はなちゃんのみそ汁|動画配信情報・感想・評価・解説

はなちゃんのみそ汁
2015年製作/118分/日本 予告動画を検索

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キャスト・スタッフ

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製作
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「はなちゃんのみそ汁」をサクっと解説

ライター/ジョセフ

見たい映画はDVDや動画配信サービスではなく、なるべく映画館に足を運んで見るようにしています。これからも素晴らしい映画との出会いを大切にしていきたいと思います。

作品概要

「はなちゃんのみそ汁」は、イメージフィールド社によって製作されているヒューマンドラマになります。

東京テアトル創立70周年記念作品として、テアトル新宿を封切りに2015年の12月19日から全国ロードショーされました。

ちばてつや賞準優秀新人賞に輝いた「さんかくひろば」から、放送批評懇談会からギャラクシー賞を贈られている「晴れの日の記憶」など。

ラジオドラマの脚本家からマンガ家までと多才な、1966年生まれで東京都出身の阿久根知彦が映画監督デビューを果たしています。

安武信吾と千恵によって文藝春秋社から、 2012年3月15日に発行されているノンフィクション書籍が映像化されました。

全208ページに及ぶ長編エッセイが、阿久根監督が書き下ろした118分のオリジナルシナリオへと纏め上げられています。

ガンとの過酷な闘病生活を続けてきた女性が、残された僅かな時間を夫と娘と共に全うしようとする感動作です。

あらすじ

安武信吾は福岡県の宗像市に支局を置く西日本新聞社で記者として働きながら、慌ただしくも充実した日々を送っています。

恋人の千恵とは13歳の年齢差がありましたが、お付き合いも実に順風満帆でやがてふたりは結婚へと至りました。

そんなふたりの前途洋々たる将来に突如として暗雲が立ち込めてきたのは、健康診断で千恵に悪性の乳ガンが発見された頃からです。

早期発見のケースのために手術によって何とか一命を取り留めた千恵は、間もなく長女のはなを無事に授かります。

はなの成長を見守っていた千恵でしたが、ガンの再発が判明して既に全身に転移していて手の施しようがありません。

自らが余命いくばくもないことを悟った千恵は、愛する娘のために何かひとつを残そうと奮闘していくのでした。

命のリレーを豪華な俳優陣で再現

限られた時間と生命を家族と共に謳歌していくヒロイン、安武千恵の役にキャスティングされているのは広末涼子です。

映画序盤での幸福で生気を湛えた表情が、みるみるうちに衰えていく様子をリアルに体現していました。

病と懸命に戦う千恵を陰ながらサポートしていく、夫・信吾の役には滝藤賢一のイメージがぴったりと填まっています。

千恵と信吾から確かな記憶と掛け替えのない命を受け継いだ、愛娘のはなの役を演じているのは赤松えみなです。

2010年生まれの千葉県出身で撮影当時は若干4歳ながらも、子役とは思えないほどの繊細な演技力を披露していました。

心優しき千恵の姉・志保役にはシンガーソングライターとして有名な一青窈が、俳優としての意外な才能を発揮して驚きですね。

千恵の父親である松永和則役の平泉成や、主治医・伊藤源十役の古谷一行を始めとするベテラン勢も脇を固めています。

受け継がれていくレシピ

人里離れた山奥で仙人のようにひっそりと暮らしている風変わりな名医、伊藤源十は風貌からしてただ者ではありません。

常日頃から低体温症に悩まされている千恵の自然治癒力を高めるために、伊藤の指導のもとで徹底した食生活の管理が行われていきます。

三陸沖で採れて直送されてきてまさに旬を迎えている塩イワシや、ぬか漬けなど実に美味しそうな朝食メニューです。

玄米ごはんから大根おろしに納豆と、シンプルな食材の中にも栄養バランスに気をつかったこだわりが感じられますね。

