バーバラと心の巨人|動画配信情報・感想・評価・解説

バーバラと心の巨人
2017年製作/106分/アメリカ 予告動画を検索

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製作

「バーバラと心の巨人」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「バーバラと心の巨人」はアンダース・ウォルター監督によって、2018年の10月12日に劇場公開されました。

ケン・ニイムラとジョー・ケリーの共同執筆によって2009年に発表されている、「I KILL GIANTS」をもとに映像化したものです。

全300ページに及ぶ長編コミックが、原作者自身が書き下ろした106分のオリジナルシナリオに纏め上げられました。

16歳の走り幅跳びの選手が母の死を飛び越えていく「9メートル」や、未知の病に苦しむ少年と病院の管理人とが心通わせてい「HELIUM」など。

青春ストーリーからヒューマンドラマまでを手掛けている、1978年生まれでデンマーク・オーフス出身の映画作家がメガホンを取っています。

孤独な少女が見えない巨人と戦っていくうちに、現実の世界と向き合っていくファンタジードラマに仕上がりました。

あらすじ

バーバラ・ソーソンはニューヨークの郊外で姉のカレンと暮らしている、ちょっぴり夢見がちなティーンエイジャーです。

ロールプレイングゲームが大好きな彼女は、いつの日にか伝説の巨人がこの町にやって来ることを信じていました。

通っている学校では独りぼっちで、クラスのリーダー的な女子生徒・テイラーやスクールカウンセラーのモルとも馴染めません。

自分の殻に閉じ籠り続けていたバーバラでしたが、ふとしたきっかけでイギリスから転校してきたソフィアと親しくなります。

ようやく巨人との戦いを理解してもらえる相手にめぐり逢えたと喜ぶバーバラでしたが、当のソフィアは困惑気味です。

初めて信頼関係を築くことが出来たはずのソフィアからも手痛い裏切りに遭ったバーバラは、たった独りで巨人を倒すことを決意するのでした。

巨人をやっつけるパーティー結成

見えない巨大な敵に立ち向かう主人公、バーバラ・アーネソンの役に器用されているのはマディソン・ウルフです。

ジャック・ケルアックの冒険文学を映像化した2012年作「オン・ザ・ロード」での、鮮烈なスクリーンデビューが甦ってくるでしょう。

今作では持ち前の華やかなイメージを封印して、恋愛にも学業にも残念なヒロインに見事に成りきっていました。

引っ込み思案なバーバラに手を差し伸べて引っ張りあげていく、ソフィア役のシドニー・ウェイドが魅力あふれています。

映画の前半ではふたりの主導権を握っていたソフィアですが、中盤以降に逆転していくパワーバランスにも注目して下さい。

姉でもありソフィアにとっては自立した大人の象徴でもある、カレン・ソーソン役に扮しているのはイモジェン・プーツです。

カウンセラーとして時に厳しく時には優しい言葉を投げ掛ける、モル役のゾーイ・サルダナは流石の存在感ですね。

劇中ゲームに関する耳寄りな情報

バーバラのお気に入りのRPGとして、劇中では幾度となく、「ダンジョン・アンド・ドラゴンズ」が登場します。

ゲイリー・ギャイガックスとデイヴ・アーネソンのふたりの共同製作によって、アメリカのTSR社で1974年に開発されたのが始まりです。

あくまでもコンピューターや端末機を使用することのない、昔ながらのテーブルゲームのスタイルで人気を集めました。

「赤箱」の愛称で親しまれている初心者向けのバージョンや、「青箱」と呼ばれている上級編までレベル分けされています。

「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」に代表されるような、後のテレビゲームにも影響を与えたほどです。

いま現在ですと日本の玩具メーカー・ホビージャパンが輸入から販売までを請け負っているために、思いのほか手軽にプレーすることが出来ます。

ウサギの耳でコスプレをしたバーバラに引いてしまった方も、このゲームに関する豆知識やこぼれ話を頭の中に入れておけば安心ですよ。

遠い過去からの投球

「ダンジョン・アンド・ドラゴンズ」に負けず劣らずバーバラが愛して止まないのが、ひとりのメジャーリーガーです。

ハリー・フランク・コベレスキは1886年に、ペンシルベニア州シャーモンにある炭鉱労働者たちのコミュニティで生まれました。

幼い頃から4人の兄弟たちとボール遊びに興じているうちに、地元の少年野球チームに加わって頭角を表し始めます。

メジャーリーグでのデビュー戦は1907年9月10日で、所属先はフィラデルフィアに本拠地を置くフィリーズです。

対ニューヨーク・ジャイアンツ戦にはやたらと好成績を収めたことから、「ジャイアント・キラー」というニックネームが付けられました。

バーバラが巨人に挑むために用意した取っておきのアイテムとして、「コベレスキ」と名付けられた戦闘用ハンマーも出てきます。

今から100年以上も前に活躍したひとりの野球選手と、21世紀に生きる少女の運命が交錯する瞬間を見逃さないで下さい。

いつの日か王子様ではなく巨人が

学校でも家に帰ってからも自分の居場所の無さを覚えている、バーバラ・ソーソンの物憂げな眼差しがオープニングを飾ります。

物語の世界から巨人が襲来して、退屈な日常を壊してくれることを待ち望んでいる夢想家ぶりには呆れてしまいました。

ご丁寧にも手作りの武器や見よう見まねのトラップまで仕掛けるほどの情熱を、芸術や勉学に役立てることが出来ないのが歯がゆいです。

ある日突然に海を渡ってきた転校生の存在が、バーバラにとっては未知の世界へと繋がる扉を開く鍵になります。

喜びを他者と分かち合う

転校早々に仲良くなったソフィアとの触れ合いを通して、初めて10代らしいトキメキに目覚めていく瞬間を鮮やかに捉えていました。

苦労して造り上げた物語を他の誰かと分かち合う大切さについて、噛み締めていくバーバラが微笑ましかったです。

その一方では自分の価値観や考え方を闇雲に押し付けてしまう、融通がきかない性格は相変わらず成長していません。

遂には態度を豹変させたソフィアにさえも愛想を尽かされて、心を閉ざした状態に戻ってしまったバーバラには胸が痛みます。

死を受け止め人生を生きる

数10年に1度という嵐の上陸が差し迫った状況下でも、ただひたすらに最後の聖域へと駆け付けるバーバラの姿が美しいです。

廃線となった鉄道の車輌や打ち捨てられた浜辺のあばら屋など、学校からも家庭からも見捨てられたバーバラと重なり合います。

待ちに待った巨人との対面のシーンと、「死から逃げることは人生から逃げること」というセリフが感動的です。

哀しい死と過去の記憶を乗り越えたバーバラが、クライマックスで踏み出した小さな一歩にエールを送りたくなりました。

こんな人におすすめ

バーバラの妄想癖は最後の最後まで消えてなくなることはありませんが、その目線には未来を見据えるほどのエネルギーが宿っていました。

学校生活やクラスメートとの関係性がいまいち上手くいっていない中高生の皆さんは、是非ともご覧になって頂きたい1本です。

原作の方は日本でも柳亨英の翻訳によって、2012年の11月30日に小学館のIKKIコミックスレーベルから刊行されています。

ベルギー・フランスを中心に独自の発達を遂げてきたグラフィックスノベルと呼ばれているジャンルの作品で、日本の劇画やアメコミとは一線を画したスタイルになっていますので普段は漫画に馴染みのない方も手に取ってみて下さい。

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