腕には、名プロデューサーを思わせるものがありますね。

冷戦下での宇宙戦争は続く

宇宙ステーション建設においては屈指の技術力を誇っていたソ連にとって、歴史に残るほどの一大ミッションの行方に引き込まれていくはずです。

冷戦当時のアメリカへの激しいライバル心と、国家の威信をかけるほどのミッションの重要性が伝わってきました。

チャレンジャー号の打ち上げが22日後に迫っているという、退っ引きならない事情もストーリーの背景にはあります。

隙あらばサリュート7号を占領して、自分たちの拠点にすることを目論んでいるNASAはさながら宇宙海賊のようです。

「サリュート7号には核兵器が搭載されている」や、「失敗して国土に衝突した場合はヒロシマを上回る大惨事」など。

自国民の不安を煽り立てるようなデマを流して攪乱させていく、大手メディアの節操のなさには唖然としてしまいました。

国境線のない宇宙において繰り広げられていく大国同士の泥仕合は、30年以上の歳月が流れた現代にも繋がるものがあります。

細部にまでこだわった映像

実際にロシアで国からの宇宙開発を担っている、ROSCOSMOSの全面的なバックアップを取り付けて2017年に製作されています。

シュミレーターと呼ばれている擬似的に無重力を体験できる装置まで使って、俳優たちが模擬訓練をしたという逸話にビックリです。

地上管制塔とも緊密に連絡を取りながら、細心の注意を払って任務へと臨んでいく様子にも臨場感がありました。

宇宙空間を回転しながら漂流しているサリュート7号との、マニュアルで連結に挑む場面には見ごたえがあります。

宇宙の雄大さ人間の無力さ

宇宙空間に浮かび上がった巨大な船体の外に出て、無重力状態の中で静かに溶接作業をしているふたりの宇宙飛行士がオープニングを飾ります。

遥か下方には青々とした地球の海が広がっていて今のところは美しさを保っていますが、いつの日か人類が居住できなくなってしまうような不吉な予感もありました。

来るべき未来に備えるために、今現在における最高峰の科学技術を結集させて創られたのが宇宙ステーションです。

制御不能となった人類の希望を復活させるために、自らの危険を省みることなく志願するふたりの乗組員に感心させられます。

ヴィクトルは妊娠30週目に入ったパートナーを気遣いながら、ウラジミールは妻のニーナからの猛反発を受けて。

それぞれが心配事を地球に残しつつも、バイコヌールのロケット発射場から大気圏へと飛び立っていく姿が勇ましいです。

家族の愛に守られて出発

打ち上げ段階からトラブル続出で、果たしてサリュート7号へとたどり着くことが出来るのか不安になってしまいました。

コックピットの座席にぶら下げられた、ソ連の子供たちに人気のオリンピックのマスコット人形が可愛いらしかったです。

ウラジミールが出発する前に娘のオリャからプレゼントされたお守りで、癒しの効果ばかりでなく無重力の指針としても役立ちます。

ようやくヴィクトルたちが運転するソユーズT13が軌道に乗りますが、遥か彼方で不規則な動きをするサリュートが不気味です。

ドッキングして足を踏み入れたステーション内部は氷点下にまで冷却されていて、雪が舞い散るかのようで神秘的でした。

決死の帰還の誓い

救出用ロケットと宇宙ステーションを行き来しながら、凍りついたサリュート7号を溶かしていく作業が手に汗握ります。

燃料も食糧も限られていて過酷な生存条件の中では、5日のタイムリミットで修復を完了させなければなりません。

極寒の船内に響きわたる音楽がやけに陽気なリズムで、「冬のソチだと思えばいい」と不敵なセリフを吐くウラジミールが頼もしげです。

先にダウンしたのは技術者としては優秀ながら体力には若干不安があるヴィクトルで、見えない恐怖に追い詰められていきます。

修復作業と平行して懸命に励まし続けていくウラジミールの目の前に、突き付けられた二者択一が余りにも残酷です。

酸素の残量の計算違いによってひとりしか地球に戻れないと知った時の、ふたりが下した決断には胸を打たれました。

こんな人におすすめ

絶望的な状況の中でも諦めることなく、お互いを信じて偉業を達成したウラジミールとヴィクトルからは勇気を貰えます。

エンドロールでは御本人の肉声を記録した貴重な映像が流れるので、ふたりの役者の名アプローチを確認することが出来ました。

アンドレイ・タルコフスキー監督によって映像化された、「ソラリスの陽のもとに」で有名なスタニスワム・レム。

兄のアルカジイと弟のボルジの共同執筆によって数多くの名作を世に送り出してきた、鬼才・ストルガツキー兄弟。

旧ソ連諸国や東欧圏のSF作家による小説を愛読してきた読書家の皆さまは、是非ともこの1本をご覧になってください。

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