次から次へと身体に優しそうな料理の数々がテーブルに並んでいく中でも、特に味噌汁にはこだわりがありました。

かつお節と昆布で丁寧にだし汁を取るシーンには、インスタントの手軽さにはない作り手の熱い思いが溢れています。

自身がこの世界から消え去った後も、次の世代へと受け継がれていくことを渇望する千恵の愛情が込められていました。

九州の街並みの魅力もたっぷり

2014年12月中旬にクランクインを迎えていて、福岡市内の有名スポットや名所でのメイン撮影を敢行しています。

映画の冒頭でウエディングドレスを身に纏った千恵と、タキシードを小脇に抱えた信吾が激走しながら向かう先は古賀カトリック教会です。

1955年に北九州エリアにおける布教の拠点として建設された地元愛と由緒ある教会で、ごく普通の住宅街に聳え立つグリーンの尖塔と十字架が目を引きます。

福岡フィルムコミッションの全面的なバックアップを取り付けた、宗像地方や福津市での現地ロケも効果的でした。

大濠公園や愛宕神社に代表されるようなその土地柄を象徴するような風景の数々を、観光旅行気分でお楽しみください。

彼女のために鐘が鳴る

「人生では教会の鐘が3度鳴る」という、主人公・安武千恵の意味深なモノローグから物語は幕を開けていきます。

産まれた時と死ぬ時という全ての人間にとって宿命づけられた2回に加えて、結婚式という忘れられない1回が思い浮かびました。

そんな人生における最大級のイベントにも関わらず、テレビのサッカー観戦に夢中になって遅刻してしまう新郎・信吾がユーモラスです。

女性に対するデリカシーがなく熱しやすく冷めやすい短所だらけながらも、豪放磊落な性格は憎むことが出来ません。

そんな仲睦まじく未来への希望に満ちた新婚カップルの目の前に、ある日突然に幾多の試練が立ちはだかっていきます。

失われた声と手にした宝物

かつては音大に通って歌手を目指していた千恵が、病が進行していくにつれて声を奪われていく様子には胸が痛みました。

抗がん剤治療によってすっかり髪の毛が抜け落ちた頭を、ボランティアの人たちから貰った帽子で隠す場面も心に残ります。

母体の健康を第一に考えて子供を持つことを諦めるのか、ガンが再発するかもしれないリスクを承知で出産に臨むのか。

究極的な二者択一を迫られた千恵を後押しした、「死ぬ気で頑張れ」という父・和則のアドバイスが力強いです。

周りの人たちから花のように愛されて欲しいという切実な願いが込められた、長女・はなの誕生が千恵にとっては生きる希望へと変わっていきます。

ネット回線と古タオルで繋がる

ブログを通じて同じガン患者と近況や情報を共有しながら、交流を深めていく場面には心温まるものがありました。

自宅に眠っているいらないタオルから帽子をリサイクルして、化学療法を受けている仲間たちに配る地道な活動にも感心させられます。

インターネットやSNSなど最先端のテクノロジーを利用したコミュニケーションであれ、昔ながらの手作り感を重視した取り組みであれ。

双方の利点を上手く活かしながら、如何にして人と人との繋がりを広げていくのかについて考えさせられました。

こんな人におすすめ

見慣れたリビングルームの食卓に相も変わらずに食欲旺盛な信吾と、ちょっぴり逞しくなったはなが向かい合って座ることで物語は幕を閉じていきます。

千恵の姿はそこにはありませんが、はなが両手で抱えている味噌汁のお椀からは温かい湯気が立ち上っていました。

エンドロールと共に流れるのは一青窈の「満点星」で、原作者が生前に好きだったという「ハナミズキ」を踏襲したようなナンバーです。

「命をつないで君がここにいる奇跡」というフレーズに、短くも実り多き生涯を駆け抜けた千恵の姿が重なりホロリとさせられました。

コンビニやファーストフードなどの片寄りがちな食習慣が気になっている皆さんは、是非ともご覧になって下さい。

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